太陽光発電の買取価格はどのように決まる?2021年の価格や新制度も紹介

太陽光発電の買取価格はどのように決まる?2021年の価格や新制度も紹介

太陽光発電の売電収益を検討している方の中には、買取価格の推移について気になっている方もいるのではないでしょうか。また、買取価格がどのように決められているのか分からない方もいるかと思います。
そこで今回は、太陽光発電の買取価格に関する仕組みや推移などについて分かりやすくご紹介します。売電をメインに運用していきたい方などは、参考にしてみてください。

太陽光発電の買取価格はどのように決まる?

まずは、太陽光発電の買取価格がどのような仕組みで定められているのか、仕組みや特徴を紹介します。

FIT制度で決められている

太陽光発電を含む再生可能エネルギーの売電時には、FIT制度が適用されています。
FIT制度(固定価格買取制度)は国の定めた制度で、再生可能エネルギーの売電に関するルール、買取価格などが細かく決められています。太陽光発電もFIT制度の対象であり、設備の設置時にFIT制度の認定申請を行い、認定を受ければFIT制度で定められた価格で売電可能です。また、固定価格で一定期間売電できるのも主な特徴です。

出力10kW未満の太陽光発電では、FIT制度の申請年から10年間固定価格で売電が可能です。また出力10kW以上の太陽光発電は、20年間固定価格で売電できます。
固定価格での売電は、初期費用回収および売電収入の確保において重要なポイントです。

買取価格は毎年算定されている

FIT制度で定められている買取価格は、毎年算定されています。
たとえば2021年4月に太陽光発電設備を設置しFIT制度の申請を行った時は、2021年度の固定買取価格が適用されます。その後は、適用された価格で一定期間売電を行う仕組みです。

つまり、太陽光発電の設置およびFIT制度申請年によって買取価格が変わるということです。売電収益を軸にしている方は、設置年と買取価格を確認しておきます。また、高い固定買取価格で太陽光発電投資を行うためには、中古太陽光発電所を含めて検討するのが大切です。
買取価格は経済産業省の資源エネルギー庁サイト、固定買取価格制度ページから確認することができます。

太陽光発電の出力によって買取価格は異なる

FIT制度で定められている買取価格は、出力によっても変わります。

具体的には、以下の区分で変わっています。

  • 出力10kW未満
  • 出力10kW以上50kW未満
  • 出力50kW以上250kW未満
  • 出力250kW以上

例年、出力10kW未満の買取価格が、他の買取価格よりも数円高く設定されています。10kW以上50kW未満と50kW以上250kW未満の買取価格は、1~2円程度の違いです。
出力250kW以上の太陽光発電設備は、入札制度によって買取価格が決められています。入札制度は、再生可能エネルギー発電事業計画を提出および審査に通過した事業者のみ参加できます。また、落札者のみFTI制度の認定を受けることができる仕組みです。

太陽光発電の買取価格の推移

FIT制度は2012年にスタートした制度であり、2012年、2013年と毎年買取価格が算定し直されています。特に中古太陽光発電所を購入する方は、過去の買取価格を知ることも大切です。続いては、FIT制度における太陽光発電の買取価格を紹介していきます。

2020年度までの買取価格

前述でも触れたように太陽光発電の買取価格は、年度と出力によって変わっています。年度によっては、ダブル発電など新たな区分が設けられている場合もあります。

出力10kW未満の買取価格(2012年度~2020年度)

出力10kW未満の太陽光発電の買取価格は以下の通りです。固定買取期間10年間という点は、制度発足当初より変わっていません。
出力10kW以上の太陽光発電とは異なり、出力制御対応機器・ダブル発電という区分が設けられている点に注目です。

ダブル発電ありの買取価格とは、太陽光発電設備と家庭用蓄電池やエネファームといった創エネ機器を併用した運用方法に適用される価格のことです。
たとえば、電気料金の安い夜間に蓄電池で電気を蓄えておき、日中に放電すると太陽光発電で発電した電気の代わりに売電できます。そのため、ダブル発電なしよりも高い売電収益を得られることがありました。
そこでダブル発電を含め買取価格を定められていましたが、徐々に売電収入に差が生じにくくなったため、2019年度より区分なしとなりました。そして、2015年度より出力制御対応機器の有無でも買取価格が変わります。

出力制御対応機器とは、電力会社のサーバから送信されたデータにそって出力を抑えられる機器のことです。出力制御対応機器設置義務ありの地域では、太陽光発電設備に加えて出力制御対応機器の設置も必要とされています。また、出力制御対応機器設置義務あり・なしは、各地域を管理している電力会社によって異なります。
出力制御対応機器設置義務あり・なしによる買取価格の差は、2020年度よりなくなりました。そのため、出力制御対応機器設置義務と買取価格については、2021年時点で考慮不要です。

出力10kW以上の買取価格(2012年度~2020年度)

出力10kW以上の買取価格は、出力10kW未満と同じく毎年下落傾向です。固定買取期間20年間は、2012年度の制度発足当初より変わっていません。
10kW以上の太陽光発電は、2017年より出力を細かく分けられるようになりました。また、入札制度も導入されています。

さらに2020年度から設置する出力10kW以上50kW未満の太陽光発電は、自立運転機能あり・自家消費率30%以上を維持していればFIT認定を受けられる要件へ変更されます。自家消費とは、発電した電気を自宅など自身の所有している建物で利用することです。自立運転機能は、停電時に発電および電力を使用できる機能を指します。
つまり2020年度以降に出力10kW以上50kW未満の太陽光発電を設置する際は、発電した電気のうち、自家消費しきれず余った電気を売電できます(余剰買取)。ただし、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)という運用方式の場合は、自立運転機能があれば自家消費機能なしでもFIT認定を受けられます。

