太陽光発電は儲かる?売電に関する注意点や運用方法を解説

太陽光発電は儲かる?売電に関する注意点や運用方法を解説

太陽光発電投資に関心を持っている方の中には、「やめたほうがいいと周囲に言われていて迷っている」、「売電価格?が下がっているらしく、儲かるのか不安…」といった悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、太陽光発電で儲かるのか、そして運用方法や売電に関する注意点について詳しくご紹介します。自宅や空いた土地で太陽光発電投資を始めてみたい方や太陽光発電投資を検討している方などは、参考にしてみてください。

太陽光発電の売電は儲かるのか

太陽光発電で利益を得るには、設置費用や維持管理費用を上回る売電収入を確保しておくのがポイントです。さらに売電収入を得るには、国の制度に沿って対応する必要があります。

まずは、太陽光発電の売電で儲けることはできるのか状況を整理していきます。

2020年から状況が変わりつつある

太陽光発電では、制度変更に対応できるかどうかで儲かるか変わる場合もあります。

なぜなら太陽光発電を取り巻く環境は、2020年からさらに変化しているためです。2012年や2013年の古い情報を基に儲かるかどうか判断するのは、リスクのある行動です。

太陽光を含む再生可能エネルギーに関するFIT制度では、売電単価や固定買取期間、売電方式などが定められています。

これまで出力10kW以上の産業用太陽光発電は、発電した全ての電気を売電することができました。(全て売電:全量買取)2020年度からは、出力50kW以上でなければ発電した全ての電気を売電できないルールへ変わります。

出力10kW以上50kW未満で儲かるには、初期費用を一括負担や費用削減などの工夫が必要です。

さらに変動価格による売電をベースにしたFIP制度が、2022年4月に開始予定とされています。FIT制度と異なり変動価格のため、蓄電池を併用しながら需給状況に合わせた運用が求められます。

FIP制度の対象設備は、出力1MW以上と50kW以上1,000kW未満の太陽光発電設備です。ただし、50kW以上1,000kW未満の太陽光発電は、FIT制度も選択できます。

無計画では失敗する可能性がある

FIT制度の固定買取価格は年々下落していて、全量買取の範囲も狭まっています。

変更点を確認せず、出力50kW未満の太陽光発電で全量買取を想定した場合は、失敗につながります。このように無計画かつ新しい制度や変更点を確認しないまま太陽光発電を始めると、赤字リスクがあります。

2021年から太陽光発電を始める方は、2012年や2014年など古い太陽光発電関連情報を確認しないよう注意が必要です。

太陽光発電で儲かるには、制度変更に対応したり発電効率の高いパネルを選んだりといった工夫や対策を講じるのも重要です。

出力によっては儲かる可能性はある

出力50kW以上の太陽光発電は、引き続き全量買取可能なので、儲かる可能性は残されています。また、出力50kW未満でも初期費用を抑えることができれば、売電収入を残すことは可能です。

2020年から余剰買取(余った電気のみ売電可能)の適用を受けるのは、出力50kW未満の太陽光発電です。このような太陽光発電で儲かるには、初期費用の融資を受けず、自己負担での設置も考える必要があります。

融資の返済負担がなければ、毎年数万円~数10万円単位の維持管理費用で済むため、少ない売電収入でも黒字化を目指せます。

一方、出力50kW以上の太陽光発電は、融資を受けても16年前後で初期費用を回収し、黒字化を目指せる可能性はあります。ただし、固定買取価格が下落しているので、日射量の多い土地で運用したり初期費用を抑えたりなど、発電量アップと費用削減を意識するのも大切です。

中古太陽光発電所の購入は儲かる可能性がある

固定買取価格下落、全量買取の基準変更など厳しい状況が続いているものの、中古太陽光発電所であれば出力10kW以上でも儲かる可能性はあります。

そこでここからは、中古太陽光発電所で儲かるための基本的なポイントを確認していきます。

太陽光発電所の仲介業者経由で購入

中古太陽光発電所を購入する際は、仲介業者へ相談するのが基本です。

中古太陽光発電所を個人間で売買した場合は第三者から確認されないため、トラブルの発展リスクもあります。

仲介業者の場合は、売り手と買い手の間に立って契約手続きの代行やサポートサービス、太陽光発電所購入後のアフターフォローなど含め対応してくれます。

なお、弊社とくとくファームは、15,000件もの実績を持ち、所有権移転登記の代行や税務サポートを行っております。さらにメルマガ会員限定で、プレミア物件もご紹介いたします。

