改正FIT法でフェンス設置が義務化!太陽光発電の最新基準を解説

改正FIT法でフェンス設置が義務化!太陽光発電の最新基準を解説

再生可能エネルギーとして注目が集まる太陽光発電ですが、2017年に改正されたFIT法により、フェンスの設置が義務付けられました。義務化に至った背景や目的・基準を知ることで、新たに設備投資をする理由もわかってくるはずです。この記事では、改正FIT法における太陽光発電のフェンス設置義務について解説していきます。

改正FIT法により太陽光発電のフェンス設置が義務化された

FIT法とは、2012年から施行された再生可能エネルギーの固定価格買取制度に関する法律です。そのFIT法が2017年4月に改正されました。太陽光発電のフェンス設置義務化は、その改正内容のひとつです。経済産業省のリンクもあわせて確認してください。

参考:改正FIT法による制度改正について|経済産業省

改正FIT法の概要

改正FIT法の概要を解説します。改正のポイントは大きく5点です。

  1. 新認定制度の創設
  2. コスト効率的な導入
  3. リードタイムの長い電源の導入
  4. 減免制度の見直し
  5. 送配電買取への移行

フェンス設置は、1の新認定制度の創設に伴い義務化されました。

フェンス設置が義務化された背景

フェンスの設置が義務化された背景には、以下のような状況があります。

  • 盗難防止
  • 害獣の侵入防止
  • 誤って侵入した人のケガ
  • 誤って侵入した人による発電設備の損傷

こういったトラブルを含め、太陽光発電などの再生可能エネルギー発電事業者が、適切な事業を実施できるようにするため、改正FIT法において「事業計画策定ガイドライン」が策定されました。

【太陽光発電】事業計画策定ガイドラインにおけるフェンス設置基準

続いて、太陽光発電において、2022年4月に改正された事業計画策定ガイドラインの内容とはどのようなものなのか。また、ガイドラインに記載されたフェンス設置基準を解説します。

2022年4月に改訂された「事業計画策定ガイドライン」

事業計画策定ガイドラインが2022年4月に改訂されました。事業計画策定ガイドラインとは、再生可能エネルギー発電事業者が法律や規則に基づき遵守すべき事項および事業実施のために推奨される事項を記載したものです。

2022年4月の改訂では、同時期にスタートしたFIP制度に関する記述が追加されました。FIP制度とは、売電価格に一定の補助額を上乗せし、再生エネルギー導入を促進するための制度です。

参考:事業計画策定ガイドライン|資源エネルギー庁

法律・ガイドラインに遵守した5つの設置基準

太陽光発電の設備を導入する場合、法律や上記で紹介した事業計画策定ガイドラインを遵守する必要があるため、設備の周囲にフェンスを設置しなければなりません。フェンスを設置に関する、5つの基準を解説します。

  1. 設備とフェンスの距離
  2. フェンスの高さ
  3. フェンスの素材
  4. フェンスの入り口
  5. 標識の設置基準

1. 設備とフェンスの距離

設備とフェンスの距離の具体的な数値はガイドラインで定められていませんが、外部から設備が触れられない距離を確保する必要があります。太陽光発電には電気が流れているため、もし漏電している場合、触れれば感電のおそれもあります。判断に迷う場合は、施工業者に相談するのがいいでしょう。

2.フェンスの高さ

フェンスの高さについても、特に定められていません。距離と同様に、外部から簡単に侵入できないような高さにしましょう。こちらも趣旨を理解した上で、フェンスの高さを設定するようにしてください。

3.フェンスの素材

フェンスの素材に関する指定も、特にガイドラインには記載されていません。しかし第三者が容易に破損や撤去できない素材が適しています。ロープやガードパイプ等は避け、金網など、しっかり固定できるようなフェンスを設置しましょう。

4.フェンスの入り口

フェンスの入り口は施錠する必要があります。フェンスを設置したとしても、入り口から侵入されては意味がありません。複製しづらく壊れにくい、強固なものを用意しましょう。

