太陽熱温水器の特徴やメリット・デメリットをわかりやすく解説!費用やエコキュートとの違いについても

太陽熱温水器の特徴やメリット・デメリットをわかりやすく解説!費用やエコキュートとの違いについても

近年、脱炭素化や環境経営重視の社会へ変化していることから、太陽熱温水器にも注目が集まっています。太陽熱温水器は太陽光発電とは異なり、太陽から伝わる熱を活用した温水器で、電気・ガス料金の削減につながるのが特徴です。また家庭用だけでなく業務用太陽熱温水器も製造されているので、企業にとっても導入検討しやすい設備といえます。

そこで今回は、太陽熱温水器の仕組みや特徴、メリット・デメリット、費用やエコキュートとの違いについて詳しくご紹介します。太陽光発電を導入していて太陽熱温水器にも関心を持ち始めた方や、太陽光発電の維持管理負担に悩んでいる方などは、参考にしてみてください。

太陽熱温水器の特徴

まずは、太陽熱温水器の仕組みや特徴について1つずつ確認していきましょう。

太陽熱で水を温められる設備

太陽熱温水器とは、太陽光の熱を集めて水を温める設備のことです。

主な構造は、集熱器と呼ばれる太陽熱を集めるための板と、お湯を貯めたり、建物内へ循環させたりするための貯湯タンクから成る一体化式です。貯湯タンクは建物内の配管と接続されていて、給水と給湯の役割も果たしています。

貯湯タンクに供給された水が集熱器の熱によって温められ、配管を通して建物内へ供給される仕組みです。

なお太陽熱を利用したシステムには、貯湯タンクと集熱器が別々になっている水式集熱器や空気式集熱機などもあります。業務用の場合は分離式が用いられているケースもあるので、複数の方式から検討することができます。

お湯の供給方法は2種類

家庭用太陽熱温水器の給湯方法は、主に自然落下式と水道直結式の2種類に分かれています。以下に各給湯方法の詳細を紹介します。

方式 特徴
自然落下式 1:水道管から流れてきた水を貯湯タンクに貯めたのち、集熱器の熱で温める
2:温められたお湯は、屋根から配管を通して直接湯船へ流れていく
・シンプルな構造状、シャワーなどで使用できない
・温度調整は給湯機のお湯を混ぜながら手動で変えていく必要もある
・施工方法が簡単で費用を抑えられる
水道直結式 1:水道管から流れてきた水を貯湯タンクに貯めたのち、集熱器の熱で温める
2:温められたお湯は給湯設備へ供給される
・給湯機の設定で簡単に温度調整が可能
・シャワーなどさまざまな場面で使用可能
・自然落下式より費用が高い

自然落下式の場合は、太陽熱温水器で温めたお湯を給湯器へ供給しないため構造はシンプルです。その反面、お湯をシャワーに使用できないなど、不便な部分もあります。

一方、水道直結式は、太陽熱温水器の配管が給湯機へ接続されているので、シャワーにも対応しています。ただし、自然落下式より費用がかかります。太陽熱温水器を導入する時は、お湯の用途と費用から検討していくのが大切です。

業務用は不凍液とポンプを使用

業務用太陽熱温水器の多くは、強制循環式および分離式のシステムで構成されています。強制循環式とは、動力ポンプで太陽熱温水器の配管内にある水や不凍液を循環させるシステムのことです。さらに貯湯タンクは地上に設置されており、集熱器とは分離しています。

前段で紹介した貯湯タンク一体型の太陽熱温水器は、屋根に貯湯タンクが設置されています。そのため、寒冷地での設置や冬場の場合には水が凍結してしまう可能性もあります。

一方、強制循環式の太陽熱温水器は、貯湯タンクを地上など任意の場所に設置できるだけでなく、水・お湯用の配管に隣接された不凍液用の配管によって凍結を抑えられます。(不凍液用の配管:集熱器の熱を伝える不凍液が入っている)

また集熱器と貯湯タンクが分離しているので、屋根にかかる負荷を軽減できるのも強みです。

太陽熱温水器の費用相場

家庭用太陽熱温水器の費用は、自然落下式なら15~30万円程度です。自然落下式はシンプルな構造なので、他の方式より安価といえます。

一方、水道直結式の導入費用は30~100万円程度です。

業務用太陽熱温水器の導入費用は、設置方式や集熱器の設置枚数で大きく異なります。またほとんどの施工販売業者では、自社HPで機器や施工の料金を公開していません。そのため、費用相場を推定するのは難しい状況です。

なお、2009年に公開された経済産業省の資料によると、集熱面積100㎡規模の太陽熱温水器の導入費用は2,900万円程度とされています。ただしこの費用はあくまで2009年時点であるため、現在はこれよりも安価で導入できる可能性があります。

