太陽光発電設備を相続した方の中には、「運用管理の手間がかかるし手放したい」と考えている方もいるのではないでしょうか？太陽光発電が不要と感じている時は、廃棄することが可能です。しかし廃棄の際に費用がかかるため、事前に費用相場を確認しておく必要があります。
そこで今回は、太陽光発電の廃棄費用内訳や相場、積立制度の概要について詳しくご紹介します。太陽光発電を相続したものの維持管理に悩んでいる方や太陽光発電を手放したいけれど方法がわからない方は、参考にしてみてください。
太陽光発電の廃棄費用はいくら？
太陽光発電の廃棄費用について把握する場合、住宅用と産業用に分けて考える必要があります。それでは、まず太陽光発電の一般的な廃棄費用について確認していきましょう。
住宅用太陽光発電の場合は40万円程度
住宅用太陽光発電の廃棄費用は40万円程度です。出力10kW未満の住宅用太陽光発電は、一般的に住宅の屋根に設置されています。設備の廃棄後も住み続けるには、屋根の修理もする必要があります。
屋根と架台を固定する際、屋根に穴があけられている場合もあるためです。
そのため、住宅用太陽光発電の廃棄費用は、以下の内訳です。
| 屋根の修理費用 | ～100万円 |
|---|---|
| 足場の作業費 | １㎡につき800円前後 |
| 太陽光発電の取り外し | 15万円程度 |
| 処分費 | 太陽光パネルの枚数などによって費用が異なる |
| 運搬費用 | 住宅から処分場の距離に応じて費用が異なる |
特に変動しやすい費用項目は、太陽光発電設備の取り外しや修理費用です。
出力５kW程度の住宅用太陽光発電は、太陽光パネルや架台・配線などの取り外しで20万円以上かかります。運搬や処分費に関しては、５～10万円程度の費用相場です。
そのため、廃棄費用の多くは取り外しに関する作業費で占められています。
産業用太陽光発電の場合は20万円～
産業用太陽光発電の廃棄費用は、安いケースでも20万円程度です。産業用太陽光発電は、出力10kW以上の太陽光発電設備を指します。太陽光発電投資を検討している方は、出力10kW以上の一般的な廃棄費用を意識しながら準備を進めるのが大切です。
1kWあたりの廃棄費用は２万円程度なので、出力10kWで20万円、50kWで100万円程度といった計算です。また工場や倉庫の屋根に取り付けている場合は、住宅用太陽光発電と同じく屋根の取り外しと修理作業に関する費用がかかります。
太陽光発電の廃棄費用は2022年７月から積立義務化
住宅用と産業用太陽光発電の廃棄費用を把握した後は、2022年７月から始まった積立義務化に関する制度を確認しておきましょう。廃棄費用の積立義務化は、太陽光発電投資をおこなう方・検討している方に重要なポイントです。
毎月の売電収入から差し引かれて自動的に積み立てられる
2022年７月から始まった積立義務化は、毎月の売電収入から差し引かれる仕組みです。また、差し引かれた収入は、廃棄費用へ積み立てられます。
そのため、売電収入から廃棄費用の積立額を計算したり指定口座へ振り込んだりといった手続きは不要なので、制度実施前と変わらず運用できます。
対象の設備は出力10kW以上の太陽光発電
積立義務化の対象設備は、出力10kW以上でなおかつFIT制度の認定を受けた太陽光発電です。また、廃棄費用の積立は、FIT終了年の10年前から始まります。
積立金額の単価は、FITの認定を受けた年度によって異なります。目安として売電収入の3～4％が、廃棄費用に充てられます。
既にFIT認定を受けた出力10kW以上の太陽光発電を所有している方は、毎月の明細から廃棄費用の積立金額を確認してみましょう。
太陽光発電の廃棄費用を抑えるには？
太陽光発電の廃棄費用相場や積立義務化について把握したあとは、費用負担を抑える方法について確認していきましょう。廃棄費用の総額を抑えることができれば、費用の多くを積立金でカバーできます。
それでは、太陽光発電の廃棄費用を抑える方法について紹介していきます。
相見積もりで安い業者を見つける
解体業者を比較する際、相見積もりで検討するのが大切です。
相見積もりとは、２社以上の業者から同時に見積もりを作成・提示してもらうことです。より安い見積もり・丁寧に作成された見積もりを一目で把握できるのが主なメリットと言えます。
解体業者の品質や見積もりの作成方法、費用感は、業者によって異なります。実績豊富でなおかつ相場に合った金額を提示してくれる解体業者を探すには、相見積もりで効率よく比較検討していきましょう。
廃棄費用の積立金を活用
廃棄費用の負担を抑えるには、積立金を活用してみるのも大切です。FIT制度の固定買取期間中や終了後に、発電事業の終了もしくは縮小した場合は、廃棄費用の積立金を全額・一部活用できます。
なお、当サイトの以下記事では積立金の活用可能なケースや条件について詳しく解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
太陽光パネルをリユースして費用負担を軽減
太陽光パネルのリユースを実施した場合、費用負担を軽減できる可能性があります。架台やパワーコンディショナ、ケーブルなどは、経年劣化によって性能低下および腐食していきます。そのため、再利用の難しい設備です。
