自家消費型太陽光発電のシミュレーションはどうすればいい?

自家消費型太陽光発電のシミュレーションはどうすればいい?

太陽光発電の導入を検討している企業の中には、「自家消費を行う場合にどのようなシミュレーションを進めればいいのか?」、「シミュレーションでどのようなデータが必要?」など、シミュレーションに関する悩みを持っている企業も多いのではないでしょうか?太陽光発電のシミュレーションを行う時は、まずソフトを導入するのが大切です。また、自家消費型太陽光発電を始めるときは、発電量に関するシミュレーション以外にも想定しておくべきことがあります。

そこで今回は、自家消費型太陽光発電におけるシミュレーションのポイントと導入前に想定しておくべきことについて詳しくご紹介します。太陽光発電事業を検討している方や太陽光発電の導入によってどの程度メリットを得られるか知りたい方は、参考にしてみてください。

自家消費型太陽光発電のシミュレーションにはソフトが必要

自家消費型太陽光発電のシミュレーションにはソフトが必要

自家消費型太陽光発電の設置場所を選定する、年間の電気料金削減効果を計算するには、シミュレーションが必要です。

しかし、シミュレーションには多数のデータを用意しなければいけないので、専用のソフトウェアを用いるのが一般的です。

まずは、自家消費型太陽光発電のシミュレーションソフトに関する特徴と注意点を紹介します。

電気使用量や発電量などのデータを細かく計算

自家用消費型太陽光発電向けのシミュレーションソフトは、設置予定場所の日照時間や日射量、想定される設備規模から発電量から電気料金削減効果などを計算してくれます。

たとえば、エネがえるで提供されている自家消費型太陽光発電向けのシミュレーションソフトは、画面の指示に沿って必要事項を入力するのみというシンプルな仕様です。

たとえば、以下のようなデータを入力すると、毎月の発電量と自家消費量などを確認することが可能です。

  • 年間の消費電力量
  • 太陽光発電所の出力
  • 太陽光パネルの方角
  • 太陽光パネルの角度
  • 太陽電池の素材

さらに蓄電池の蓄電容量や変換効率などを入力すると、太陽光発電と蓄電池の併用による電気料金削減効果、ピークカットなどのシミュレーションも進められます。

シミュレーションソフトを導入した場合は、手動で計算したり天候などのデータを集めたりといった作業を省略できます。

複数のシミュレーションソフトから比較するのが大切

自家消費型太陽光発電向けのシミュレーションソフトを選ぶときは、複数のソフトやサービスから比較するのが大切です。

太陽光発電のシミュレーションソフトは、メーカーによって費用、使い方やシミュレーションの精度などが異なります。さらにメジャーなソフトウェアではないため、レビューなども少なく判断の難しい状況です。

費用やサービス内容を確認するには、各メーカーから見積もりをとり、それぞれの項目の比較や、資料から機能の充実度などを比較していく必要があります。

太陽光の自家消費シミュレーションで知っておくべきデマンド値

太陽光の自家消費シミュレーションで知っておくべきデマンド値

シミュレーションソフトの重要性を確認したあとは、シミュレーションに必要なデータについて把握していきましょう。

自家消費による電気料金削減効果を正確に計算したい時は、自社の消費電力量に関するデータを用意しておく必要があります。特に高圧電力契約を結んでいる企業の場合は、デマンド値について理解しておくのが大切です。

それでは、自家消費型太陽光発電のシミュレーションに重要なデマンド値を確認していきましょう。

デマンド値は電力消費量の平均値

高圧電力契約で定められているデマンド値とは、平均値のことです。電力会社では電気料金の基本料金を設定するために、契約企業の消費電力量を測定し続けています。さらに消費電力量の測定後は、平均値をもとに基本料金を計算してもらいます。

消費電力の測定間隔は30分に1回で、30分ごとの平均値をデマンド値と呼びます。たとえば、10分ごとの消費電力量100kW、150kW、120kWという場合は、デマンド値123kWとして記録される仕組みです。なお、計測回数については、1日48回です。