新規設置年の固定買取価格で売電可能

中古太陽光発電所を購入した場合は、高い固定買取価格で売電できます。

たとえば、2014年に新規設置されて同年にFIT承認を受けた中古太陽光発電所を2021年に購入した時は、2014年の固定買取価格で売電できます。

【出力10kWの太陽光発電】

  • 2014年度の固定買取価格:1kWhにつき32円
  • 2021年度の固定買取価格:1kWhにつき12円

このように中古太陽光発電所は、高い固定買取価格でFIT承認を受けた設備を購入できるのがメリットです。

太陽光発電の収益性を高めたいと考えている方は、2020年以前にFITの承認を受けた中古太陽光発電所から検討してみてはいかがでしょうか。

固定買取期間は前オーナーの使用期間を差し引いた期間

中古太陽光発電所の固定買取期間は、前オーナーの使用期間を差し引いた期間です。

たとえば、前オーナーが2015年に太陽光発電所を新規設置・FIT承認を受け、5年間使用した場合、残りの固定買取期間15年間です。

固定買取価格で20年間売電し続けたい方には、デメリットの1つです。

ただし、高い売電単価を見込めるため、短期間の売電でも目標収益を達成できる可能性はあります。まずは仲介業者と話し合い、収支や合計利益のシミュレーションを依頼してみるのが大切です。

自宅で太陽光発電を始める場合は儲かりにくい

自宅で始められる住宅用太陽光発電は、産業用太陽光発電よりもを初期費用や維持管理費用を抑えながら設置・発電できます。

ただし、FIT制度のルールおよび発電量という点から、儲かりにくい側面もあります。

それでは、自宅で太陽光発電を始める際に儲かりにくい理由とメリット、対策について紹介していきます。

自宅の太陽光発電投資は全量買取できない

自宅の太陽光発電投資で儲かりにくい主な理由は、全量買取できないためです。全量買取は、発電した電気を全て売電できる運用方式で、2020年度から出力50kW以上のみ認められています。

自宅の屋根に太陽光発電を設置する場合、設置面積の関係から基本的に出力10kW未満です。出力10kW未満の太陽光発電では、発電した電気を自宅で消費し、余った電気のみ売電可能な余剰買取が適用されます。

そのため、売電収入を伸ばしにくい環境です。

さらに固定買取期間は、10年間と産業用太陽光発電より短期間です。

自宅で太陽光発電による売電を始めることは可能ですが、収益を伸ばしにくい点を理解しておく必要があります。

各種費用を抑えられる

自宅の太陽光発電投資は、初期費用や維持管理費用を抑えられるというメリットもあります。

出力100kWや500kWの太陽光発電は、初期費用で1,000万円台の負担がかかります。さらに高圧の太陽光発電設備は、キュービクルの設置費用や電気主任技術者の選任といった人件費も別途かかります。

一方出力10kW未満の太陽光発電は、初期費用100万円台で済ませることが可能です。

さらに維持管理費用は年間5万円前後の負担で抑えられるため、副業感覚で始めたい方や金額の大きな融資を避けたい方などにとって検討しやすい設備です。

投資以外の用途で考えるのがおすすめ

自宅の屋根に太陽光発電を設置する場合は、売電以外の用途で活用していくのがおすすめです。

具体的には、自家消費型太陽光発電に切り替えたりZEH住宅に活用したりといった活用方法も考えられます。

自家消費型太陽光発電は、売電用の配線・回路をカットし、発電した電気を全て自宅で消費する運用方式です。電気代削減効果を伸ばせるのはもちろん、FIT制度が変更しても影響を受けずに済みます。

ZEH住宅とは、省エネ機器を積極的に導入し、エネルギーを創りながら生活できる住宅のことです。(一次エネルギーの年間収支0を目指す住宅)さらにZEH住宅は、太陽光発電設備も必要です。

その他太陽光発電投資で利益を伸ばせる可能性はある?

太陽光発電投資の環境は日々変わっており、以前より儲かりにくい側面もあります。しかし、工夫や考え方によっては、儲かるもしくは利用メリットを得られる可能性もあります。

続いては、前半で紹介した方法以外の太陽光発電投資について紹介していきます。

PPA方式による太陽光発電の運用

PPA方式は、太陽光発電設備を所有している事業者から無償で設備を借ります。サービス利用者は、一定期間発電した電気で使用した電気代を事業者へ支払います。

そして、契約期間満了後は、設備をもらうことができます。

PPA方式は、初期費用や契約期間中の維持管理費用を負担せずに、太陽光発電を設置できるのが特徴です。さらに契約期間満了後は設備をもらえるため、発電した電気を市場価格で売電したり自家消費に活用したりできます。

土地の貸出で賃料収入を得る

土地を取得している時は、太陽光発電事業者へ貸し出して賃料を得ることが可能です。

土地の貸し出しは、初期費用と維持管理費用、維持管理に伴う作業や手続きといった負担を避けられます。また、10年間や20年間と契約期間中は、一定の賃料を見込めるのも特長です。

以下のような土地は、太陽光発電に適しています。

  • 郊外の土地
  • 広い土地(必要な敷地面積は太陽光発電の出力によって変わる)
  • 日射量が多い
  • 地盤の強い土地
  • 災害リスクの少ない土地(台風、地震、豪雨など)
  • 周辺に電柱が設置されている

