洋上風力発電とは?仕組みやメリットやデメリットを解説!

洋上風力発電とは?仕組みやメリットやデメリットを解説!

気候変動問題の解決に向けて、日本でも脱炭素化に向けた取り組みが進んでいます。日本政府では、2030年までに洋上風力発電の導入量10GWという目標を掲げていて、同設備への関心も高まっています。今回は、洋上風力発電の仕組みや特徴、メリットやデメリット・課題について詳しくご紹介します。再生可能エネルギー発電設備に関心を寄せている方などは、参考にしてみてください。

洋上風力発電とは?

まずは、洋上風力発電の仕組みや特徴を解説します。

海で風力発電を行う発電方法

洋上風力発電は海に風力発電所を設置し、風でブレードを動かす力を電気エネルギーに変換させて、電気を生み出す設備のことです。発電する仕組みそのものは通常の風力発電と変わりません。以下に紹介する通り、基本的な構造は風力発電と一緒です。

洋上風力発電の構造

名称/th> 概要
ブレード(プロペラ、羽) 風の力を回転力に変換させるための羽
ロータ ブレードの中心に接続されている回転軸
ナセル 発電機、増速機、ブレーキ、塩害対策用のファンが搭載されている部分
タワー 風車やナセルを支える土台

洋上風力発電と陸上風力発電の違い

洋上風力発電は海底送電線や港湾施設などが必要になるため、陸上風力発電と比較すると、コストが大きい設置方式です。しかし、海上は陸よりも強い風が吹くので、より発電しやすい環境でもあります。また周辺に建物などがなく、ブレードが長い大型の風力発電設備を設置しやすいことから、より発電量を期待できる点も大きな特徴です。

洋上風力発電と陸上風力発電の主な設備

設備 洋上風力発電 洋上風力発電(陸から30km以上離れたところに設置) 陸上風力発電
陸上変電所
送電線
港湾施設
洋上変電所
海底送電線
風力発電機

洋上風力発電の設置種類

洋上風力発電には大きくわけて2種類の設置方法があります。

浮体式は、浮体(浮体:海上で浮いた状態の構造物)を海底につなぎ、浮体の上に風力発電設備を固定して稼働させる仕組みです。一方、着床式は海底に支柱を固定し、その上に風力発電設備を設置して稼働させる方式です。

浮体式

浮体式の洋上風力発電は、

着床式とは異なり、土台となる支柱構造物を海底に設置しなくて済むため、環境への影響を抑えやすいです。また、水深の深い場所でも設置しやすいのもメリットのひとつです。

ただし、安定した設置方法に関する技術は世界的にも確立されておらず、技術開発に関する課題も残されています。非常にコストがかかるため、現在の日本では着床式による導入が一般的です。なお、浮体式は4種類の方式にわかれていて、それぞれ設置場所や特徴に違いがあります。

以下に各方式を表でまとめました。

方法 概要 特徴 水深
TLP型(テンションレグプラットフォーム:Tension Leg Platform) 強制的に半潜水させた浮体と海底に固定された基礎を垂直方向でつないで固定する方式 ・浮体の浮力と係留の張力による強い力で固定されているので、上下の揺れだけでなく左右の動きにも強い
・コストが高い
水深50m〜100m程度
バージ型 箱形の浮体をチェーンやアンカーで海底とつないで固定する方式 ・浮体の長さは短く設計されているため、浮体式の中では比較的浅い海域に設置できる
・波や揺れに弱いが比較的低コスト
水深50m〜100m程度
セミサブ型(セミサブマージブル:Semi-submersible) 構造物の一部が海面に出るように設計した浮体を海中へ沈めてアンカーでつなぎ、海面に出ている部分へ風力発電設備を設置する方式 ・構造物を完全に沈めるため波にも強いが、設置が複雑になるため高コスト 水深50m以上
スパー型 円柱形状の細い浮体を海中深くに沈めて固定させる方式 ・他の方式よりもシンプルな構造のため、コストや技術という点で採用されやすい
・非常に長い浮体でバランスを取るため、深い海域でなければ設置できない構造
水深100m以上

