ISO14001とは、環境省で管理されている環境マネジメントに関する認証で、環境経営を推し進めていく上で役立ちます。
そこで今回は、 ISO14001の目的や特徴、認証のメリットやデメリット、エコアクション21との違いについて詳しくご紹介します。太陽光発電を活用した環境経営を進めたい方や企業価値向上につながる認証制度を受けたい方などは、参考にしてみてください。
ISOの役割についておさらい
ISOとは「国際標準化機構」のことで、正式名称である「International Organization for Standardization」の略称です。ISOは1947年に設立されたスイスに拠点をおく非政府組織で、国際的な標準化を推進し、世界各国で共通の基準や規格を策定しています。
経済、科学、技術、環境などのさまざまな分野において、「世界中で同じ品質・同じレベルの製品やサービスを提供できるようにする」ため、国際的な強力と一致を推進することを目的としています。
ISO14001とは何？
ISO1400とはどんなもので、またどのような取り組みを行っているのか、その目的や理由について詳しく紹介します。
環境マネジメントシステムに関する国際規格
ISO14001は、ISOが策定した環境マネジメントシステムの国際規格です。ISOは、企業が経済活動を行いながらも環境に対するリスクを分析し、影響を最小限に抑えるよう責任を果たすための枠組みを構築することを目的としています。
環境に関するPDCAサイクルを構築
ISO14001は、環境マネジメントシステムの構築と維持のため、PDCAサイクルを適用しています。
- Plan（計画）：企業は環境方針や目標を策定し、環境マネジメントの設計を立てる
- Do（実行）：計画に基づき、環境マネジメントの実施や運用を行う
- Check（評価）：実施した環境マネジメントの効果を評価し、目標の達成度や環境パフォーマンスを監視
- Act（改善）：評価の結果を基に、必要な改善措置を立案し実施
PDCAサイクルは継続的な改善を支える手法であり、ISO 14001ではこのサイクルを通じて環境マネジメントシステムの効果的な運用と改善を実現します。企業は定期的にPDCAサイクルを繰り返し、環境への影響を最小限に抑えるための取り組みを進めることが求められます。
ISO14001とエコアクション21の違い
ISO14001とエコアクション21はともにPDCAサイクルを活用した環境マネジメントシステムですが、ISO14001を策定しているのは国際標準化機構なのに対して、エコアクション21は日本の環境省です。
ISO14001は国際的な認知度があり、国際取引を行っているような規模が大きい企業が数多く認定を取得しています。
エコアクション21は、地方自治体が住民・企業・団体と協力し、環境保全活動を通じて、地域の持続可能性を向上させることを目指しています。中小企業が環境に関する法的要求事項に適合するための支援も行います。
審査登録の費用についても、ISO14001と比べてエコアクション21の方が低くなっています。
ISO14001の認証メリット
多くの企業がISO14001の認証を取得するために環境への取り組みを行っています。認証を取得する目的やメリットについて説明します。
ISO14001を重視する取引先との取引をスムーズに進められる可能性
ISO 14001の認証は、環境マネジメントシステムの国際的な基準を満たしていることの証明になります。
環境問題への関心が高く、企業が環境に配慮した取り組みを行っていることを示すことができるため、ISO14001を重視する取引先との信頼関係を構築しやすく、取引をスムーズに進められる可能性があります。
社内の環境マネジメントシステムを効率化できる
ISO14001の規格要求をクリアするためには、今まで気づかないできた環境に対するリスクを明確化する必要があります。業務改善・経費削減等などに取り組むことで、結果的に環境への配慮ができ、社内の環境マネジメントシステムを効率化できるようになります。
自社の企業価値を向上できる
ISO 14001の認証は、企業が環境への取り組みを具体的に行っていることを証明します。認証を取得することで、企業は環境マネジメントシステムを構築し、持続可能な経営を実践していることを外部に示すことができるのです。
この証明は、投資家・顧客・取引先などのステークホルダーに対して、企業の信頼性と社会的責任を高める効果があり、企業価値の向上につながります。
ISO14001の認証デメリット
ISO14001の認証は、企業価値が向上したり、取引がスムーズになったりとメリットが多くありますが、デメリットもあります。ISO14001の認証を取得するデメリットについても解説します。
