太陽光発電は雪の影響をどう受ける?対策や注意点について解説!

太陽光発電は雪の影響をどう受ける?対策や注意点について解説!

太陽光発電事業を進めていく中で、雪の影響を受ける場面も出てきます。特に積雪量の多い地域では、事業を展開する上での検討材料になります。しかし、太陽光発電の経験が少ないと、雪の影響とリスクについてよくわからないのではないでしょうか。

そこで今回は、太陽光発電における雪の影響や注意点、対策や対処法について詳しくご紹介します。太陽光発電事業の継続について悩んでいる方や太陽光発電と雪の影響について関心を持っている方などは、参考にしてみてください。

太陽光発電における雪の影響とは?

太陽光発電における雪の影響とは?

太陽光発電を稼働させる際、自然災害だけでなく季節ごとの影響について把握および対処する必要があります。特に積雪の多い地域や冬場に積雪のある地域では、雪によるさまざまな影響を把握しておくことが大切です。

まずは、太陽光発電における主な雪の影響について1つずつ確認していきましょう。

雪の日は発電量の低下やゼロになる可能性

雪の日は発電量の低下やゼロといった可能性があるため、太陽光発電投資を行っている全ての方にとって影響の大きい事象です。雨の日の太陽光発電は晴れの日に対して10分の1~5分の1、くもりの日なら10分の1~3分の1程度ではありますが、ある程度の発電量を見込めます。

しかし、太陽光パネルに雪が積もるほどの降雪量を記録している場合では、ゼロに近い状態まで低下してしまいます。

特に年間200㎝以上の降雪量を記録している地域で太陽光発電投資を始めている方は、雪の影響について把握しておきましょう。

積雪量によってはパネルや架台の破損

太陽光パネルへ一定の雪が積もってしまうと、太陽光パネルや架台、固定部品などの破損につながります。

一般的な太陽光パネルの耐荷重は5,400Paで、kgに直すと1㎡あたり550kg程度です。特に積雪量の多い地域で太陽光発電設備を設置し、なおかつ除雪作業をせずに稼働させていると1〜2m以上の雪がパネルの上に積もってしまう場合があります。

積雪の多い・ある地域で太陽光発電投資を始める時は、除雪作業込みで維持管理の計画を立てたり、耐久性の高い太陽光発電設備を調べたりするのが重要です。

落雪による事故リスク

太陽光パネルに積もった雪を放置していると、落雪による事故リスクが高まります。野立て太陽光発電の架台は、太陽光の方角などに合わせて角度がつけられています。また太陽光パネルの表面はガラスでできているため、滑りやすい性質もあります。

そのため、太陽光パネルの設置角度と積雪量によっては、パネルの上に数10㎝以上の雪が積もり、なおかつ滑りやすくなります。

さらに積雪量が多ければ多いほど、落雪の際にケガや死亡事故、物の破損などにつながることもあります。

豪雪地帯はどこ?

豪雪地帯はどこ?

国内で降雪量の多い地域は、新潟県と山形県、秋田県、長野県、福島県です。

特に山形県や新潟県などでは、冬場の合計積雪量が5mを超えることもあります。そのため、同地域で太陽光発電投資を始める際は、積雪・安全対策を策定した上で設置計画を立てるのがリスク回避という点でも大切です。

いわゆる雪国といわれている地域で、その他の地域と同程度の年間発電量を確保するには、春から夏にかけて発電量を伸ばすための工夫が必要です。両面パネルや高効率のパワーコンディショナ、過積載など、複数の対策を考えましょう。

太陽光発電が雪の影響を受けている場合の対処法

太陽光発電が雪の影響を受けている場合の対処法

太陽光発電は雪の影響を受けやすい点について把握したあとは、対処法について確認していきましょう。

積雪や落雪によるトラブルが発生した場合は、迅速に対応するのが大切です。

破損した場合はすぐに施工業者へ連絡

積雪の重みに耐えきれず、太陽光パネルのガラスが割れたり設備が破損したりした場合は、迅速に施工業者へ連絡しましょう。

太陽光発電の破損は、発電損失の他、火災や感電事故といったさまざまなリスクにつながります。ま、設備に触れないよう注意が必要です。

万が一漏電していると、感電するおそれがあります。修理交換費用は、保証期間内でかつ補償条件を満たしていれば負担ゼロに抑えられます。そのため、太陽光発電の保険には加入しておくようにしましょう。

発電量が低下している場合は除雪を依頼

太陽光パネルに積もった雪が自然に落ちず残っている時は、O&M業者などへ除雪作業の依頼を検討してください。太陽光パネルに角度が付いていれば、雪は自然に落ちていきます。

しかし、架台周辺に積もった雪を除雪しない、もしくは除雪しきれないほどの降雪量がある場合では、パネルから雪が落ちきらずに残ってしまうこともあります。また太陽光パネルの角度や雪の質によっては、雪がパネルからなかなか滑り落ちません。

太陽光パネルに積もった雪を落とすには、梯子で登りながら人の手で除雪しなければいけません。素人が除雪すると落下事故などにつながるため、必ずプロの業者へ除雪作業を依頼しましょう。

