GHGとはどのような意味?特徴やCO2との違いについても解説

GHGとはどのような意味?特徴やCO2との違いについても解説

環境経営を進めていくには、環境関連の用語について知っておく必要があります。GHGは、環境経営において基本であり重要な用語でもあります。しかし、自社の事業で手一杯な状態では、1つ1つ調べていくのが難しいところです。

そこで今回は、GHGの意味や特徴、環境経営との関係性について分かりやすくご紹介します。環境経営に必要な用語を調べる時間が少ない方や脱炭素経営のために用語や制度を確認している方は、参考にしてみてください。

GHGとは一体何?

GHGとは一体何?

環境経営を進めていくには、各環境用語の意味を明確にして、理解を深めることが重要です。それでは、環境問題において重要な用語である「GHG」について詳しく解説していきます。

温室効果ガスのこと

GHGとはGreenhouse Gasの略称で、温室効果ガスのことをいいます。現在、急激な地球温暖化が国際的に深刻な問題となっており、その原因が温室効果ガスだといわれています。

温室効果ガスにおいて最もよく知られているのは二酸化炭素ですが、それ以外にも複数の種類があります。「地球温暖化対策の推進に関する法律」では、下記の7つが温室効果ガスとして定められています。

  • 二酸化炭素(CO2)
  • メタン
  • 一酸化二窒素
  • ハイドロフルオロカーボンのうち政令で定めるもの
  • パーフルオロカーボンのうち政令で定めるもの
  • 六ふっ化硫黄
  • 三ふっ化窒素

温室効果ガスが与える影響

温室効果ガスは地球の大気中の気体に含まれており、赤外線を大気中にとどめる性質があります。

太陽から地球にとどいた光は、地球の表面をあたため宇宙空間に向かって放出されるが、温室効果ガスがあることで赤外線の多くが熱として大気中にとどまり再度地球の表面に戻ってきます。

戻ってきた赤外線が地球表面の大気をあたためることを「温室効果」といいます。この「温室効果」がなければ、地球の表面温度は氷点下19℃になるといわれています。「温室効果」のおかげで地球は平均気温が約14℃に保たれ、地球上の生物は温暖な環境で生きることができます。

しかし、産業革命以降の化石燃料の使用や森林伐採などの人的な要因により、大気中の温室効果ガスが増加したことで、急速に地球温暖化が進んでいます。

温暖化で地球の平均気温が上昇すると、氷河がとけて海面が上昇することで陸地が水没したり、急激に気候が変動することで、豪雨や異常乾燥などの異常気象頻発し、洪水や森林火災などの自然災害が増加します。

異常気象や自然災害は食糧不足や健康被害にも繋がり、人類の生命活動に大きな影響をもたらします。

GHGの中でもCO2削減が求められている!

GHGの中でもCO2削減が求められている!

人類が地球で継続可能な社会生活を営んでいくためには、地球温暖化対策を行っていくことが必要不可欠です。地球温暖化対策として最も注力して取り組むべきことは、地球温暖化の原因となるGHGの排出量を減らしていくことです。中でもCO2の削減が求められています。

続いては、GHGの中でもCO2を減らす必要があるのかを詳しく見ていきましょう。

GHGとCO2の違い

GHGとは地球温暖化の原因となる温室効果ガスのことで、メタン・一酸化二窒素・フロンなど多くの種類があります。CO2(二酸化炭素)も複数あるGHGの中の一つで、最も地球温暖化への影響を与えているといわれています。

GHG排出量のうちほとんどがCO2

環境省が2021年に発表した資料の内訳では、メタンがGHG総排出量の2.5%、一酸化二窒素は1.7%、代替フロンなどの4種類を合わせた排出量が5%などとなっています。

一方、CO2の排出量は、GHG総排出量の90.8%を占めています。GHG排出量の内のほとんどを占めるCO2が発生する主な原因は、石炭・石油・天然ガスなど化石燃料の燃焼です。

2020年度のCO2の部門別排出量の割合の記録では、エネルギー転換部門が40.4%、産業部門が24.3%、運輸部門が17.0%、家庭部門が5.3%などとなっており、人為起源のCO2発生の主な原因は経済活動にあります。

持続可能な社会を実現するためには、政府・企業が一体となってCO2排出量削減・脱炭素化や、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入を積極的に行っていく必要があります。

GHG削減に向けた国ごとの取り組み

GHG削減に向けた国ごとの取り組み

環境問題を一つの国だけで解決することは難しく、世界各国が協力する必要があり、COP(締約国会議)にて温暖化対策の国際的なルールが話し合われています。

2015年に京都で開催されたCOP3では「京都議定書」が、2015年にパリで開催されたCOP21では「パリ協定」が採択されています。「パリ協定」では2020年以降の温暖化対策として「世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して2℃より十分に低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」という共通目標を定めました。

この共通目標に向けた国ごとのGHG削減の取り組みについて紹介します。

GHG削減へ向けた海外の主な取り組み

GHG削減へ向けた対策をどのように行っていくかの各国の表明内容は様々です。諸外国の主な取り組み内容を見ていきましょう。

中国のGHG削減への取り組み

現在中国はCO2の排出量が世界で一番多い国となっています。2000年代の急激な経済成長や石炭の消費量の多さが主な原因です。習近平国家主席は2020年の国連での演説にて「2030年までにCO2排出を減少に転換し、2060年までにはカーボンニュートラルが達成できるよう努める」と表明しました。

カーボンニュートラルとは、産業活動が原因のCO2の排出を減らし、CO2を吸収する植林・森林管理によるCO2吸収を差し引くことで、トータルでのCO2排出量を実質ゼロにすることです。