浮体式風力発電そのものはシンプルな原理ですが、水深や設置予定場所の環境に合った方式を選ばなければいけません。浮体や基礎部分の設計や製造、輸送に関する技術が確立しておらず、低コスト化・商用化を目指している最中といった状況です。

また、安定性の確認や維持管理費用の負担が大きいという点でも課題のある方式といえます。

着床式

着床式風力発電は浮体式と異なり、海底に固定用の基礎を作り、基礎の上に風力発電設備を設置および固定させる方式です。水深0~60m程度に対応できます。

設置場所の海域や環境によっては、浮体式風力発電より設置コストを抑えられる可能性があります。また、浮体式より安定した固定が可能なので、大型の風力発電設備を設置しやすいといったメリットもある方法です。

ただし風力発電設備の振動・海底への構造物設置などが、環境や生態系へ影響を与える可能性もあり、基礎の周辺に漁礁を造るなど、環境対策も考慮する必要があります。

洋上風力発電における日本の現状

日本で洋上風力発電は、海外と比較して普及していない状況です。

たとえばイギリスの場合は、2019年に洋上風力発電戦略(OWSD)という洋上風力発電の普及に向けた戦略を策定し、政府と企業間でパートナーシップを結ぶなど、積極的な取り組みを続けています。

とくにヨーロッパと中国は、再生可能エネルギー・洋上風力発電の導入量が伸び続けています。2023年の新規導入量に関しては中国の勢いが増し、累計導入量はヨーロッパと中国で世界の9.6割を占める状況となっているのです。

一方、日本の場合は、いくつかの理由から洋上風力発電の普及が進んでいません。自然エネルギー財団による「洋上風力発電の動向世界と日本における現状 [第5版]」によれば、2023年時点の洋上風力発電の累計導入量は欧州で29.5GW、アジアで32.5GWです。うち、日本は累計0.1GWの導入に留まります。

普及の進まない理由は、大きくわけて3点あります。

  • 設置までに時間がかかる
  • 風の強さが不安定
  • 大手企業による投資および開発が進んでいない

ヨーロッパでは偏西風の影響で、安定した風を期待できますし、その分発電量の予測しならが導入進めやすい環境にあります。

しかし、日本は年間を通して風の強さが不安定で、台風などの影響も考慮しなければいけません。民間企業としては、太陽光発電など他の安定した再生可能エネルギーが選択肢となり、洋上風力発電を積極的に導入する必要がありませんでした。

また導入に際しては、海域の利用制約や漁業との調整をクリアしなければならず、設置までに時間と手間がかかるというのが現状です。

このため日本における洋上風力発電は、現状では導入ハードルの高い再生可能エネルギー事業といえます。しかし日本政府も、実証実験や設備投資支援など、産業化を目的とした取り組みを進めているため、少しずつ導入環境も整えられていくでしょう。

洋上風力発電のメリット

日本で導入ハードルの高い洋上風力発電ですが、設備そのものに関するメリットはあります。ここからは、洋上風力発電のメリットについて紹介します。

陸上より風が吹きやすく発電量を伸ばしやすい

洋上風力発電は、陸上風力発電と比較して発電量を伸ばしやすいのがメリットの一つです。陸地の風は、時間帯や場所によって変化しやすいです。さらに地形の影響もあるため、風向きも頻繁に変わります。

一方、海上は複雑な地形ではないため、風向きの変わりにくい環境です。また、強い風が常に吹いている場所も多いので、一定の発電量を確保しやすいといえます。

大型の風力発電設備を運用可能

洋上の場合は、陸上と異なり周辺に建物などがありません。建造物・地理的な制約がないことから、大型の洋上風力発電設備を導入しやすいです。世界的にも、洋上風力発電の大型化させる試みが進んでいます。

