太陽光発電の売却を検討する時は、売却時に適用される税金と税率、税務処理について把握しておく必要があります。しかし、太陽光発電投資を行っている方の中には、売却後の税務処理や税金について分からず悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、太陽光発電の売却時にかかる税金と税率、節税に重要なポイントについて詳しくご紹介します。太陽光発電投資を行っている方や太陽光発電の売却前に税金のことについて把握しておきたい方は、参考にしてみてください。
個人が太陽光発電を売却する際にかかる税金
個人が太陽光発電を売却した場合、売却益や売却額に対して課税されます。そのため、売却前に仕分けや確定申告の準備を進めておくのが大切です。
それでは、個人が太陽光発電を売却した際にかかる税金を確認していきましょう。
譲渡所得に対して課税負担が発生
太陽光発電を売却時は、売却益に対して税金がかかります。
売却益を求めるには、売却額から取得費用や譲渡費用を差し引きます。
- 売却額-(取得費用+譲渡費用)=売却益
取得費用とは、購入価格から過去の減価償却費を控除した金額のことです。減価償却費は、確定申告書から確認することが可能です。一方、譲渡費用に関しては、売却手続きの際に発生した仲介手数料などの費用を指します。
売却益を確認したあとは、以下の計算式で所得税を求めます。
- 売却益-特別控除(50万円)×所得税率=所得税
譲渡所得の所得税率は、土地や建物の所有期間によって変わります。所有期間5年未満の場合は30%、5年を超える場合は15%です。一般的に太陽光発電の稼働期間は10年以上なので、税率15%で所得税を計算できます。
所得に対する住民税の負担
太陽光発電を売却した場合は、譲渡所得に対して住民税がかかります。
住民税の税率は9%もしくは5%で、所得税より低い税率です。また、計算式については譲渡所得と同じく、以下の内容です。
- 売却益-特別控除(50万円)×所得税率=住民税
太陽光発電の所有期間5年未満の場合は、住民税率9%です。一方、所有期間5年を超える場合は、5%で定められています。
売却額に対する消費税
消費税課税事業者として太陽光発電の設置運用を行っている場合は、売却時に消費税の課税負担がかかります。
消費税課税事業者とみなされるのは、以下のケースです。
- 課税期間から前々年の課税売上高1,000万円を超える
- 前年1月1日~6月30日の課税売上高もしくは給与支払額が1,000万円を超える
また、前述の条件に合致しない場合でも消費税課税事業者選択届出書を提出した場合は、消費税課税事業者として太陽光発電事業を展開できます。
消費税の計算はシンプルで、売却額×10%です。売却額1,000万円の場合は、100万円の消費税がかかります。消費税を納付する場合は、所得税の確定申告時に「消費税及び地方消費税確定申告書」や「課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表」へ必要事項を記入し税務署へ提出します。
法人が太陽光発電を売却する際にかかる税金
続いては、法人が太陽光発電を売却した際にかかる税金の項目を確認していきましょう。
法人税
太陽光発電を売却した場合は、法人税がかかります。
法人税の計算式は、以下の通りです。
- 売却額-取得価額=所得
- 所得×法人税率=法人税
取得価額には、太陽光発電の購入額や計上済みの減価償却税を足したものです。また、太陽光発電の購入額は、設備の取得費用だけでなく太陽光発電用地の取得額や手数料なども含まれます。
法人税率は、所得によって変わります。所得800万円以下の部分に対しては、19%の税率がかけられます。また、所得800万円を超える部分に対しては、23.2%の税率がかけられます。たとえば、所得1,000万円の場合は、800万円×19%、200万円×23.2%という計算式です。
太陽光発電の売却益に対する法人税は、他の法人税と同じく確定申告書で申告を行ったのち納付します。
なお、資本金1億円を超える法人は、所得にかかわらず税率23.2%と定められています。
法人事業税
法人事業税とは、地方自治体へ納付しなければいけない地方税です。赤字の場合は課税されません。
法人事業税を求める場合は、売却益から取得費用などを差し引いた所得に法人事業税率をかけます。なお、法人事業税率の種類は各都道府県によって変わるため、注意が必要です。
東京都で事業を展開している資本金1億円以下の法人は、以下の税率に沿って法人事業税を求めます。
- 課税所得400万円以下の部分については税率3.4%
- 課税所得400万円を超えて800万円以下の部分については税率5.1%
- 課税所得800万円を超えた部分については6.7%
太陽光発電事業を展開している法人は、管轄の自治体窓口で法人事業税に該当する事業や税率、その他ルールについて確認しておきましょう。
法人住民税
法人住民税は、法人事業税と同じく地方自治体へ納付しなければいけない税金です。
計算方法は、法人税×所定の税率という比較的シンプルな内容といえます。なお、法人住民税率は、法人税額の他、法人の資本金や従業員数などによって変わるのが特徴です。
法人住民税は、法人税の節税に加えて、資本金の減資などといった対策で負担を抑えられます。
太陽光発電の売却にかかる税金を抑えるには?
