出力制御ユニットとは?太陽光発電への影響や価格、メーカーについても紹介

出力制御ユニットとは?太陽光発電への影響や価格、メーカーについても紹介

太陽光発電で売電を行う場合は、出力制御ユニット付きのパワーコンディショナを設置する必要があります。初めて太陽光発電の設置を行う方や今後太陽光発電やパネルの増設を検討している方は、出力制御ユニットの役割や費用負担なども含めて考慮するのが大切です。

そこで今回は、出力制御ユニットの意味や役割、価格や主なメーカー、太陽光発電への影響について詳しくご紹介します。太陽光発電の購入を検討し始めた方や太陽光発電の増設を行うべきか悩んでいる方などは、参考にしてみてください。

出力制御とは何か?

出力制御は、電力の需給バランスを崩さない、もしくは系統容量の上限を超えないために定められた、電力供給の制限に関するルールおよび設備の総称です。

電力の安定供給は、需要と供給のバランスで成り立っています。需要が大きければ電力不足に陥ってしまいますし、供給過多でも停電につながります。そこで電力会社は、電力需要や供給量の状況に応じて発電量の制限に関する指示を発電事業者に出します。

また、送電線や変圧器に流せる電気には上限があるため、発電および電力供給量を制限しなければいけない場合もあります。太陽光発電で売電を行っている企業は、出力制御の実施に備えることが大切です。

出力制御ユニットとは?

電力会社からの出力制御に関する指示は、出力制御ユニットがなければ対応できません。続いては、出力制御ユニットの特徴や役割についてわかりやすく解説します。

出力制御指示に沿って発電量の制御を行うユニット

出力制御ユニットとは、インターネット経由で電力会社から送信される出力制御に関するスケジュールを受信し、パワーコンディショナを制御するシステムのことです。

電力会社のサーバから送信される出力制御スケジュールは、一般的なパワーコンディショナでは受信および対応ができません。出力制御ユニットがあれば、インターネットから送信された出力制御に関する予定日時を自動で受信できますし、パワーコンディショナへ発電量の制御に関する指示も行えます。

そのため太陽光発電を設置する際は、パワーコンディショナと出力制御ユニットに加え、インターネットへの接続が必要です。

広義では出力制御付きパワコンも含まれる

パワーコンディショナの中には、出力制御ユニット機能を搭載したパワーコンディショナもあります。広い意味では、パワーコンディショナも出力制御ユニットといえます。

これから太陽光発電を導入する方は、出力制御ユニット付きパワーコンディショナかどうか比較しながら検討してみるのが大切です。既に太陽光発電を導入した方の中で設備の機能についてよくわからない方は、施工販売業者にパワーコンディショナの機能を確認してみましょう。

接続契約ごとに出力制御ユニットが必要

太陽光発電を導入する際は、出力制御ユニットの設置も必要です。

出力制御ユニットの設置数は、電力会社との接続契約数に応じて変わります。たとえば、太陽光発電設備を新規設置し、接続契約を1つ交わした場合は、出力制御ユニットを1台設置する必要があります。

また、太陽光発電を追加および接続契約を増やす場合は、それに合わせてさらに出力制御ユニットを設置しなければいけません。

なぜ出力制御ユニットを設置しなければいけないのか?

低圧太陽光発電を含め、売電を行うには出力制御ユニットの設置が求められています。もし出力制御ユニットを設置していないと、電力会社から接続契約を解約されてしまいます。そのため売電収入を得たい時は、出力制御ユニットの設置を進める必要があります。

出力制御ユニットの価格

出力制御ユニットの価格は、1台あたり15万円前後のケースもあります。ただし多くの製品では、メーカーHPやカタログなどに価格が明記されていません。メーカーHPなどで把握できない場合は、施工販売業者へ見積りを依頼した時点で確認することが可能です。

なおパワーコンディショナの中には、出力制御ユニットが搭載されたパワーコンディショナもあります。そこで今回はパワーコンディショナの価格帯を紹介します。

産業用太陽光発電向けのパワーコンディショナ(出力50kW程度)は、1台につき50万円前後で推移しています。また、出力100kW程度のパワーコンディショナは、100万円前後です。

出力制御ユニットの特徴

続いては、出力制御ユニットの特徴について1つずつ確認していきましょう。

手動もしくは自動で更新スケジュールを取得

電力会社で出力制御スケジュールが作成された場合は、出力制御ユニットでスケジュールを自動もしくは手動で取得します。

電力会社の専用回線と接続している出力制御ユニットおよび出力制御機能付きパワーコンディショナは、出力制御スケジュールのデータを自動で受信し、手動もしくは自動で発電量の抑制に関するプログラムを実行していく流れです。リアルタイムでデータを更新できるのが、専用回線を利用するメリットといえます。