電気料金は最大デマンド値を基準に設定

高圧電力契約では、最も消費電力量の高い「最大デマンド値」を基準に基本料金が設定されます。

1ヶ月間のデマンド値で最も高いデマンド値は、最大デマンド値と呼びます。さらに電力会社は、過去12か月の最大デマンド値から最も高い最大デマンド値を電気料金の計算に組み込んでいます。

電気料金の計算式は、基本料金に電力量料金をかけた金額です。中でも基本料金は、電気料金プランに定められた単価×契約電力×力率割引という式で求められます。

契約電力という項目は、最大デマンド値によって変わるのが特徴です。そのため、最大デマンド値が変動すると、翌年の基本料金が変わります。

自家消費型太陽光発電では年間のデマンド値が欠かせない

自家消費型太陽光発電で電気料金を削減するには、1年間のデマンド値から電気の使用時間、消費電力量を分析するのが大切です。

1日の中で消費電力の多い時間帯は、営業時間や時期によって大きく異なります。

つまり、自家消費型太陽光発電で効率よく自家消費するには、デマンド値の高い時間帯に合わせて稼働させていく必要があります。さらにシミュレーションでデマンド値の実測値を入力すると、より正確なデータを取り出すことが可能です。

これから自家消費型太陽光発電のシミュレーションを始める時は、まず1年間のデマンド値を用意しておきましょう。

自家消費型太陽光発電のシミュレーションで注意すべきポイント

自家消費型太陽光発電のシミュレーションで注意すべきポイント

続いては、自家消費型太陽光発電のシミュレーションにおいて、注意すべきポイントを分かりやすく紹介します。

毎月の消費電力量だけでなくデマンド値のデータが必要

前段で紹介したようにシミュレーションの精度を高めるには、毎月の消費電力量だけでなくデマンド値のデータが必要です。

1か月の消費電力量に関するデータがあれば、1か月あたりの電気料金削減額や余剰電力率、買電量などを計算できます。

しかし、消費電力量は時間帯によって大きく異なるため、1日単位のデータでは正確に計算することが難しい状況です。デマンド値があれば、30分ごとの消費電力量をシミュレーションソフトに取り込むことができますし、効率的な稼働方法について分析してもらえます。

専門業者にシミュレーションを依頼する時は年間のデータを提出する

太陽光発電の分析に関する専門業者へシミュレーションを依頼する時は、年間の消費電力量やデマンド値、電気料金を提出しましょう。

数か月分のデータでは、年末年始やゴールデンウィーク、お盆の期間、繁忙期や閑散期など、さまざまな状況を前提とした正確なシミュレーションを行うことができません。

そのため、消費電力量やデマンド値などのデータは、1月~12月分まで揃えておくのが大切です。

なお、新たに建設した工場やビルなどに自家消費型太陽光発電を設置する場合は、既存の建物から取得したデマンド値、電気料金などのデータを専門業者へ提出し、参考にしてもらいながらシミュレーションおよび企画設計してもらうのも重要です。

地域特性を踏まえたシミュレーションが行われているか確認

自家消費型太陽光発電の発電量を予測する場合は、地域特性を考慮しながら計算していくのが大切です。

発電量は、太陽電池の素材や太陽光パネルの性能、設置角度や方角の他、設置地域の環境によっても変動します。

  • 雨やくもりの多い地域
  • 積雪量の多い地域
  • 気候変動によって雨の日が集中している時期も増えている

具体的には雨やくもり、積雪、気候変動の影響によるゲリラ豪雨や雷雨、台風による発電量低下を想定しておく必要があります。また、地域によって年間の総雨量は異なるので、過去の気象データを取り込むのも正確なシミュレーションに欠かせません。