太陽光発電の売却にかかる税金を把握したあとは、税負担を抑える方法について確認しましょう。
太陽光発電の売却にかかる税金を抑えるには、設備の所有期間や減価償却の方法に注目しておくのが大切です。
個人の場合は設置から5年以内に売却しない
個人で太陽光発電投資を行う場合は、設置から5年以内に売却しないよう気を付ける必要があります。
譲渡所得の税率は、5年を境目にして大きく変わります。太陽光発電の取得から5年未満の場合は、所得税率30%かかります。ただし、所有期間5年を超えると所得税率15%に変更されます。
そのため、太陽光発電を設置したあとは5年以上運用し、その後売却や自家消費、売電などを検討していくのがおすすめです。
法人の場合は一括償却を行わずに運用する
法人税を抑えたい場合は、中小企業経営強化税制の一括償却を受けないにするのも大切です。
法人税は、個人のように所有期間による税率の変動はありません。
しかし、一括償却した場合は取得価額0円なので、売却時に差し引ける経費が減少してしまいます。経費が減少してしまうと、法人税の負担増加につながります。
これから太陽光発電事業を始める法人の中で売却時の法人税を抑えたい法人は、中小企業経営強化税制の一括償却を選択しないよう気を付けましょう。
個人から法人になる時は売上高で判断
法人化は、売上高1,000万円で判断するのが一般的です。
売上高1,000万円を超えた場合は、税率や経費処理の関係から法人化を検討した方がいい場合もあります。しかし、法人化した場合は、所得にかかわらず法人住民税を納付しなければいけません。
太陽光発電を運用したり売却したりしている個人は、売上高に加えて、法人特有の税金や税率から法人化について考えるのが大切です。
税務処理に強みを持つ太陽光発電業者へ相談
太陽光発電の売電収入や売却にかかる税金を抑えたい時は、税務処理に強みを持つ太陽光発電仲介業者へ相談するのがおすすめです。
本業で忙しい個人や法人にとって税務処理は、複雑かつ時間と手間のかかる作業といえます。そこで太陽光発電の税務処理に関するプロへ相談しておけば、スムーズに節税を実行できますし、計算ミスや仕訳や確定申告の記入間違いなどといったリスクを避けられます。
太陽光発電の仲介業者は、稼働済み中古太陽光発電の買い手や売り手をつなぎ、売買契約の代行から名義変更手続きなどのサービスを提供しているのが特徴です。また、仲介業者によっては、売却後の税務処理を代行してもらえます。
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太陽光発電の売却を検討している方は、ぜひ1度ご相談ください。
太陽光発電の売却を行う時は税金の負担額を把握するのも大切!
太陽光発電の売却を検討している時は、売却益にかかる所得税や住民税なども把握した上で準備を進めていくのが大切です。また、状況によっては消費税の申告も必要なので、手元に残る利益を慎重に計算しておきましょう。
太陽光発電の売却を検討中の方や太陽光発電の売却にかかる税金を抑えたい方は、今回の記事を参考に仲介業者の選定を進めてみてはいかがでしょうか?
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