一方、一般のインターネット回線に接続された出力制御ユニットおよび出力制御機能付きパワーコンディショナは、手動もしくは自動によるデータ受信および制御をします。データの受信頻度は専用回線より遅いものの、低コストで導入できるのが特徴です。

出力抑制の当日に発電量を抑制

出力制御スケジュールの受信と書き換えが完了したあとは、スケジュールに沿って発電量の抑制や制限も行われていきます。発電量の調整は、出力制御ユニットや出力制御機能付きパワーコンディショナによって自動で進められるため、手動による作業負担はありません。

出力制御ユニットの主なメーカー

出力制御ユニットの主なメーカーは、以下のとおりです。

メーカー 製品例や特徴
オムロン 出力制御対応パワーコンディショナの他、出力制御ユニットも取り扱っている
出力制御ユニット:産業向けPV用エコめがね全量モバイルパックRS
・出力制御機能に加えて遠隔監視、通信機器などもセットになったパック
田淵電機 出力制御対応パワーコンディショナを複数台コントロール可能なマスターボックスが、出力制御ユニットに相当
また、マスターボックス1台につきパワーコンディショナを32台接続可能。マスターボックス同士を30台まで接続可能
新電元工業 SOLGRID MANAGERという装置は、出力制御ユニットと発電量のモニターユニットとして活用可能
※2023年4月時点で新規販売終了

太陽光パネルやパワーコンディショナ、出力制御ユニットなどは、新しい製品に入れ替わったり新規生産終了したりと変化の早い状況といえます。

そのため、太陽光発電所の改修を検討している方やこれから新規設置する方は、どのようなシリーズの出力制御ユニットが販売されているか、施工販売業者に確認しておきましょう。

遠隔監視サービスで出力制御ユニットの制御も可能

産業用太陽光発電関連機器の中には、オフライン制御でも現地で作業不要なタイプの出力制御ユニットもあります。

たとえば、ラプラス・システムのL・eyeは、出力制御ユニットと専用ソフトを導入すれば、オフライン制御でも現地へ赴かずに出力制御の設定ができます。またオンライン制御にも対応しているので、出力制御スケジュールの更新と制御を自動で進められます。

他にもさまざまなメーカーのパワーコンディショナと連携できるのが、L・eyeの特徴です。出力制御ユニットを比較検討する際は、機能の豊富さやパワーコンディショナの対応数などを軸に確認してみるのも大切です。

出力制御ユニットの費用負担に悩む時は?

ここまで出力制御ユニットの特徴や設置の必要な理由を確認した方の中には「増設を検討していたが悩んでいる」、「新規設置したいがコストを少しでも抑えたい」などの悩みを抱え始めた方もいるのではないでしょうか。

出力制御ユニットの費用負担や売電収入の低下リスクなどに悩んでいる場合は、3つの方法から太陽光発電事業について検討してみるのもおすすめです。

それでは、出力制御ユニットの費用負担や出力制御自体のリスクに関する対策を1つずつ確認していきましょう。

自家消費型太陽光発電へ切り替える

既に太陽光発電所を所有していて出力制御のリスクに悩んでいる場合は、全量自家消費型太陽光発電に切り替える方法もあります。

全量自家消費型太陽光発電は、発電した電気を自社の設備で消費する運用方式です。売電は行わないため出力制御ユニットが不要で、出力制御要請のリスクも回避できます。

太陽光発電を売却する

全量自家消費に対してメリットを感じない、切り替える理由がない場合は、太陽光発電所の売却を検討してみてはいかがでしょうか。

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新規設置の場合は中古太陽光発電を検討してみる

これから太陽光発電を行う場合は、中古太陽光発電所を検討してみてはいかがでしょうか。FIT型太陽光発電所物件は既に設置済みで、なおかつメンテナンスもされています。そのため、新規に設置するよりコストを抑えられますし、購入後すぐに稼働を始められます。

さらに固定買取価格の高かった2012年や2013年など、過去にFIT認定を受けた設備を取得できることもあるので、売電収入を伸ばしやすいのが強みです。

とくとくファームでは、中古太陽光発電所の購入サポートも行っているため、物件情報の情報収集や見積り、保険加入など、あらゆる手間を抑えられます。

出力制御ユニットの負担を避けるには売却もしくは中古太陽光発電がおすすめ!

出力制御ユニットは、大手電力会社から要請される出力制御に対応するための装置です。売電型太陽光発電を運用していくには、接続契約1つにつき1台の出力制御ユニットが必要です。

また、太陽光発電の追加や新規設置の際は出力制御ユニットの購入費用もかかりますし、出力制御による売電収入低下リスクも想定されます。

出力制御ユニットの費用負担や出力制御に悩んでいる方や効率よく売電収入を得たい方は、今回の記事を参考にしながら中古太陽光発電所の売買を検討してみてはいかがでしょうか。

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