太陽光パネルに雹が降った場合の影響は?対策についても解説!

太陽光パネルに雹が降った場合の影響は?対策についても解説!

太陽光パネルを設置した場合に気になるところといえば、自然災害による影響や被害です。中でも雹は5月や10月といった春・秋に降りやすく、太陽光発電事業者にとっても注意しておきたい天候です。今回は、太陽光パネルに雹が降ってきた場合の影響や対策について詳しくご紹介します。

雹についておさらい

雹による太陽光パネルへの被害や影響を知るために、雹の特徴やあられとの違いについても把握しておきましょう。それでは、雹の特徴についておさらいします。

直径mm以上の氷の粒

雹(ひょう)は、直径5mm以上まで大きくなった氷の粒を指しています。球状、不規則な形状など、さまざまな形をしています。

積乱雲の発達が、雹の発生原因とされています。積乱雲とは、強い上昇気流によって真上方向へ発達した雲のことです。主に大気の状態が不安定な場合に発生しやすく、雹に加えて激しい雨や雷、竜巻などといった現象も起きます。

積乱雲の中では、高度が高くなると気温も低くなり、氷の結晶が発生します。その後、結晶の周囲に過冷却雲粒(氷の粒)が付着することによって、徐々に大きくなり直径5mm以上の雹へ変わります。

あられとは大きさが異なる

あられと雹の違いは、粒子の直径です。冒頭で解説したように雹は、直径5mm以上の粒子・塊を指しています。一方、あられは、直径5mm未満の粒子を指します。

雹よりも直径が小さいため、降ってきたとしても物や人に直接の被害を与えるほどの影響は少なく、区別されています。しかし、地表にあられが降り積もると滑りやすくなるため、運転中のスリップもしくは歩行中の転倒などの危険があり、日常生活に影響が出ないわけではありません。

雹による太陽光パネルや設備への被害リスク

ここからは雹による太陽光パネルや周辺機器・設備への被害リスクについて確認していきます。直径5mm程度の雹でも、時速36kmの落下速度で降ってきます。また、直径50mmを超えると時速100km以上の速度で降ってくるため、太陽光発電に直撃するとパネルがひび割れる危険性も出てきます。

太陽光パネル表面の割れや歪みによる発電効率低下

雹の大きさによっては、太陽光パネル表面が割れたり歪んだりしてしまう可能性があります。

直径5mm程度の小さな雹であれば、太陽光パネルの上空から降ってきたとしても破損や歪みなどの被害にはなりません。太陽光パネルの表面には強化ガラスが使用されており、あられや小さな雹による衝撃であれば、破損の心配はありません。

しかし、直径50mm以上の大きな雹が降ってきた場合には、強化ガラスが採用された太陽光パネルでも、割れたり内部の回路まで破損したりしてしまうこともあります。

太陽光パネル表面のガラスが割れてしまうと、発電効率の低下を招く恐れがあります。また、太陽光パネル内部の回路が破損したりパネル全体の歪みを引き起こしたりした場合、大幅な発電量低下につながります。

太陽光パネルの破損による漏電や発電停止

直径50mmや70mm以上の大きな雹が太陽光パネルに直撃した場合、内部の回路や配線に影響を与えるほか、漏電や発電停止を招く場合もあります。

漏電した状態で太陽光パネルを放置した場合、感電事故の危険性を高めてしまいます。漏電を原因とした発熱や発火、火災事故に発展する可能性もあります。

もちろん損傷そのものも、発電量の大幅な低下、発電停止につながるため、売電収益という点でも大きな損失が発生するでしょう。

回路や周辺機器の破損

大きな雹が降ってきた場合、太陽光パネル内部の破損だけでなく、パワーコンディショナやその他周辺機器の破損や故障を招く危険性があります。

太陽光発電所の架台、配線ケーブルやパワーコンディショナ、接続箱、電力量計といった周辺機器や部材などは、太陽光パネルと同じく外に設置・固定されているからです。

たとえば、電子回路の搭載されたパワーコンディショナへ雹が直撃してしまうと、電力の制御や出力に大きな影響を与えてしまう可能性があります。

雹が降り、発電量の低下やエラーを確認した場合は、太陽光発電専門のO&Mサービスへ相談し、点検や修理交換を行ってもらいましょう。

雹による太陽光パネルの被害事例

2022年6月、埼玉県から群馬県にかけて豪雨が発生しました。ゴルフボールやテニスボール(ゴルフボール:直径約40mm、テニスボール:直径約60mm)の大きさに近い雹が降ってきたため、住宅や学校の窓ガラス、自動車などへ大きな被害をもたらしました。

同地域に設置されている太陽光発電所でも、被害を受けています。複数の太陽光パネルで強化ガラスのひび割れが起きており、修理交換の必要な状態でした。

この被害事例では火災などの被害は発生しなかったものの、雹の衝撃で内部の回路などが破損することもあります。太陽光パネルのひび割れを確認した場合は、早めに点検を依頼しましょう。

太陽光パネルが雹で壊れたら補償される?