2021年度の買取価格

2021年度の買取価格や出力などの区分状況は、以下の通りです。
2021年度も出力10kW以上50kW未満の太陽光発電設備でFIT認定を受けるには、自家消費率30%以上、自立運転機能付き設備といった条件を満たす必要があります。
各出力の買取価格を2020年度以前と比較すると、いずれも2020年度以前の方が高い設定です。

FIT制度適用終了後の買取はどうなる

FIT制度は、認定を受けてから10年間もしくは20年間適用されます。しかし、適用期間終了後は、新たな運用方法を検討する必要があります。
ここからは、FIT制度適用期間終了後の買取状況について解説します。

電力会社によっては買い取ってもらえる

2021年時点で一部電力会社は、FIT制度終了後の太陽光発電で発電した電気も買い取る方針としています。
たとえば東北電力では、「ツナガルでんき」という買取プランを提供しているのが特徴です。「ツナガルでんき」のシンプル買取プランは、9円/kWh(税込)という買取価格で買い取ってもらえます。

他にも東京電力は、「再エネ買取標準プラン」という買取プランを提供しています。こちらのプランは、8.50円/kWh(税込)という買取価格です。
基本的にFIT制度の買取価格と比較して、2~3円程度安く定められています。

無償で電力会社へ送ることができるケースもある

電力会社と売電契約を結ばない・結べない・切り替えに時間がかかっている状況で、無償で電気を送るという方法も検討されています。無償による送電とは、太陽光発電で発電した電気を電力会社へ無償で送電する運用方式のことです。
無償による送電は、太陽光発電を所有している方にデメリットといえます。ただし、無償による送電という仕組みがなければ送電ができないため、設備の稼働に負担をかけてしまいます。
売電契約の切り替えや自家消費の準備に時間がかかる場合は、無償による送電を検討してみるのも大切です。

FIT制度終了後の主な注意点

続いては、FIT制度終了後の主な注意点についても解説します。

継続的に買取してもらえない可能性

FIT制度終了後に電力会社が、電気の買取を制限したり売電契約を結ばなかったりという可能性もあります。また、将来的にFIT制度自体が終了する可能性も0ではありません。
太陽光発電を長期的に運用したい場合は、電気の買取価格だけでなく買取そのものについて考えておくのが大切です。

買取価格が安くなる可能性

2021年時点で一部電力会社は、FIT制度終了後も電気の買取を受け付けています。しかし、FIT制度の買取価格と比較した場合、数円/kWh安く設定されています。
運用状況や買取価格によって売電収入で維持費用や税負担をカバーできない可能性もあるため、買取価格の下落やルール変更などにも注意が必要です。

FIT制度終了後の対応策

2021年時点では、電力会社や新電力がFIT制度終了後の買取にも対応しています。しかし、10年後・20年後に売電を続けることができるか不透明な部分もあります。そこで、ここからはFIT制度終了後の主な対応策について紹介します。

自家消費型太陽光発電へ切り替える

太陽光発電で発電した電気は、余剰買取や全量買取だけでなく自家消費という方法も選択できます。自家消費が太陽光発電は、太陽光パネルから発電した電気を自宅や自身の所有している設備(工場、事務所、ビルなど)へ供給する運用方法です。

FIT制度の買取価格は年々下落している一方、電気料金は年々上昇しています。そこで、自家消費型太陽光発電へ切り替えると、電気料金の削減につながります。また、高圧電力契約を結んでいる事業者の場合は、デマンドを抑えやすくなるため、基本料金を低減できます。(高圧電力契約、デマンド:1年間の中で、最も多い消費電力の瞬間を基準に基本料金を設定)

太陽光発電所の売却を検討する

固定資産税や維持費用などといった費用負担の難しい時は、太陽光発電所の売却も含めて検討した方がいい場合もあります。
しかし、太陽光発電所の売却をサポートしている太陽光発電事業者や関連事業者の中には、悪質な業者も存在しており注意が必要です。太陽光発電所を売却する場合は、実績のある売買業者などへ相談するのが基本です。

弊社は、創業28年の売買サポートサービスを運営しております。また、太陽光発電買取サポート満足度No.1(2020年8月)を獲得しており、即日査定、最短10日での現金化、紹介料無料などの特長を持っています。
今後太陽光発電の売却を検討する際には、弊社サービスへお気軽にご相談ください。

2022年度より新たな買取制度が施行予定

太陽光発電の買取方法に関して2022年4月以降は、新たな制度が適用されます。
「FIP」という新制度は、1,000kW以上の太陽光発電施設に適用される市場取引を前提とした買取制度です。FIPは市場連動型の制度で、市場価格とFIP制度で定められた買取価格の差額を受け取ることができます。また、市場価格で取引するため、電力需要の高い時間帯は、高い買取価格を期待できるのも特徴的です。
FIP制度は、今後も新しい情報が発信されるので、2022年以降も太陽光発電投資や事業を行う方は注目です。

太陽光発電の買取価格や制度は年々変化している

太陽光発電の買取価格は、状況に応じて変わります。太陽光発電設備を新規設置した場合や固定買取期間の残った中古太陽光発電所を購入した場合は、FIT制度で定められている買取価格で一定期間売電できます。
2022年4月以降は、一部出力の太陽光発電にかぎりFIP制度という市場連動型の買取へ切り替わります。

FIT制度の適用期間終了後は、一部電力会社や新電力へ売電できます。また、太陽光発電の売却を行い、売却益を得ることも可能です。
これから太陽光発電投資を行う方は、買取価格や買取方法、新制度などについて調べながら準備を進めるのが大切です。

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