太陽光発電の新制御方式mpptとは?特徴や仕組みについて解説

太陽光発電の新制御方式mpptとは?特徴や仕組みについて解説

太陽光発電やメガソーラーで効率よく発電していくには、設置場所の厳選だけでなく優れた制御装置の導入も欠かせません。mppt方式は、発電制御の最適化を目指す上で重要な役割を果たしています。しかし、太陽光発電事業を始めて間もない方などにとってはわかりにくい用語でもあるため、よく調べていないというケースも多いのではないでしょうか。

そこで今回は、太陽光発電の制御方式として知られるmpptの仕組みや特徴、メリットやデメリットについて詳しくご紹介します。メガソーラー事業を軌道に乗せる上で重要なポイントを調べている方や太陽光発電の発電効率をアップさせたい方などは、参考にしてみてください。

太陽光発電のmppt制御とは何?

太陽光発電におけるmppt制御(最大電力点追従機能:Maximum Power Point Tracking)とは、電力を向上させることができる機能や装置のことです。

電力は「電圧×電流」で計算します。そのため電圧や電流が変化すると、取り出せる電力も変化します。また、最適な電圧と電力の組み合わせは決まっているので、電圧もしくは電流を調整できれば、常に効率よく発電できることになります。

一方、太陽光の量(=日射量)は時々刻々と変化していて、周辺の環境や雲の量、天候によって大きく左右されます。しかし、手動で電圧や電流の制御は難しいところですし、太陽光パネル単体には、電圧や電流の調整機能などは搭載されていません。

そこでmppt制御を用いれば、日射量に応じて効率よく発電可能な電圧・電流を調整できるようになります。

mppt制御が搭載されているのは、主にパワーコンディショナです。また後付けタイプの場合は、パワーコンディショナや蓄電ユニットなどに取り付けられる場合もあります。

mppt制御が重要な理由

mppt制御の特徴を把握した方の中には、「そこまで重要な装置なのかわからない」といった方も多いかと思います。そこでここからは、太陽光発電においてmppt制御が重要な理由をわかりやすく紹介していきます。

天候などの急変時に素早く最適な制御を選択

mppt制御は、天候や日射量が急変した際にスピーディに電圧・電流調整ができます。太陽光発電のエネルギー源である太陽光(日光)の日射量は、晴れの日でも雲の量によって変わります。また周辺に建物や木々があると、太陽の向きによっては太陽光パネルの表面に影をつくってしまう場合もあります。

さらに雨や曇りの日は、晴れの日と比較して3分の1から10分の1程度にまで日射量が低下してしまいます。

このように日射量は、さまざまな要因ですぐに変動してしまうことがわかります。mppt制御機能付き太陽光発電を設置しておけば、急激な日射量の変動が発生しても都度最適な電圧と電流を導き出してくれますし、自動で最適な出力を計算および制御することが可能になります。

メガソーラーなどで活用されている

mppt制御は、主にメガソーラーで活用されています。メガソーラーを運用する場合、出力10kWや100kW台の太陽光発電と異なり、1ha以上の面積が必要なほど大量の太陽光パネルを設置していきます。

そのため、晴れの日でも場所によって日射量が変わりますし、太陽光パネルごとの特性によっても発電量は変化します。さらに設置面積が大きければ大きいほど、部分的な影も発生しやすい状況です。

ストリングごとにmppt制御を施せば、列ごとに発生した電力のばらつきをmppt回路で制御調整し、それぞれの特性に合わせた電力の最適化を行うことが可能です。(ストリング:直列に接続された太陽光パネルの単位)

pwm方式との違い

pwm方式との主な違いは、出力調整の方法です。mppt制御の場合は、電圧や電流を調整しながら最適な電力を出力できるよう常に制御してくれます。

一方、pwm制御は一定の電圧・電流で出力することを目的とした回路なので、電力の最適化という点でmpptの方が優れています。ただし、mppt回路より安く取得できるため、コストパフォーマンス重視の方にとってメリットのある回路といえます。

太陽光発電にmppt制御を導入するメリット

ここからは、太陽光発電やメガソーラーにmppt制御装置を導入するメリットについて1つずつ確認していきましょう。

発電効率の改善によって売電収入を伸ばせる

mppt方式の回路を導入した場合は常に出力を改善できるため、発電効率アップにつながります。

前半でも紹介しましたが、太陽光発電は気象条件の影響を大きく受けてしまいます。さらに天候などによって日射量が変化した場合、太陽光パネルから出力される電圧・電流値も変化し、発電効率の低下につながります。

mppt回路を後付けもしくは内蔵型のパワーコンディショナを導入した場合、太陽光パネルごとの特性や天候の変化による日射量増加・減少といったさまざまな条件に合わせて最適な出力を計算・実行してくれます。

特にメガソーラーの場合は、大量の太陽光パネルを制御しなければいけないため、mppt制御も欠かせない装置の1つです。

初期費用回収期間の短縮につながる

初期費用の回収期間を短縮できるのが、mppt制御導入の大きなメリットといえます。太陽光発電事業を始める際は、融資を受けながら運用を行うケースがほとんどです。運用開始後は、「初期費用+利子」を返済しながら売電もしくは自家消費していく流れです。

初期費用の回収期間は一般的に15~20年程度と言われていますが、年間の発電量が低下してしまうと回収期間が延びてしまいます。

mppt回路をパワーコンディショナに搭載した場合、発電効率の改善によって売電収入を伸ばしたり、自家消費による電気料金削減効果を改善したりすることが可能です。また初期費用回収期間を短縮できれば、その分、返済にかかる負担を軽減できますし、利益を伸ばせます。

