光熱費を大きく削減することができること、そして補助金が利用できるため導入費用を権限できることから、自家消費型太陽光発電の導入を検討する人が増えているようです。またFIT法の前身である固定価格買い取り制度が2009年に施行されて2019年は10年目となり、住宅用太陽光発電の買取保証期間が満了となるユーザーが出始めていますが、買取保証期間後の売電では売電価格が大きく下がってしまうことから自家消費型太陽光発電に移行して電力を活用するユーザーが多くなっていることもあって、蓄電池の需要が高まっています。太陽光発電と蓄電池を組み合わせて利用すると、電力の確保ができることから災害にも強くなるという点も蓄電池の需要が高くなっている理由のひとつです。
一言に蓄電池といっても蓄電池にはいくつかの種類があり、蓄電池の種類によって利用方法や寿命などが異なります。また蓄電池の寿命は使用する環境や保守状況などによっても大きく異なります。蓄電池の寿命はサイクル回数、または使用期間によって表されます。サイクル回数とは、放電と充電の回数のことで、0%まで放電して、100%充電するまでを1サイクルとして、寿命はサイクル数で表されます。一方、バックアップ用電源など充電と放電を繰り返さない蓄電池については、寿命は多く使用期間として表記されます。ただし、蓄電池のメーカーが表記する蓄電池のサイクル数や使用期間を表記はあくまでも目安といってよいでしょう。蓄電池や使用環境や保守状態によって使用期間が大きく異なり、寿命前に蓄電量が下がってしまったり、寿命後も蓄電量が下がらず利用し続けることができる場合もあります。
蓄電池には鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、NAS電池といった種類があり、寿命が異なります。経済産業省の蓄電池戦略プロジェクトチームの発表によると、鉛蓄電池のサイクル数3,150回、使用期間は17年です。ニッケル水素電池のサイクル数は2,000回、使用期間は5〜7年、リチウムイオン電池のサイクル数は4,000回で使用期間10年、NAS電池はサイクル数は4,500回で使用期間は15年となっています。
蓄電池は寿命が過ぎるといきなり蓄電ができなくなるのではなく、寿命を過ぎると、蓄電容量が減少してきます。蓄電容量の減少の仕方は蓄電池のメーカー、使用状況などによって異なり、寿命を過ぎても蓄電容量が20%程度減少した程度で済む場合もあれば蓄電容量が50%以下になってしまうものもあります。太陽光発電所など発電量が大きい場合は、蓄電池の蓄電容量の減少は収益に大きく影響しますから、蓄電池の寿命を目安にして蓄電容量が下がってきたら交換を検討した方がよいでしょう。