陸上設置と異なり騒音などの近隣トラブルリスクなし

洋上風力発電は洋上で設備を運用していくため、陸上設置型の発電設備と異なり近隣トラブルのリスクを回避できます。

再生可能エネルギーは、自然環境に配慮されたクリーンエネルギーです。しかし、発電設備の駆動音や反射光・景観に関する問題などが起こるリスクはあり、周辺住民とのトラブルや裁判に発展する可能性もあります。

一方、洋上風力発電の周辺には建造物などがないため、近隣トラブル対策にリソースを投入しなくとも設置・運用できます。

海に囲まれた日本では開発しやすい

日本の場合は、気候面や技術面で洋上風力発電の発電量や運用に課題の多い状況です。ただし、周辺を海に囲まれており海岸も長いため、洋上風力発電を設置しやすいという点でしょう。

洋上風力発電のデメリット

続いては、洋上風力発電のデメリットについて解説します。

導入費用が高い

導入費用の高さは、洋上風力発電のデメリットといえるポイントです。経済産業省の「令和6年度以降の調達価格等に関する意見」によると洋上風力発電の資本費は、1kWあたり平均137万円と陸上風力発電の約5倍もの費用がかかります。

なお、国内で普及の進んでいる事業用太陽光発電は、1kWあたり14.7~25.1万円です。

現状では、企業が本業のために導入する再生可能エネルギーとしては、現実的なコストではありません。低コスト化が進むまでは、太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入するのが良いでしょう。

出典:経済産業省 調達価格等算定委員会「令和6年度以降の調達価格等に関する意見」

維持管理のコストがかかる

洋上風力発電はメンテナンスフリーではありません。また、波の浸食や塩害、強風の影響などがあるため、経年劣化しやすい環境といえます。

そのため、陸上風力発電と比較した場合、維持管理の手間、現地への機器や部材の輸送および作業員の移動費用などの負担が大きな設備です。老朽化や破損した部材や機器類は放置できないため、一つずつ陸上へ運搬する必要があります。輸送コストや作業負担という課題は大きいでしょう。

周辺の生態系への影響を考慮する必要がある

国内では、洋上風力発電に関するデータが揃っていません。そのため、着床式・浮体式洋上風力発電を複数設置すると、周辺の生態系にどのような影響を与えるのか不明な部分が多い状況です。

企業におすすめの再生可能エネルギーは非FIT型太陽光発電

企業におすすめの再生可能エネルギーは、非FIT型太陽光発電です。非FIT型太陽光発電は、FIT制度の認定を受けずに運用を行うタイプの事業用太陽光発電で、導入費用や運用管理などにおいて洋上風力発電よりもメリットの多い設備でもあります。

それでは、企業におすすめの非FIT型太陽光発電に関する特徴や強みを紹介します。

屋根や地上、水上などさまざまな場所に設置可能

屋根や地上などのさまざまな場所に設置できるのは、非FIT型太陽光発電ならではの強みといえます。

洋上風力発電は、あくまで洋上での設置を前提とした設備です。一方、非FIT型太陽光発電の場合は、建物の屋根や自社の空いたスペース、水上や農地など、あらゆる場所で発電事業を進められます。

自社の敷地内に空きスペースがない場合は、遠隔地の土地を取得した上で太陽光発電所の設置を行うことも可能です。

洋上風力発電より導入費用が安い

非FIT型太陽光発電は、洋上風力発電よりも導入費用の安い再生可能エネルギーで、多くの企業にとって検討しやすい設備といえます。

経済産業省の「令和6年度以降の調達価格等に関する意見」によると洋上風力発電の資本費は、1kWあたり平均137万円です。

一方、事業用太陽光発電の導入費用は出力に応じて変動するものの、いずれも1kWあたり30万円以下で推移しています。

出力10kW以上、50kW未満 1kWあたり 25.1万円
出力50kW以上、250kW未満 1kWあたり 19万円
出力250kW以上、500kW未満 1kWあたり 16.7万円
出力500kW以上、1,000kW未満 1kWあたり 14.7万円
出力1,000以上 1kWあたり 19.2万円