そのため、石炭火力発電プロジェクトの停止や太陽光発電と風力発電の設備容量を整備、水素開発への投資や、CO2を排出しないエコな電気自動車(EV)の普及拡大を行っています。

アメリカのGHG削減への取り組み

アメリカはCO2の排出量が世界で二番目に多い国です。トランプ政権時にパリ協定からの離脱を決定しましたが、2021年にバイデン大統領がパリ協定への復帰を表明し、気候変動は生存基盤に関わる脅威として重視しています。

バイデン政権は、2030年までに洋上風力による再生可能エネルギーの生産量を倍増すること、2035年までに発電部門のGHG排出をゼロに移すこと、2050年までにGHG排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルを達成することを目標に掲げています。

イギリスのGHG削減への取り組み

イギリスでは、気候変動が経済と安全を脅かす解決すべき重要課題とし、積極的に対策を行ってきました。2008年には世界で初めて気候変動法を法律で定め、GHG排出を2050年までに少なくとも8割削減するという長期的な目標を設定していました。

現在は2050年までにカーボンニュートラルを達成することを法定化しており、温暖化対策「グリーン産業革命に向けた10項目計画」では、温暖化対策のために民間投資を呼び込み、温暖化対策に関わる44万人の雇用を支援し、2050年までにGHG排出量の実質ゼロを目指しています。

カーボンニュートラル政策の「ネットゼロ戦略」では、2035年までに電力システムを脱炭素化する方針も含まれています。またCOP26にて、貧困国が気候変動対策の計画・投資ができるよう約440億円を拠出することを約束しました。

日本のGHG削減対策

日本はCO2排出量が世界で5番目に多い国です。日本政府は2020年の国会において、2050年までにGHG排出実質ゼロを目指す「2050年カーボンニュートラル宣言」を行っています。

中期的には2030年までに2013年度比46%削減を目指し、「グリーン成長戦略」では、日本政府は新たな市場を創造する成長領域に積極的に投資を行っていくと表明しています。

カーボンニュートラルへの挑戦を日本の産業競争力を高める挑戦の機会と捉え、官・学・金がともに手を取り合い、環境問題を解決しながらも経済が成長する「経済社会システム全体の変革」を目指すため、経済産業省は2022年にGXリーグを設立しました。

「地域脱炭素ロードマップ」では2030年までに100箇所以上の脱炭素先行地域をつくるとしており、それを受け東京都や大阪府・京都市をはじめとする598自治体(2022年2月時点)が「ゼロカーボンシティ」を表明しています。

具体的には、太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入や創出、エコな電気自動車(EV)の普及促進、企業の意識・行動とともに生活者の生活スタイルや環境への考え方も変えていく”循環型社会の啓発促進”などに取り組んでいます。

GHG削減に向けて企業は何をすればいい?

GHG削減に向けて企業は何をすればいい?

日本政府が国際社会に向けて厳しい目標を明言したことで、日本の全企業がカーボンニュートラルの実現に向けて、GHG削減に主体的・能動的に取り組むことが強く求められています。ここからは、GHG削減に向けて企業は何に取り組んでいくべきかについて解説します。

再生可能エネルギーの導入

企業は経済活動を行う上で電力を多く消費するため、風力発電・太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入を積極的に行うことでCO2削減に繋げることができます。

特に自家消費型太陽光発電は、発電した電気を自社の生産活動へ活用でき、燃料費調整額や再エネ賦課金も含め大幅に削減することが可能です。また、環境経営をアピールしやすく、なおかつRE100などの枠組みへ参加したい場合に役立ちます。

プラスチック製品の削減

プラスチック製品は化石燃料である石油が原料となっています。日本はプラスチック製品の生産量と廃棄量が世界で2番目に高く、廃棄プラスチック類の燃焼に伴うCO2排出量は、日本のGHG排出量の1.5%になります。

日本の石油自給率は低く99.6%を輸入に頼っているため、石油の輸送にもCO2を排出しているのです。そのため、経済活動をする中で多くのプラスチック製品を活用する企業は、CO2排出削減のためにプラスチック製品の削減に努めなければなりません。

省エネ機器の導入

火力発電など電力発電時にはCO2が排出されるため、エネルギー消費を抑えることがCO2削減に繋がります。省エネ機器の導入することで電力のエネルギー消費が減り、その結果CO2の削減に貢献することができます。

老朽化した機器を高効率機器へ交換すること、蛍光灯をLED照明へ変えることで間接的にCO2の削減ができるのです。

GHGとは温室効果ガスのこと!企業や個人も削減が求められている時代

GHGとは温室効果ガスのこと!企業や個人も削減が求められている時代

世界的にGHGの排出量が多いことが原因で、地球温暖化が急速に進んでいます。人類がこれからも地球上で経済を発展させながら豊かに生きるためには、企業のみならず、生活者個人も環境問題への意識を高め、GHG排出量の削減を意識的に行うことが重要です。

個人も企業も不要なエネルギー消費を減らし、省エネ機器の導入やプラスチック製品の使用削減を積極的に行っていきましょう。

GHGの排出量削減に貢献しながら、収益化も同時に行える環境経営を進めたい企業には、自家消費型太陽光発電の導入がおすすめです。

弊社とくとくファーム0では、自家消費型太陽光発電の売買仲介および購入後の保守点検までサポートをしています。

自家消費型太陽光発電の導入に少しでも興味を持たれた方は、ぜひお気軽にメールや電話にてお問合せください。

より詳細な導入メリットを知りたい方のために、無料の個別セミナーも開催しています。太陽光発電事業の基礎から自家消費型太陽光発電の運用方法まで丁寧にご説明いたします。

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