電気料金の値上げに対応するには、空調の省エネにも目を向ける必要があります。なぜなら空調の電力使用量は、他の事務用機器や設備と比較して高い傾向にあるためです。
そこで今回は、空調の省エネが重要な理由と方法、補助金制度について詳しくご紹介します。空調の電気料金負担に悩む方や、オフィスの電気料金負担を軽減したい方などは参考にしてみてください。
空調の電力使用量は?
近年は、天然ガスや原油などの燃料の価格高騰にともない、電気料金も上昇が続いています。電気料金は使用量が増えれば増えるほど高くなるため、電気の使用量が高い設備については何らかの対策を行う必要があります。
特に「空調」は、事務用機器などさまざまな設備の中でも電気の使用量が多い設備の1つです。
事務オフィスや医療機関、介護施設、食品スーパーなど、ほとんどの業種において空調設備の電気使用量が大きな負担となっているため、省エネ対策はとても重要だと言えます。
空調の省エネ方法!
夏場や冬場はどうしても空調設備の使用頻度が上がり、電気代が大きな負担になります。そのため、空調の省エネはとても大切です。空調の省エネの効果的な方法について、詳しく紹介します。
フィルター清掃していない場合は定期的に実施
空調設備のフィルターにホコリや汚れが溜まっていると、空気の流れが阻害されて冷暖房の効果が低下してしまいます。
この状態で空調設備を運転させ続けていると、設定温度にするためにより多くの電気を消費しなければならなくなり、電気使用量の増加につながります。
この問題を回避するには、空調設備のフィルターを定期的に清掃するのが大切です。2週間に1度フィルターを掃除するだけでも効率的な空気の循環を促すことができ、冷房時で約4%、暖房時は約6%の省エネ効果があるとされています。
室外機の環境をチェック
空調の室外機は、冷房や暖房の稼働中に熱交換という重要な役割を担っています。たとえば冷房時では、室外機へと送られてきた室内の温かい空気を熱交換器で冷やし、室内に戻します。
しかし、特に夏などに室外機に直射日光が当たっていたり、室外機の周辺に物があふれていたりするなど環境が悪いと、室外機に熱がこもって本体の温度が上がってしまいます。それにより空気を冷やす効果が低くなり、効率の低減につながることがあります。
空調の効果が弱まると、弱まった分だけ余分にエネルギーを使うことになります。すると結果的に電気の使用量が増え、電気代の増加につながります。
これを防ぐには、室外機の周辺に物を置かない、常に通気が確保されるようにするなど、適切な対策をしましょう。
また、夏には室外機に直射日光が当たらないような工夫をする一方で、冷たい室内の空気を温める冬場は、反対に室外機に直射日光が当たるようにして、本体が冷えてしまわないようにすると良いでしょう。
熱交換器を含め専門業者に洗浄してもらう
空調設備には、室外機・室内機ともに熱交換器が設置されています。熱交換器を洗浄せずに長い間使用していると、ホコリやカビなどが詰まって熱交換の効率が下がります。
熱交換器に使用されている金属は曲がりやすく、また汚れがしつこく付着している場合があるなど、個人では清掃が困難です。そのため、空調クリーニングの専門業者に依頼して、定期的に洗浄してもらうようにしてください。
定期的な熱交換器の洗浄は、行わなかった場合と比較すると約27%節電できると言われています。
設定温度を見直す
空調の省エネ対策をする上で、設定温度はとても重要です。設定温度を1℃調整するだけでも約10%の省エネ効果が期待できるとされています。そのため、設定温度を見直すことで、電気使用量の削減につながることもあります。
政府の推奨設定温度は「冷房時28℃」「暖房時20度」です。設定温度が何度に設定されているのかをチェックし、温めすぎていないか、冷やしすぎていないかを確認し、適切な設定温度に調整しましょう。
残熱利用で電力使用量をカット
空調を使用した場合、電源を切ったとしてもすぐに室内の空気が温まったり冷えたりすることはなく、少しの時間「残熱」を維持できます。
そのため、終業時刻の15〜30分前に空調を停止しても、残りの時間は室温をある程度維持しながら過ごすことが可能です。1回だけで見れば節電効果はごくわずかですが、それが日々積み重なることで結果的に大きな省エネ効果を得ることができるでしょう。
外気導入量の調整で電力使用量をカット
冷房時に温かい外気が室内に多く入ってしまうと、空調は空気を冷やすためにより多くの電力を使用することになります。暖房時に室内に入る冷気が多い場合も同様です。
そこで、ドアやカーテンを設置するなどして室内に入ってくる外気導入量を適切に調節することで、電気使用量を削減することができます。
ただし、室内のCO2濃度は1,000ppm以下にするようビル管法で定められています。この基準を越えないように調整するようにしましょう。
空調の省エネでも電気料金負担に悩む場合は?