また、自社の敷地内に設置した場合は、大規模な送電設備の導入せずに済みます。遠隔地に設置する場合は、一般送配電事業者の送配電網を活用しながら電力供給や自家消費を進められるので、送電ケーブルの大規模な設置工事なども不要です。

引用元:経済産業省ウェブサイト

電気代の削減効果を得られる

非FITの太陽光発電は、FIT制度の規制を受けずに運用できます。そのため、売電だけでなく自家消費という選択肢を検討することが可能です。

自家消費とは、自社で発電した電気を生産設備や自社の建物へ供給および消費する運用方法のことです。電力会社から供給されている電気の使用量を削減できるため、電気代削減につながります。

また、FIT型の固定買取価格は年々下落傾向で推移している一方、電気代の値上がりが続いている状況です。非FIT型太陽光発電による自家消費なら、再エネ賦課金や燃料調整額を含めた電気代負担を大幅に削減できますし、災害時に非常用電源として活用できます。

発電・売電事業に活用可能

将来的に売電事業を始めたい企業や小売電気事業者は、非FIT型太陽光発電を導入しておくことをおすすめします。

前段でも触れたように非FIT型太陽光発電は、自家消費や売電などの選択を自由に進められる運用方式です。

また売電を行う場合は、非FIT型太陽光発電の電力買取・需要家への電力供給をサポートするサービスを利用したり、小売電気事業者として電力市場での電力供給を始めたりする方法から検討できます。

ただし、条件の良い非FIT電力の購入先を見つけることや、電力市場の規制に合わせながら発電事業を進めることは労力がかかる作業です。

弊社とくとくファーム0では、再生可能エネルギーを活用したい需要家と、非FIT型太陽光発電を所有する発電事業者をつなぐためのサポートも行っております。また無料の個別セミナーでは、脱炭素経営や非FIT型太陽光発電の基礎から丁寧にご説明いたしますので、ぜひお気軽にご予約・ご相談ください。

二酸化炭素の排出削減効果を得られる

近年の気候変動問題から世界的な脱炭素、環境負荷の軽減に注目が集まっています。非FIT型太陽光発電による自家消費を行うことで、二酸化炭素の排出削減を目指せます。二酸化炭素の排出量削減実績は脱炭素経営に活用できるため、自社の企業価値アップにつながるでしょう。

火力発電の場合は、化石燃料の燃焼により発生した蒸気で発電機のタービンを回転させて発電します。電力会社から供給される電力には、火力発電由来の電力が含まれているので、電気を利用するだけで間接的に二酸化炭素を排出してしまいます。

一方、非FIT型太陽光発電は、FIT型と同じく日光を太陽光パネルで吸収して電気へ変換します。発電時には二酸化炭素を排出しないので、自家消費率を高めて火力発電由来の電力使用量を削減すれば、その分二酸化炭素排出量削減量を伸ばせます。

洋上風力発電はクリアすべき課題が多い再生可能エネルギー

洋上風力発電は、洋上に風力発電設備を設置・運用する発電方法で、再生可能エネルギーの一つです。陸上風力発電より発電量を伸ばしやすい一方、導入費用や設置方式および維持管理に関する技術的課題も残されていて、今後の研究開発による発展が求められています。

これから脱炭素経営を始める方や再生可能エネルギーを活用した事業へ取り組みたい方は、導入費用を抑えやすく運用管理しやすい非FIT型太陽光発電を検討してみてはいかがでしょうか。

創業30年、15,000件を超える施工実績を持つとくとくファーム0は、非FIT型太陽光発電物件のご提案をはじめ、設計から施工、設置後の運用管理、需要家と発電事業者をつなぐサポートサービスなどを行っております。

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