初期費用の負担について悩んでいる方は、この機会にmppt方式を検討してみてはいかがでしょうか。

太陽光発電にmppt制御を導入するデメリット

続いては、太陽光発電にmppt制御を導入する場合のデメリットや課題について確認していきましょう。

pwm方式よりコストが高い

mppt方式は、pwm方式よりコスト面で負担のかかる制御方法です。太陽光発電の費用負担を少しでも減らしたい方には、デメリットといえるポイントです。

mppt方式の回路は、一般的に5万円前後の価格帯で販売されています。一方、pwm方式の回路は1,000円台から1万円前後と安価で、mppt方式より初期費用の負担が少なくて済みます。

ただし、太陽光パネルやパワーコンディショナなどの交換費用を考慮した場合では、mppt回路も安価といえます。太陽光発電の回収について検討している場合は、長期的な視点で利益を伸ばせるのか計算しながら慎重に判断しましょう。

山登り法では最適な制御を行えない場合がある

太陽光発電のmppt方式に用いられている山登り法では、常に最適な電圧・電流で出力できない可能性があります。山登り法とは、電圧と電流を調整した際に出力がアップしているかどうかで次の動作を変える制御方法のことです。

たとえば、1回目の電圧・電流を上昇させる方向で調整した際、出力がアップすれば2回目も同様の動作を行います。3回目の調整で出力低下した場合は、電圧や電流を下降させる方向で調整し、最適な動作点を見つける仕組みです。

しかし太陽光パネル側に影ができてしまうと、最適な動作点を見つけられない場合も出てきてしまいます。そのため、太陽光パネルに影ができないよう、事前に設計を何度かシミュレーションしておくのも大切です。

mppt制御以外に太陽光発電で注目すべきポイント

特にメガソーラーでmppt制御は重要な装置ですが、mppt以外にも運用管理上欠かせないポイントもあります。そこで最後は、太陽光発電やメガソーラーを運用する際にmppt以外にも注目すべきポイントを紹介していきます。

定期的な保守点検を行う

発電効率低下を抑えるには、定期的な保守点検作業を欠かさないことが大切です。

太陽光発電は、天候や温度、連続使用などによって経年劣化します。劣化した太陽光パネルやパワーコンディショナ、配線を使用し続けていると、発電効率の低下を招いてしまいますし、事故につながるおそれもあります。

太陽光発電を設置運用する際は、保守点検サービスと契約し、目視による設備点検や発電量の監視、定期的な部品交換といった作業を行ってもらいましょう。なお、保守点検に関しては、メンテナンスを専門に扱っているO&Mサービスに依頼すると安心です。O&Mサービスは、専門資格の必要な保守点検作業にも対応しています。

蓄電ユニットを併用する

特に全量自家消費型太陽光発電を運用する場合は、蓄電池との併用をおすすめします。太陽光発電単体では、発電した電気を貯められません。また電気を貯められないと、売電や自家消費にも活用できません。これではせっかく発電した電気を無駄にしてしまいます。

太陽光発電向けの蓄電池を導入した場合は、自家消費を行ったあとに余った電気を貯めておくことが可能です。さらに蓄電池に貯めた電気は、好きなタイミングで「放電=自家消費」できます。

蓄電ユニットの中には、天候に合わせて早めに充電を始められるユニットも販売されています。早めに充電を行うことができれば、たとえば台風などで発電できない場合でも、事前に貯めておいた電気で照明や自動ドアなどを稼働させることができます。

災害発生時に復旧できる体制を整えておく

メガソーラーや太陽光発電を運用する際は、災害対策だけでなく災害発生後の復旧体制について検討・準備しておきましょう。

東日本大震災のような大規模災害による被害を受けた場合、架台ごと破損してしまう可能性があります。また、大規模災害でなくとも、土砂災害で設備ごと流されたり台風でパネルが吹き飛んだりといった被害も想定できます。

このような災害による被害を受けた場合は、早急な撤去と第三者への被害に関する調査、損害賠償、復旧といった準備と対応が必要です。しかし、自社で撤去や復旧作業などへ対応するのは、現実的に厳しいといえます。

そこでO&Mサービスと契約しておけば、日常の点検はもちろん、災害発生時の保険に関する手続きの代行や現場での撤去作業、新しい太陽光パネルや配線類などの調達と施工といった対応までワンストップで行ってもらえます。

災害はいつ発生するかわかりません。太陽光発電の導入を決めた際に災害対策と発生後の復旧体制について準備を進めておくのが、リスク管理という点で重要なポイントです。

mppt制御は太陽光発電の発電効率を最適化させられるもの!

mppt制御は、太陽光パネルから発電した電力の電圧と電流を調整しながら、パワーコンディショナへ最適な出力を供給させる制御回路のことです。mppt回路を取り付けておけば、天候や太陽光パネルごとの特性に合わせて出力を向上させることが可能になります。

太陽光発電の効率的な運用方法を探している方や発電実績の確認できる太陽光発電・メガソーラーを導入できないか模索している方は、この機会に稼働済み中古太陽光発電の購入を検討してみてはいかがでしょうか?

とくとくファームでは、中古太陽光発電・メガソーラーの売買仲介サービスを提供しています。中古太陽光発電は、新規設置と異なり過去の発電実績や売電量から、事前に年間の利回りや収支を算出しやすいといった特長を持っています。また、弊社の場合は、太陽光発電のメンテナンスや洗浄を行いながら管理しているので、購入時のトラブルを抑えられます。

太陽光発電の出力や発電量を正確に計算しながら運用していきたいという場合は、ぜひお電話やメール、無料の個別セミナーからお気軽にご相談ください。専任の担当者が、お客様のご予算やご要望をヒアリングし、条件に合致した売却物件をご紹介いたします。

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