5.標識の設置基準

フェンスと併せて、立ち入り禁止の標識を設置しましょう。太陽光発電設備の標識と同様に、立ち入り禁止看板は外部から見やすい位置でなくてはなりません。なおいずれの標識も、風雨などで劣化しにくい素材を選ぶようにしてください。

【太陽光発電】フェンス設置のポイント

フェンス設置について、ポイントが3つあります。順を追って解説します。

  1. 耐久性の高いものを選ぶ
  2. 価格相場を把握しておく
  3. 場所によっては野生動物対策が必要

耐久性の高いものを選ぶ

まず、フェンスは耐久性の高いものを選びましょう。以下のようなものが候補になります。

  • メッシュフェンス
  • ロールフェンス

基本的に、太陽光発電施設のためのフェンスは風雨にさらされます。また海沿いであれば塩害の可能性もありますので、錆びにくい素材を選択することをおすすめします。

価格相場を把握しておく

次に、フェンスの価格相場を把握しておきましょう。具体的な費用は業者によって異なりますが、以下の価格が目安です。

長さ 価格
10m 30,000~50,000円
20m 60,000~100,000円
30m 90,000~150,000円
40m 120,000~200,000円
50m 150,000~250,000円
60m 180,000~300,000円
70m 210,000~350,000円
80m 240,000~400,000円
90m 270,000~450,000円
100m 300,000~500,000円

1メートルあたり3,000円から5,000円が相場といえます。ただし、素材などでも費用は変わりますので、施工業者にしっかり確認を取りましょう。

場所によっては野生動物対策が必要

最後のポイントとして、フェンスを設置する場所によっては、野生動物の対策が必要になります。山や森の中など、様々な動物が生息している可能性の高い場所に太陽光発電設備を設置する場合もあるかと思います。クマやイノシシなど、人間より強い力を持った動物もいますので、その力に耐えられる高い耐久性を持ったフェンスを選んでください。

他にも電気が流れる仕様のフェンスも有効です。

【例外】フェンス設置義務が適応しない太陽光発電の条件

フェンス設置義務が適用されない太陽光発電の条件を3つ解説します。

  1. 屋上や屋根のある場所
  2. もともと人の侵入が困難な立地
  3. 自治体により基準が異なる場合も

屋上や屋根のある場所

まず、屋上や屋根のある場所では、フェンスを設置する必要がありません。その理由として、第三者が屋上や屋根に上り、発電設備に容易に近づく可能性が低いためです。

もともと人の侵入が困難な立地

次に、もともと人の侵入が困難な立地にもフェンスは不要です。ガイドラインに以下の記載があります。ただし記述内容が具体的ではないため、自己判断せずに施工業者に相談することをおすすめします。

「柵塀等の設置が困難な場合(屋根置きや屋上置き等)や第三者が発電設備に近づくことが容易でない場合(塀つきの庭に設置する場合、私有地の中に発電設備が設置され、その設置場所が公道から相当程度離れた距離にある場合等)には、柵塀等の設置を省略することができることとする。」

参考:事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)23ページ|資源エネルギー庁

自治体により基準が異なる場合も

ガイドラインとは別に、自治体がフェンス設置の基準を設けている場合があります。またその多くは、景観に関するルールを定めています。決められた条件に基づいてフェンスを設置する必要があるので、自治体や施工業者にしっかり確認してください。

太陽光発電のフェンス設置を忘れず対応しよう

太陽光発電のフェンス設置について、以下のとおり解説いたしました。

  • 改正FIT法により太陽光発電のフェンス設置が義務化された
  • 【太陽光発電】事業計画策定ガイドラインにおけるフェンス設置基準
  • 【太陽光発電】フェンス設置のポイント
  • 【例外】フェンス設置義務が適応しない太陽光発電の条件

太陽光発電の設備について、フェンス設置がガイドラインにより義務付けられています。しかしその基準やポイント、また例外について自身で判断するのは難しいことと思います。そういった場合には、太陽光発電の施工実績がある業者に相談・依頼するのがおすすめです。

株式会社和上ホールディングスなら、法人様向けおよび個人様向けともに太陽光パネル設置の実績が多数ありますので、お気軽にお問い合わせください。

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