空調の省エネに取り組んでも思ったほど電気料金の削減につながらず、依然として負担に悩む場合には、別の対策を検討してみるのがいいかもしれません。
省エネ以外の電気料金削減の方法について紹介します。
省エネ機能に優れた空調に交換
既存の空調の年式が古い場合は、最新の省エネ型空調設備に変更することで効率よく節電ができるようになります。
特に、冷暖房時期に大幅に電気の使用量が増加することで電気代が上がっている場合には、設備の導入に一次的に費用がかかったとしても、長期的には大きな節電効果を得られる可能性があります。
全量自家消費型太陽光発電の導入を検討
電気代が高い原因には、電力会社から買電している電気料が値上げしていることも挙げられます。そのため電力会社からの買量を削減できれば、その分電気代も安くなります。
たとえば、全量自家消費型太陽光発電を導入した場合、太陽光で発電した全ての電気を自家消費することができるため、電力会社から買う電気量を減らすことができます。買電する電気量の削減は、そのまま電気代の節約につながります。
全量自家消費型太陽光発電と省エネ対策で電気料金負担を軽減
高騰が続く電気代に対して、省エネ対策だけでは大幅に削減することが難しい場合には、全量自家消費型太陽光発電を導入することで、電気料金の負担を大幅に軽減することができます。全量自家消費型太陽光発電の導入のメリットについて詳しく紹介します。
無理な節電を行わずに電気料金を削減できる
全量自家消費型太陽光発電の導入は、電気料金を削減するための効果的な方法だと言えます。太陽光で発電した電力をそのまま自家消費できるため、無理して必要以上の節電を行なうことなく、電気料金を大幅に削減できるのがその理由です。
年間の電気料金を数10%削減可能
電気料金の高騰が続いている主な原因として、ウクライナ情勢や化石燃料の高騰が挙げられます。さらに今後、原発事故に関する負担金等で電気料金が高くなるとも言われており、ますます値上げする傾向にあります。
すでに説明したように、電気代を抑えるには、電力会社から買電する電気量を減らすことが最も効果的です。
全量自家消費型太陽光発電で自家発電した電力を全て使用できた場合、年間の電気料金を数10%削減することも可能になります。
脱炭素経営をアピールできる
地球温暖化への環境対策が世界的にも大きな課題となっています。日本においては、2050年までに、地球温暖化の主な原因となっている温室効果ガスの排出量の実質ゼロを目指す「カーボンニュートラル宣言」を行っています。
そのため、脱炭素経営を積極的に行い、温室効果ガスの排出量を削減する取り組みが日本の企業にも求められています。
脱炭素経営をスタートするにあたり、全量自家消費型太陽光発電の導入はおすすめだと言えます。太陽光で発電された電気は100%クリーンな再生可能エネルギーであり、積極的に環境対策に取り組んでいることをアピールすることができるのが主な理由です。
補助金制度で初期費用負担を軽減できる
地球温暖化に対する環境対策は、国や企業など日本全体で行っていく必要があることから、太陽光発電などのクリーンエネルギーの導入を促すために、国や地方自治体が補助金制度を行っています。
この制度を活用すれば、太陽光発電の初期費用の負担を大幅に軽減できます。
空調の省エネだけで厳しい場合は自家消費型太陽光発電を検討してみよう!
冷暖房を使用する時期は、電気使用量が特に多くなり電気料金も大幅に上がってしまいます。しかし今後も電気代の高騰が続くことが予想され、電気代を削減するには空調設備の節電だけでは限界があります。
そこで、省エネ効率の良い新たな空調設備の導入や、全量自家消費型太陽光発電による買電量の低減なども、電気代削減のための選択肢となります。
中でも太陽光発電は、地球温暖化対策のために国や自治体から再生可能エネルギーの設備導入に活用できる補助金制度の対象となっているので、比較的導入しやすいと言えます。
そのため電気料金の負担を減らしたい方、脱炭素経営をスタートさせたい方には、自家消費型太陽光発電の導入がおすすめです。
弊社和上ホールディングスでは、創業から30年の実績およびノウハウにもとづき、自家消費型太陽光発電の企画作成から設計、施工、保守運用まで一括サポートを行っています。
太陽光発電設置後は、定期的なパネル洗浄と除草を含めメンテナンスサポートを付けており、また運用中の点検や部品交換に関するご相談も受け付けています。自家消費型太陽光発電に関心をお持ちの方は、ぜひお気軽にメールや電話でお問合せください。