メガソーラーの規制は強化されている?事例についても紹介

メガソーラーの規制は強化されている?事例についても紹介

脱炭素化や国際情勢の変化から再生可能エネルギーへの期待が高まる一方、土砂災害などに巻き込まれた太陽光発電設備に関連した事故や設置場所に関するトラブルも起きています。そのため、自治体や政府では、メガソーラーの規制について議論および条例の制定などが行われています。

そこで今回は、メガソーラーの規制状況や強化・緩和どちらに傾いているのか、設置時の注意点について詳しくご紹介します。メガソーラーの設置を検討している方や太陽光発電の規制状況が気になる方は、参考にしてみてください。

メガソーラーの規制状況

出力1MW(1,000kW)以上のメガソーラーは、さまざまな場所で設置されています。設備規模はサッカー場や野球場と同程度で、1ha以上の山間部や空き地、自社の敷地内に設置されています。

このように規模の大きな設備ということもあり、周辺住民からの苦情やトラブルに発展しているケースがあります。そこで国や自治体は、メガソーラーの設置・運用に関するルールや規制について検討し始めている状況です。

まずは、メガソーラーの規制状況について確認していきます。

自治体は規制強化の方向で検討

地方自治体によっては、メガソーラーや太陽光発電全般の設置・運用に関する規制強化の方向で議論や条例案の策定を行っています。

FIT制度発足当初、中小型の太陽光発電やメガソーラーは、環境アセス法の対象外でした。そのため、メガソーラーの設置場所や設置運用方法に関するルールや基準が存在せず、土砂崩れや光害、景観の悪化などのトラブルに発展します。

そこでメガソーラーの問題を抱える156の自治体は、立地規制に関する条例を制定・検討しています。(立地規制:設置不可な場所、設置に関する条件の設定などがなされている)

国は再生可能エネルギー安全規制の強化に進む

国では、メガソーラーのみではなく再生可能エネルギー全般の安全規制に関して強化を行う方向です。自治体とスタンスが異なる点に注目です。

国の場合は、2050年のカーボンニュートラル達成目標や脱炭素化に関する国際協調など、さまざまな点から太陽光発電を推進しなければいけない立場でもあります。

そのため、メガソーラーに関しても自治体のような強い規制ではなく、安全基準に関するルール作りについて定める方向です。また、太陽光発電を含む再生可能エネルギー全般の普及につながる政策が続くようです。

安全規制は、これまで規制対象外だった出力10kW以上50kW未満の太陽光発電と、20kW未満の風力発電も規制に含めるという内容です。また、設置場所の情報提出、安全確認などが求められます。

このような動きから分かるのは、今後も太陽光発電やメガソーラーの設置運用を続けられますし、売電や自家消費どちらも可能といえます。

メガソーラーの規制強化が続いている理由と経緯

メガソーラーの規制状況について把握したあとは、国や自治体による規制強化の理由、問題が増えた経緯について1つずつ確認していきます。

メガソーラーを設置する企業は、中小型の太陽光発電所と異なり、立地や運用方法だけでなく地元住民からの理解など、さまざまな方面で配慮する必要があります。

FIT制度発足から徐々に問題が増えた

前半でも少し触れましたが、メガソーラーに関するトラブルは、FIT制度発足後から徐々に増えていきました。

FIT制度そのものは、太陽光発電のトラブルにつながるようなものではありませんし、再生可能エネルギー普及につながります。

しかし、制度発足の際、環境アセス法の対象に太陽光発電が含まれなかったことで、誰でもどのような場所にどのような方法で設置しても規制を受けない状況が生まれてしまいました。

このような状況から悪質な業者が、次々とずさんな工事でメガソーラーを設置し、土砂災害による被害の拡大、光害、景観の急激な悪化などを招いています。

なお、環境アセス法の対象に含まれたのは2020年と最近です。

地元住民から環境破壊などの理由から反対されているケースも

太陽光発電設置業者の中には、地元住民へ事前に説明や情報発信をせず、造成工事や設置工事を進める業者も存在しています。そのため、メガソーラーを含む太陽光発電事業者は、悪質な事業者として認識され、自治体も規制強化へ動くという流れです。