まずは複数の施工販売業者へ相見積りを行い、技術的なノウハウと費用のバランスを慎重に見極めていく必要があります。

引用:資源エネルギー庁ウェブサイト

類似設備との違い

太陽熱温水器の基本を把握した方の中には、エコキュートや太陽光発電との違いについてわからず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。ここからは、太陽熱温水器とエコキュート、太陽光発電との主な違いについてわかりやすく解説していきます。

エコキュート

エコキュートは、電気でお湯を沸かす給湯設備です。

熱を作るヒートポンプユニットと、お湯を貯めたり供給したりできる給湯タンクから構成されています。仕組みとしては、ヒートポンプユニットで外気の熱を取り込んだのち、コンプレッサーでさらに高温化させ、水加熱用熱交換器で水を温めていきます。

太陽熱温水器と同じく給湯設備ではあるものの、動力源や仕組みに違いがあります。

太陽光発電

太陽光発電は、太陽光パネルを介して太陽光を電気に変換する設備を指します。発電した電気は電力会社へ売電したり、自社のオフィスや工場などで自家消費したりすることが可能です。また停電時は非常用電源としても活用でき、BCP対策につながります。

太陽光発電は発電設備なので、太陽熱温水器とは用途や目的といった点でも違いがあります。

太陽熱温水器のメリット

ここからは、太陽熱温水器の導入メリットについて1つずつ確認していきましょう。

変換効率が高い

太陽熱温水器は、太陽光発電より変換効率という点でメリットのある設備です。(太陽光の変換効率:光を熱や電気などへ変換できる割合のこと)

太陽熱温水器の熱変換効率は、50~60%で推移しています。一方、太陽光発電の変換効率は20%前後です。

変換効率で比較した場合、4倍程度の差が生じています。光エネルギーを効率よく活用できるのは、太陽熱温水器といえます。

電気やガス料金の削減効果を見込める

電気やガス料金の削減効果を見込めるのは、太陽熱温水器の強みでもあります。

一般的に給湯設備は、電気やガスを使用しながらお湯を沸かします。特に工場などでは、製品の洗浄、生産設備の洗浄などに大量のお湯が必要です。またオフィスの場合は、各フロアの給湯室や洗面所などでお湯が使用されます。

そのため、給湯設備にかかる電気やガス料金負担は、季節にかかわらず発生します。

太陽熱温水器を導入すれば、自然エネルギーの太陽光から熱を取り出し、各設備へお湯を供給できます。その分給湯設備の稼働率を抑えられるため、電気やガス料金負担を軽減することが可能です。

給湯設備のランニングコストを削減できる

太陽熱温水器を併用した場合は、既存の給湯設備にかかる負荷やランニングコストを削減できます。

太陽熱温水器は既存の建物に設置できますし、給湯設備とも併設が可能な仕様です。そのため、事業活動に必要な熱湯の使用量を維持したまま、給湯設備の稼働時間や負荷を軽減できます。

さらに給湯設備の稼働に必要な灯油やガス、電気の調達量を抑えられるので、ランニングコストを年間数%~数10%削減することが可能です。他にも太陽熱温水器の導入によって給湯設備の稼働時間を短縮すれば、その分経年劣化を抑えられる可能性もあります。

二酸化炭素排出量の削減効果で企業価値アップ

太陽熱温水器を導入した場合、二酸化炭素排出量を削減できますし、企業価値アップといったメリットを得られます。

既存の給湯設備では、火力発電所から供給された電気や化石燃料の天然ガスが必要です。設備を稼働すればするほど、間接的に二酸化炭素の排出量が増えていきます。

一方、業務用太陽熱温水器は、給湯機能において電気やガスが不要です。(※動力ポンプでは電気が必要)さらに再生可能エネルギーである太陽光が主なエネルギー源なので、灯油やガス、電気の利用に伴う二酸化炭素排出を年間数10%削減できます。

脱炭素経営は、消費者や投資家などから信頼を得られる要素です。企業価値を向上させるには、太陽熱温水器を検討してみてはいかがでしょうか。

太陽熱温水器のデメリット

続いては、太陽熱温水器のデメリットや注意点について確認していきましょう。

定期点検が必要

太陽熱温水器を導入する場合は、専門業者に定期的に保守点検を依頼する必要があります。業務用太陽熱温水器の集熱器は、外気や直射日光、雨や風にさらされています。また、配管や貯湯タンクなどの周辺設備は、継続的な使用によって錆びや汚れも増えていきます。

そのため、定期的に点検しなければ、安全性や衛生面といった点で問題が生じてしまうおそれがあります。

発電できないため自家消費や売電に非対応

太陽熱温水器には、発電機能が搭載されていません。太陽熱温水器の役割は、あくまで給湯機能です。非常用電源を探している方や売電収入を得たい方などには、メリットの少ない設備といえます。