一方、太陽光パネルに関しては、メンテナンスを継続的に実施することで半永久的に発電を続けられます。環境省では適切な廃棄の他、太陽光発電のリサイクルやリユースなども推奨しています。今後は、太陽光パネルのリユースに対応したリサイクル業者も増える可能性があります。
太陽光発電の廃棄費用を避けるには？
太陽光発電の廃棄費用の負担を避けたい時は、解体・撤去以外の選択肢について把握しておくのも重要です。そこでここからは、廃棄費用を避ける方法について紹介していきます。
中古太陽光発電の仲介サービスを利用して売る
特におすすめの方法は、中古太陽光発電の売買仲介サービスです。中古太陽光発電は、稼働しやすさや固定買取価格の高さなどといった点から需要の多い設備です。そのため太陽光発電の売却は、廃棄費用を避ける上でメリットの多い方法といえます。
さらに売買仲介サービスを利用する場合、売買契約や名義変更、所有権移転登記、物件情報の作成と掲載など、売却に伴うあらゆる手続きや準備を代行してもらえます。
相続や贈与によって太陽光発電を取得したものの手放したい時は、売買仲介サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
買い手がつかない時は買取ってもらうことも可能
太陽光発電の買い手がつかない時は、仲介サービス側で買い取ってもらえるケースもあります。中古太陽光発電の需要は、発電量や立地、残りの固定買取期間、その他の事情で大きく変わります。
弊社とくとくファームの場合は、稼働済み中古太陽光発電の売却や購入に関する仲介の他、買い取りサービスも提供しております。現金化までのスピードは最短３日で、買い取りを含めた選択肢を提示いたします。
早期の買い取りを希望している方は、こ電話やメールにてお問い合わせください。
設備の撤去後に太陽光発電用地の売却も可能
太陽光発電の売買仲介サービスは、土地付き太陽光発電の他、土地の査定や地目変更、売却手続きに関しても総合的にサポートしてもらえます。廃棄を専門とする解体業者は、あくまで設備の取り外しや廃棄物の分類、処分場への運搬といったサポートで、土地に関するサポートは対応外です。
一方、売買仲介サービスは、土地の売買に関するサービスを展開しているので、土地の売却を目指して準備を進められます。また、土地の売却益を得られるのが強みです。
とくとくファームの場合は、原野や耕作放棄地、雑種地、転用可能な農地など、一般的な不動産投資に適していない土地でも査定、買い手との交渉や売買契約、売却後の税務処理などを含めてサポートいたします。
太陽光発電の廃棄費用リスクを保険で軽減できる？
資源エネルギー庁では、事業計画策定ガイドラインの変更時に保険への加入に関する努力義務規定を設けました。これから太陽光発電投資を始める方、相続などで太陽光発電を取得したものの手放したい方は、保険に関しても調べておくのが大切です。
最後は、太陽光発電の保険に関する変更点や新しいサービスを確認していきましょう。
保険会社は事業計画策定ガイドラインの変更に伴い新たな保険を販売開始
保険会社は、FIT法改正および事業計画策定ガイドラインの変更に合わせて、新しい保険を提供し始めています。東京海上日動火災保険株式会社の場合は、「太陽光発電設備 廃棄費用＆賠償責任保険」という保険を新たにスタートしました。
基本サービスの施設賠償責任は、太陽光発電設備の稼働中に発生した事故によって人や物へ被害を与えた際、損害賠償責任を補償してもらえます。
例えば、自然災害で太陽光パネルが外れてしまい、周辺の自動車や人へ直撃した場合に損害賠償責任の他、事業継続に必要な費用も補償されます。
オプションに廃棄費用のリスクに対する補償も追加されている
「太陽光発電設備 廃棄費用＆賠償責任保険」には、オプションが含まれています。オプションサービスの廃棄費用は、自然災害によって太陽光発電設備が損害を受け、なおかつ事業の縮小や撤退を余儀なくされた場合に撤去費用を補償してもらえます。
地震や台風の規模によっては、太陽光発電の架台もろとも破損してしまう可能性があります。太陽光発電を所有している方は、予期せぬ撤去・廃棄に備えて、さまざまな保険を比較検討してみるのも大切です。
太陽光発電の廃棄費用は数10万円以上かかるため売却を視野に入れるのがおすすめ！
太陽光発電の廃棄費用は、住宅用で40万円程度、産業用であれば１kWあたり２万円程度です。廃棄費用の負担を避けたい時は、売却を視野に入れてみることをおすすめします。
売買仲介サービスへ相談すれば、手続きを代行してくれますし、税務処理や名義変更などに関するサポートを受けられます。
相続や贈与などで太陽光発電を受け取ったものの手放したい方や太陽光発電の運営が難しい状況の方は、今回の記事を参考に太陽光発電の売却を検討してみてはいかがでしょうか？
弊社とくとくファームでは、全国各地から中古太陽光発電所の売却に関する相談を受け付けております。専任の担当者が、太陽光発電設備や土地に関する状況を確認した上で査定し、なおかつ売却額アップに向けた洗浄・点検なども実施します。
太陽光発電の廃棄費用に負担を感じる時や少しでも売却に関心を持っている時は、お気軽に査定をご検討ください。かんたん査定では、わずか30秒で査定額をご確認いただけます。