太陽光パネルが雹で壊れた場合、メーカー保証のみでカバーしきれない可能性もあります。雹をはじめとした自然災害による損失をカバーするには、企業総合保険などの保険を検討することが大切です。

ここからは、太陽光パネルが雹で壊れた場合の補償内容や注意点を具体的に解説します。

メーカー保証のみではカバーできない可能性がある

太陽光発電所の導入時に付帯されているメーカー保証のみでは、雹による損失をカバーしきれない可能性があります。

通常、太陽光発電所(産業用太陽光発電)を導入する際は、太陽光発電メーカーから提供されている保証制度を受けることが可能です。メーカー保証は、製品保証と出力保証の2種類から構成されています。

製品保証は、製造上の不具合などによって破損した場合に無償の修理交換といったサポートを受けられるものです。主に太陽光パネルやパワーコンディショナなどが補償対象機器とされています。

出力保証は、太陽光発電所の出力を一定期間保証してもらえるサポートサービスです。保証期間中に基準以下の出力まで低下した場合、太陽光パネルなどの無償修理交換サービスを受けられます。

一般的にメーカー保証は上記2点のサポートのみで、自然災害による損害を補償してもらえません。雹による被害も補償対象外のため、別途保険への加入を検討する必要があります。

一般的には企業総合保険などでカバー

メーカー保証に自然災害補償が付帯されていない場合は、企業総合保険への加入を検討してみましょう。また施工販売業者から提供されている保証サービスも選択肢の一つです。

施工販売業者によっては、自然災害補償を含む独自の補償を提供している場合があります。受けられるかどうか、保証内容などを施工販売業者へ確認してみるのが大切です。

太陽光発電事業の際に加入可能な保険は、主に企業総合保険や動産総合保険、賠償責任保険、休業補償保険とされています。

中でも企業総合保険と動産総合保険は、自然災害による被害を受けた際に補償してもらえます。たとえば、落雷、台風をはじめとする風災、積雪、雹、豪雨といった自然災害による被害が、補償対象です。また、電気・機械的事故や飛来物による被害も補償対象で、事故による損害もカバーすることが可能なケースが多いです。

雹対策には太陽光発電の専門サービスがおすすめ

雹被害を受けた場合は、保険で損失をカバーすることも可能です。しかし、雹被害を軽減させるための対策や被害発生後の点検・修理などは、保険で対処できません。

太陽光発電所の点検を含む各種作業は、国家資格を取得し、かつ専門知識と技術を持った専門業者へ依頼する必要があります。太陽光発電専門のO&Mサービスへ依頼すると良いでしょう。

太陽光発電のO&Mは、運転管理と保守点検を専門とするサービスで、日々の運用や点検・メンテナンス、その他管理を含めて総合的にサポートしてくれます。ここからは雹対策にもおすすめのO&Mサービスについて紹介していきます。

雹を含む自然災害対策に関するノウハウがある

太陽光発電のO&Mサービスには、雹被害を含めた自然災害対策に関するノウハウがあります。自分で1から自然災害に関する対策を調べたり準備したりする必要がないため、コストや手間といった点でもメリットのあるサービスです。

たとえば、弊社とくとくサービスの場合、火災・水災・風災に関するチェックや対策を実施しています。

まず太陽光発電所のケーブルが破損していないか点検することで、漏電のリスクを抑えます。敷地内に水路がある場合は、被害を拡大させないよう水路周辺の災害対策も行っています。

また風災に対しては、太陽光パネルと架台を固定するネジやボルトを締め直すなど、さまざまな取り組みを実施しています。

雹被害を含めた災害リスクにまだ備えられていないという方は、災害対策に対応可能なO&Mサービスを利用してみてはいかがでしょうか。

被害を受けた場合には撤去・交換作業までサポート

万が一、雹による被害を受けた場合は、O&Mサービスが破損した太陽光パネルや周辺機器の撤去、復旧作業までサポートしてくれるのもメリットのひとつです。

非常に大きな雹が降ってきてしまうと、被害を完全に防ぐことは難しいです。復旧サービスも手厚いO&Mサービスを利用していれば、破損した太陽光パネルや周辺機器・部材の撤去解体作業に加えて、設備機器の調達から設置作業も依頼できます。

また、復旧後の点検作業も行ってくれるため、スムーズに運用を再開することが可能です。

漏電対策など日常的なチェックや点検にも対応してもらえる

O&Mサービスでは、遠隔監視や運用、漏電対策を含む定期点検・メンテナンスといった作業にも対応してくれます。

遠隔監視システムを利用した発電量や設備のチェックを実施することで、雹などによる「目視が難しい被害」などが生じても、異常があれば早期に発見することができるでしょう。

緊急時の駆けつけサービスが含まれているO&Mなら、発電量低下などの異常が起きた際に現地まで駆けつけて、点検してもらえます。

保守点検には、定期的な電気・機械点検やメンテナンス、敷地内の清掃や除草作業、太陽光パネルの洗浄といった作業も含まれています。総合的にサポートをしてもらえるO&Mは、太陽光発電を長期的に稼働していく上で欠かせないサービスです。

太陽光パネルは雹の影響を受ける可能性がある!

太陽光パネルの表面には強化ガラスが組み込まれており、小さな雹であれば影響を受けません。しかし、50mmや70mmなど非常に大きな雹が降ってきた場合は、パネルのひび割れや歪みといった破損を招く可能性もあります。

サポート範囲の広いO&Mサービスを活用すれば、万が一雹による被害を受けても、スムーズに復旧できます。

雹などの自然災害に備えながら太陽光発電を運用したい方や災害対策に強いO&Mサービスを探している方は、今回の記事を参考にしながらとくとくサービスを検討してみてはいかがでしょうか。

とくとくサービスは、産業用太陽光発電専門のO&Mサービスで、月額8,333円~のシンプルプランやお客様の状況に合わせたカスタムプランまで用意しております。

また、遠隔監視による発電量のチェックや緊急時の駆けつけサービス、敷地内の除草作業、目視点検や電気点検のほか、災害対策と復旧サポートにも対応しているのが特長です。

まずはお電話やとくとくサービスHPのお問い合わせフォームより、お気軽にご相談ください。

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