エコアクション21より手間がかかる
ISO14001の認証デメリットは、認証審査を受けるための書類作成や、記録などを準備する手間がかかることです。認証を取得するためには、まず企業内に環境マネジメントシステムを構築する必要があります。
これには、環境方針の策定・目標の設定・プロセスの評価と改善・ドキュメントの作成などが含まれますが、システムの構築には時間とリソースが必要です。
厳しい仕様に対応する必要がある
ISO14001の認証取得には、組織が下記のような要件を満たしていることを証明する必要があります。
- 環境マネジメントに関するポリシーを策定し、環境への取り組み方針を明確にする
- 具体的で測定可能な環境目標を設定し、それを達成するための計画を策定する
- 環境マネジメントを遂行するための役割と責任を明確にし、関係者がその責任を果たせるようにする
- 自社の活動や製品・サービスが環境に与える影響を評価し、その結果に基づいて適切な対策を講じる
- 環境マネジメントシステムを継続的に改善するためのプロセスを確立し、定期的な監査や評価を行う
これらの要件を満たすためには、企業として組織全体の取り組みやプロセスを見直す必要があります。
従業員の負担増加につながる
認証審査を受けるには、書類作成や記録などを準備するための手間がかかります。従業員は通常業務とは別に、追加で認証審査などに必要なマニュアル文書を作成したり、実際にマネジメントシステムが機能しているのかをチェックしたりなど、業務量が増えます。
時間がかかることで残業が増えるなど、従業員の負担増加につながる可能性があります。
ISO14001の申請方法
ISO14001を取得するには、ISOの審査機関の審査を受けなければなりません。ISO14001の認証取得にかかる期間は、組織の規模や状況、準備の進捗状況などによって異なりますが、一般的には数ヶ月から1年以上かかると言われています。
申請の流れは下記の通りです。
- 取得するための計画を立てる
- 社内の体制を整えて環境マネジメントシステムを構築する
- マニュアルを作成し運用する
- 審査機関に申請する
- 審査を受ける（一次審査・二次審査・審査会）
- 認証取得完了
審査会を通過すると認証取得となり、認定証が発行されます。
ISO14001とエコアクション21どちらを選ぶべき？
ISO14001とエコアクション21は、ともに環境マネジメントに関する枠組みで、持続可能な環境への取り組みを強化することを目的としています。企業はどちらを取得するべきなのでしょうか。
環境経営未経験ならエコアクション21の方が取り組みやすい
環境経営が未経験の場合には、中小企業でも取得がしやすいエコアクション21から取り組むのがよいでしょう。
ISO14001は、ISOが策定した環境マネジメントシステムの国際規格のため、取得するには厳しい仕様に対応しなければならず、取得するための費用もかかります。
取得のための費用はエコアクション21の方が安く、環境経営の経験がない中小企業でも取り組みやすくなっています。
将来的にはISO14001の認証も目指すべき
エコアクション21を取得できたのであれば、将来的にはISO14001の認証も目指すべきでしょう。ISO14001は国際規格であり、エコアクション21に比べて国際的な知名度がはるかに高くなっています。
国際的な取引を行う大規模な企業や、世界の投資家に重視されて投資を受けたい企業にとっては、ISO14001を取得している方が有利になるでしょう。
ISO14001の認証に非FIT型太陽光発電が役立つ
ISO14001の認証に向けて取り組む際は、非FIT型太陽光発電の導入が役に立ちます。
その理由として、認証には具体的で測定可能な環境目標を設定し、それを達成するための計画を策定する必要がありますが、非FIT型太陽光発電を導入し、太陽光で発電した電気を自社で消費してCO2削減を行えば、具体的で測定可能な目標を達成することができるからです。
ISO14001の認証で環境経営を加速化させよう！
ISOが策定した環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001は、取得することで取引トシステムを効率化できたり、自社の企業価値を向上できたりとメリットが多くあります。
ISO14001の認証取得に取り組むことによる環境経営の加速化は、企業にも社会にも必要なことです。
ISO14001の認証に向けて取り組む場合には、非FIT型太陽光発電の導入がおすすめです。非FIT型太陽光発電を活用すれば、具体的で測定可能な環境目標を設定し、達成することができます。
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