ただし、電気代やガス、灯油代などの負担を削減できる可能性があるので、ランニングコスト削減という点で強みのある設備です。

太陽熱温水器にかかわらず再生可能エネルギーを活用した設備を検討する時は、用途や目的、予算などを明確にしておきましょう。

業務用太陽熱温水器の場合はボイラーやタンクなどの設置場所も必要

業務用太陽熱温水器を設置するには、集熱器の設置スペースだけでなく、制御盤やボイラー、動力ポンプ、貯湯タンクなどの設置スペースを確保しておく必要があります。

設置スペースに不安がある場合は、施工販売業者に現地調査を行ってもらい、設置可能な状態なのか、屋根の補修が必要なのか調べてもらうのもおすすめです。

太陽熱温水器と野立て太陽光発電の両立に悩んでいる場合は?

野立て太陽光発電を所有している企業の中で太陽熱温水器の導入を悩んでいる時は、設備の使用目的や特徴から検討してみましょう。

たとえば、以下のような場合なら野立て太陽光発電を手放し、太陽熱温水器を導入してみてはいかがでしょうか。

  • 発電設備のランニングコストに悩んでいる
  • 太陽光発電を設置している場所に工場など建物を建てたい
  • 発電設備なしでも電気代を削減したい
  • 電気代だけでなく灯油代やガス代も削減したい

野立て太陽光発電を手放す方法は、解体撤去と売却の2種類です。解体撤去は専門業者に設備を解体してもらい、法に沿って廃棄してもらう方法を指します。

一方、売却とは、太陽光発電所の売買仲介サービスに買い手を探してもらい、売買仲介を含むサポートを行ってもらいながら設備と土地一式を売却していく方法のことです。

太陽光発電を手放すなら撤去するより売却した方がいい理由

太陽熱温水器の導入に伴い野立て太陽光発電を手放す場合は、売却をおすすめします。特に自社の敷地から離れた場所(遠隔地)に野立て太陽光発電を設置していて、なおかつ土地も手放したい時は、売却の方がメリットをより多く得られます。

それでは、野立て太陽光発電の撤去より売却の方がおすすめの理由をわかりやすく紹介していきます。

解体撤去と異なり費用負担を抑えられる

野立て太陽光発電の売却は、解体撤去と異なり費用負担を抑えられます。

経済産業省の「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」によると、事業用太陽光発電の撤去費用は、1kWにつき1万円程度とされています。出力100kWの野立て太陽光発電であれば、解体撤去の際に100万円前後の費用がかかるということです。

売買仲介サービスで太陽光発電を売却する場合、事務手数料などの費用が発生します。ただし解体撤去の費用負担と比較すると安価なので、出費を抑えることができます。

引用:経済産業省ウェブサイト

売却益を太陽熱温水器の費用に充てられる

野立て太陽光発電一式を売却した場合は、まとまった売却益を得られます。そのため、太陽熱温水器の設置にかかる費用の一部もしくは全額は、太陽光発電の売却益でカバーすることが可能です。

太陽光発電の売却時には、利回りの10倍程度の売却益を得られるケースがほとんどです。たとえば、年間の売電収入100万円の太陽光発電所を売却した場合は、1,000万円前後の売却益が期待できる計算です。

売買仲介サービスによるサポートを受けられる

売買仲介サービスでは野立て太陽光発電も扱っているので、1から準備しなくとも簡単に売買手続きを進められます。

自社で取り引きを始める場合、買い手探しから契約書や設備資料、発電実績に関する資料の準備、取引中のトラブルに関するリスク管理、売却後のサポートなど、さまざまな対応に追われます。

売買仲介サービスなら、太陽光発電所の査定から始まり、売却価格アップへ向けたメンテナンスや修繕、洗浄、買い手との交渉や契約手続き、売却後のトラブル対策まで一括対応してもらえます。

また集客力があるので、買い手側からの物件情報を確認してもらいやすい状況です。

太陽熱温水器でランニングコスト削減を目指そう!

太陽熱温水器は、集熱器で集めた太陽光の熱エネルギーを利用して、貯湯タンクに貯めた水を温める設備です。また業務用の太陽熱温水器では、貯湯タンクを地上に設置し、動力ポンプで不凍液や熱湯を循環できるのが特長です。

太陽光発電設備から太陽熱温水器へ切り替えたい方や、発電設備なしで電気やガス、灯油代などの負担を軽減したい方は、まず野立て太陽光発電の売却から検討してみてはいかがでしょうか。

15,000件を超える実績を持つ弊社とくとくファームでは、中古太陽光発電所の売買仲介サービスを提供しています。専任のスタッフが査定を行ったのち、現地調査で設備状態を確認し、売却アップへ向けたさまざまな施策をご提案します。また、自社HPによる物件情報サービスには、全国各地から買い手が集まっています。

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