メガソーラーの規制強化や設置禁止に関する流れは、一部の悪質な施工業者や発電事業者が原因の1つといえます。乱開発という点では、太陽光発電関連業者側の問題です。

メガソーラーに限らず、野立て太陽光発電を設置する時は、事前に周辺住民への説明やコミュニケーションを重ねるのもトラブルを避ける重要なポイントです。

災害時の二次被害リスクが懸念されている

規制強化の動きは、メガソーラー自体の設置を禁止するということではなく、災害時の二次被害発生リスクを抑えるという理由も含まれています。

一部のメガソーラーは、土砂災害の発生しやすい山林や地盤の弱い土地に設置されている場合があります。

地震や台風、津波、洪水、暴風などのリスクが高ければ、設備の破損につながります。また、太陽光パネルや架台などが外れて、周辺の人や物に直撃する可能性もあり危険です。

そこで自治体や国は、安全面に関する規制を新たに検討しています。

メガソーラーの規制は不平等な内容ではないので、今後定められる安全規制や条例案に沿って設置場所や方法を検討するのが重要です。

メガソーラーの規制に関する条例

ここからは、メガソーラーの規制に関する条例をいくつか紹介します。

兵庫県は森林保護の義務を課す

2017年と2018年に兵庫県では、一部の太陽光発電設備に関する条例を制定しました。2017年に制定された条例は、事業用地0.5ha以上の太陽光発電を設置する場合に住民説明や事業計画作成および提出といった内容です。悪質な業者による乱開発を防ぐという点でメリットのある条例といえます。

また、2018年に追加された条例は、森林保護規定です。具体的には、50ha以上のメガソーラーを設置する場合、設置場所の森林を60.0%以上、国立公園などであれば80.0%以上といった規制が盛り込まれています。

静岡県でも規制強化につながる条例案の制定

静岡県伊東市では、2018年にメガソーラーの設置に関する規制条例を制定しました。メガソーラーを設置する場合は、伊東市へ事業計画を提出し、同意を得る必要があります。また、1.2ha以上の敷地を必要とする太陽光発電事業に関して、同市では設置できません。

伊東市の場合は、安全規制と共にメガソーラー設置そのものの規制へ向けて動いています。

メガソーラーの設置準備を進めている事業者は、安全規制と設置そのものの規制に関する条例を見極めておく必要があります。

メガソーラーにメリットはないの?

ここまでメガソーラーの規制や課題を確認したことで、「メガソーラーはこれから導入するメリットはないっていうこと?」という疑問を感じるかと思います。そこでここでは、メガソーラーのメリットを3つ解説していきます。

地域貢献によって地元住民や自治体からの理解を得られる

メガソーラー事業者は、地元の自治体や住民・企業と連携することで、地域貢献およびスムーズな事業展開を行うことが可能です。

メガソーラーが反対される理由の1つは、エネルギーや利益が周辺地域に還元されていないという点です。山林などが開拓されてなおかつ、1社のみで利益を得る仕組みは、地元住民や自治体にとって悪い印象を与える場合もあります。また、反対運動につながりやすいといえます。

そこでメガソーラー事業者が率先して地元住民と連携し、発電した電力の一部を地域へ供給したり非常時に電力供給を行うと自治体や住民からの協力を得やすくなりますし、周辺地域の活性化と経済効果につながります。

さらに地域貢献型メガソーラー事業をアピールすることで、社会的信用を向上させることが可能です。

長期的に大きな収益を得られる

メガソーラーの発電量は中小型を大きく超える規模なので、年間の売電収入や自家消費による電気代削減効果も伸ばしやすい設備です。

メガソーラーの売電収入は、固定買取価格や設置場所の環境などによって変わるものの、年間1,000万円単位で得られる傾向です。また、自社設備の数%~数10.0%の電力をメガソーラーでカバーできます。

太陽光発電事業を主軸に考えている事業者は、メガソーラーを視野に入れながら計画を立ててみるのもおすすめです。

脱炭素化へ貢献し企業価値アップにつながる

メガソーラー事業は、企業価値アップにつながりやすいのが特長です。

国内でもカーボンニュートラルやSDGs、脱炭素などの情報が、テレビやネットなどで流れるようになりました。そのため、個人単位で環境へ関心を持つケースが出てきています。

企業による脱炭素化やCO2削減などのアピールは、消費者からのイメージアップ、取引先からの信用性向上などにつながり、今後の経営において重要なポイントです。

なお、メガソーラーのCO2排出削減量は、数トン以上を見込めるのが強みです。また、数字で環境への貢献を表せるため、アピールしやすい設備といえます。

環境経営について悩んでいる事業者は、メガソーラーを含む太陽光発電事業を検討してみてはいかがでしょうか。

メガソーラーは安全規制の強化が進んでいるものの事業そのものは存続可能!

メガソーラーは、これまで規制の少ない分野でした。そのため、悪質な業者による乱開発が発生し、土砂災害や景観の悪化などにつながっています。国の場合は安全面の規制強化に動いている状況です。地方自治体の場合は、メガソーラーそのものの規制を行ったり安全規制にとどめたり、自治体によって異なります。

ただし、メガソーラー事業そのものは、今後も継続できますし自家消費など多様な運用方法を選択できる余地が残されています。

太陽光発電事業をメインに考えている方や環境経営へシフトしたい方は、今回の記事を参考に太陽光発電投資について検討してみてはいかがでしょうか?

中でも中古太陽光発電は、スピーディに運用できますし、過去の発電実績を確認した上で購入の判断を進められます。また、2022年以前にFIT認定を受けた設備は、2022年より高い固定買取価格です。

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