故障しているかどうか遠隔監視装置で定期的に確認

雪の影響を受けやすい地域で太陽光発電投資を行う場合は、遠隔監視装置(モニタ)で発電量の状況や異変などを定期的に確認しましょう。

遠隔監視装置は発電量やエラーなどを示してくれる装置で、太陽光発電所から離れた場所から設備状況を確認できるのが特長です。監視方法は、CTセンサーとパワーコンディショナとの通信という2種類に分かれています。

CTセンサータイプを導入する場合は、パワーコンディショナと各種電力系統の間に設置されている電線に取り付けます。一方、通信機能付きのタイプは、パワーコンディショナとリアルタイムで通信できるのが強みです。

積雪や豪雪地帯で太陽光発電を行う際の注意点

積雪や豪雪地帯で太陽光発電を行う際の注意点

ここからは、積雪の多い地域で太陽光発電投資を始める際に気を付けておくべきポイントを紹介します。

太陽光パネルの耐荷重を確認

太陽光パネルを比較する際は、積雪仕様のタイプから検討してみることをおすすめします。

一般的な太陽光パネルの積雪荷重は5,400Paで、1㎡あたり550kgの積雪まで耐えられます。つまり、一晩や数日で積雪量2mを超える場合は、こまめに除雪作業するか、通常より耐荷重性能の高い太陽光パネルを導入する必要があります。

ネクストエナジーの「NER120M375D-MCH」という太陽光パネルは、積雪荷重8,000Paと一般的なパネルと比較して約1.5倍程度です。kgに直すと、1㎡あたり800kgまで耐えられる構造です。

太陽光パネルの角度をつける

積雪による被害を抑えるには、太陽光パネルの角度を最低でも15度以上に傾けて設置するよう施工業者へ相談してみましょう。

太陽光パネルの設置角度が小さいと、パネルに積もった雪を自然に落下させることができません。しかし最低でも15度以上の角度があれば、パネルに積もった雪が自然に落下します。

よりスムーズに雪を落としたい時は、30度程度の角度をつけておくのがおすすめです。

ただし太陽光パネルの設置角度を大きくすると、その分架台やパネル同士の間隔を広げなければいけないため、パネルの設置枚数が減少してしまう場合もあります。

地面から太陽光パネルまでの高さを上げる

地面から太陽光パネルの距離を空けておくと、雪の溶け残りといったトラブルを回避することが可能です。

太陽光パネルに積もった雪は自然落下します。また、架台の近くへ落ちた雪は、徐々に溶けていきます。しかし太陽光パネルの高さが低いと、雪の積み上がりによってパネルに積もった雪がなかなか落下せず、なおかつパネルに残ってしまうことにもなりかねません。

少なくとも地面から80㎝以上の高さに太陽光パネルを固定しておけば、パネルに積もった雪をすぐ落とせないという状況を回避できるでしょう。

架台の強度を強化するよう施工業者へ相談

架台の強度を強化できるかどうか、事前に施工業者へ相談してみることも太陽光発電の破損やトラブルを防ぐ上で欠かせません。

大雪などによって架台ごと倒壊した場合、破損した部品の撤去から設備の再設置および稼働まで数ヵ月程度かかります。また、そのための費用負担も発生します。

つまり架台の強化工事は、大きなリスクやコストを避けるために重要な選択です。

強化工事については、太陽光発電の施工業者側で対応してもらえます。費用や施工品質で損をしないためには、複数の業者へ相見積もりを取ってみましょう。

除雪やその他工夫で対応しきれない場合は?

除雪やその他工夫で対応しきれない場合は?

O&M業者による定期点検や除雪作業、事前の強化工事や積雪荷重の強い太陽光パネルへの交換など、さまざまな対策を立てても総合的に負の要素が多い場合は、太陽光発電所の売却を検討してみてはいかがでしょうか。

太陽光発電所の売却とは、太陽光発電投資家や企業などへ太陽光発電所と土地の権利を売却し、売却益を得る取引のことです。

特に固定買取価格の高い太陽光発電設備や状態のいい設備などは、多くの買い手に人気があります。

また積雪地域に設置されている太陽光発電であっても、年間発電量という点で考えれば他の地域と大きな差は生じにくい傾向にあります。そのため、雪の影響というマイナス要因を差し引いても購入しようと考えている投資家や企業は存在します。

太陽光発電所の査定額は、事前の清掃や保守点検などでアップしてもらえることがあります。設備を稼働するより手放した方がメリットがあると判断した場合は、撤去より売却を検討してみてください。

雪の影響を強く受けている時は太陽光発電の売却を検討するのが大切!

雪の影響を強く受けている時は太陽光発電の売却を検討するのが大切!

積雪地域で太陽光発電投資を行っている時は、架台の高さや設置角度、太陽光パネルの積雪荷重を確認してみることが大切です。また、除雪作業に対応している施工業者やO&M業者と契約し、定期的に除雪作業を行ってもらうのも、落雪事故などを防ぐために欠かせません。

しかし、さまざまな対処法を検討および実行しても収支のバランスや維持管理の負担という点で悩んでいる方は、今回の記事を参考にしながら太陽光発電所の売却を検討してみてはいかがでしょうか。

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