太陽光発電の発電量および売電収入は、太陽光パネルの状況や日射量によって変わります。一方、太陽光発電の土地貸しは、固定の収入(賃料)を得られます。

一定の収入を期待している方は、土地の貸し出しを含め検討してみてはいかがっでしょうか。

太陽光発電のファンドで投資を行う

太陽光発電ファンドは、他の太陽光発電投資と異なり10万円といった少額で始められます。

太陽光発電ファンドの運用会社は、投資家から資金を募り、その資金で太陽光発電設備の設置や発電・売電事業を進めていきます。また、発電事業で発生した利益は、投資家に配当金当という形で還元されます。

太陽光発電ファンドは、一般的に10万円程度から購入でき、少額投資から始めたい方にとっても始めやすいのが特徴です。さらに土地の取得や太陽光発電設備の設置といった費用や手続きの負担も避けられます。

ただし、元本保証はありませんので、値下がりリスクは存在します。

自家消費型太陽光発電へ切り替える

完全な自家消費型太陽光発電の場合は、売電収入を得ることができません。

しかし、電気代を削減できるため、個人・法人どちらにとってもメリットのある運用方式です。

  • 個人:毎月の電気代を削減でき家計負担を軽減
  • 法人、自営業:最大デマンド値を抑えて基本料金を安く抑えられる

法人や自営業の中には、高圧の電力契約を結んでいる場合もあります。高圧電力の基本料金は、年間の消費電力量のうち、最も多い消費電力量を基準に算出される仕組みです。そのため、ある瞬間のみ普段の2倍や3倍の消費電力を記録してしまった場合は、基本料金の値上げにつながります。

電気代を削減できれば、その分手元に残る収入(太陽光発電以外の収入)を増やすことができます。

太陽光発電の利回りで儲かるか想定できる

太陽光発電で儲かるかどうかは、利回りでも想定できます。利回りとは、太陽光発電の費用に対してどれだけの利益を残せるのか「%」で示したものです。

利回りの計算方法を理解することで、効率的に利益を得られるかどうか判断できます。

それでは、利回りの計算方法と太陽光発電の平均的な利回りについて確認していきます。

利回りの計算方法

利回りは、表面利回りと実質利回りの2種類に分かれています。

  • 表面利回り:太陽光発電の初期費用と売電収入から投資効率を算出したもの
  • 実質利回り:初期費用に加えて維持管理も含め、投資効率を算出したもの

より実際の数値に近い状態で計算できるのは、後者の実質利回りです。

実質利回りの計算は、(年間の売電収入ー維持管理費用)÷支出(初期費用÷運用年数)×100=利回りです。

太陽光発電投資の利回りは一般的に10%程度

太陽光発電投資の利回りは、一般的に10%程度です。

利回り10%の場合は、100万円の初期投資額で年間10万円の利益を見込めます。

固定買取価格は下落していて、1kWhあたりの売電収入も伸ばしにくい状況です。一方、パネル費用や維持管理費用も年々下落しているため、利回りで見てみるとFIT制度導入当初と大きく変わらない可能性もあります。

さらに30年以上運用できるため、長期的に利益もしくは電気代削減効果を期待できるのも嬉しいポイントです。

もちろん、初期費用や維持管理費用、発電量は、太陽光発電の設置場所や運用状況によって変わります。

太陽光発電の売電で儲かるかどうかは、利回りの計算と収支のシミュレーション、そして実績のある施工会社や販売店へ相談しながら判断するのが大切です。

太陽光発電で儲かるにはFIT制度の変更に合わせなければいけない

太陽光発電で儲かるには、初期費用の変化、FIT制度の変更などに合わせて対応しなければいけません。これまでは、出力10kW以上の太陽光発電であれば、全量買取で売電できました。しかし、2020年度からは、出力50kW以上の太陽光発電にかぎり全量買取を選択できるように変更されました。

このように一部新規設備は、高い固定買取価格で売電を行うことが厳しい状況です。そこで中古太陽光発電所を検討してみてはいかがでしょうか。

中古太陽光発電所は、2012年や2013年など過去の高い固定買取価格で売電できるため、高い収益を求めている方にメリットもあります。さらに2019年12月21日以前にFIT認定を受けた設備は、出力10kW以上50kW未満でも全量買取可能な状況です。(※今後制度変更される可能性はあります。)

太陽光発電で儲かるためにさまざまな運用方法を検討している方は、今回の記事を参考に中古太陽光発電所を含めた発電・売電を検討してみてはいかがでしょうか。

とくとくファームは、2012年~2021年に設置された未稼働や稼働中の中古発電を多数取り扱っています。さらに専任の担当者が物件選定から契約、契約後のアフターフォローまで一括サポートいたします。

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