専門業者から提示された出力が過剰でないか確認

シミュレーション後、専門業者から提示された太陽光発電設備の規模が、自社の消費電力量に見合わないかどうか確認するのも大切なポイントです。

自家消費型太陽光発電の出力を決めるときは、自社の消費電力量に合わせて検討する必要があります。

消費電力量を超える出力にしてしまうと、発電した電気を活用しきれず損失してしまう可能性があります。

蓄電池で貯められる余剰電力量であれば、雨天や夜間に有効活用することが可能です。しかし、蓄電容量を超える余剰電力量では有効活用できませんし、コストパフォーマンスという点でもデメリットといえます。

自家消費型太陽光発電のシミュレーションを行う時は、自社の消費電力量に合った発電量を見極めるのも重要です。

自家消費型太陽光発電のシミュレーション以外に注意すべきポイント

自家消費型太陽光発電のシミュレーション以外に注意すべきポイント

ここからは、自家消費型太陽光発電を設置するにあたって、シミュレーション以外で注意すべきポイントを解説していきます。

維持費用や廃棄費用を考慮しているか確認

自家消費型太陽光発電を導入する時は、維持管理費用や廃棄費用も含めて収支バランスを計算しましょう。

自家消費型にかぎらず太陽光発電設備を維持するためには、専門業者へ定期的にメンテナンスを依頼する必要があります。また、運用終了後は、売却もしくは撤去・廃棄しなければいけません。

このような維持管理や廃棄には、それぞれ費用がかかりますし、予算を確保しておかなければいけません。さらに自家消費型太陽光発電の場合は売電収入を得られないため、自家消費によって余った固定費から維持管理費用を捻出するのも大切です。

出力10kWの維持管理費用は年間5,000円程度なので、100kWであれば50万円、500kWは250万円前後かかります。

ソーラーローンの負担を抑える

自家消費型太陽光発電では、融資の返済負担を少しでも抑えられるよう工夫するのが重要です。

工場やオフィスの電気料金を削減するには、数1,000万円~の太陽光発電設備を導入する必要があります。

自己資金で費用負担できれば負担を抑えられるものの、そうでない場合はソーラーローンを組む必要があります。そこでソーラーローンの返済費用を削減するには、頭金を増やしたり金利の低いローンを探すのがポイントです。

弊社和上ホールディングスの自家消費コンサルタントプランは、設備の企画設計から融資先も含めて総合的にサポートいたします。固定費削減や脱炭素経営を目指している方は、ぜひ1度お問い合わせください。

効率的な運用には蓄電池が欠かせない

自家消費型太陽光発電で発電した電気を効率よく活用するには、蓄電池の併用が欠かせません。

太陽光発電単体では、電気を貯め続けることができません。1日の中で発電量のピークと消費電力のピークがずれていると、電気料金削減効果を伸ばせません。

蓄電池を設置しておけば、消費電力量の少ない時間帯に発電した電気を貯めて、デマンド値の高い時間帯に自家消費することが可能です。また、日中に発電した電気を夜間に消費することができるため、夕方から夜間にかけて消費電力量の多い企業にとってもメリットの多い設備といえます。

自家消費型太陽光発電はシミュレーションソフト選びとデータの準備が必要!

自家消費型太陽光発電はシミュレーションソフト選びとデータの準備が必要!

自家消費型太陽光発電を検討する時は、シミュレーションを入念に行っておいましょう。また、シミュレーションを行うには、太陽光発電専門業者から提供されているソフトウェアを用いるのが一般的です。シミュレーションソフトでは、毎月の発電量から余剰電力量、自家消費率、電気料金削減効果、支出などを細かく計算・分かりやすく表示してくれます。

脱炭素経営を目指している方や電気料金負担に悩んでいる方は、今回の記事を参考に自家消費型太陽光発電投資を検討してみてはいかがでしょうか?

弊社和上ホールディングスの自家消費型太陽光発電サービスは、完全自家消費型太陽光発電の企画から設計、施工・保守点検までサポートいたします。また、国土交通大臣 特定建設業の許可を受けているので、高い施工品質を維持しながら設備の設置を行います。

スーパーマーケット、ホームセンター、工場や物流施設などを運営している方は、この機会にぜひ1度ご相談ください。

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