飲食店の電気代が高い理由と削減方法をどこよりもわかりやすく解説!

飲食店の電気代が高い理由と削減方法をどこよりもわかりやすく解説!

飲食店では、業務用冷蔵庫や照明設備、大型空調設備などあらゆる場面で電気を使用する必要があります。そのため、昨今の電気代値上げによる影響を受けやすく、どうすればいいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、飲食店の電気代負担が大きい理由や削減方法についてわかりやすく解説します。飲食店向けの電気代削減策を知りたい方などは、参考にしてみてください。

飲食店の平均的な電気代

飲食店の平均的な電気代は、売上高に対して7%前後とされています。

例えば、1ヵ月の売上高が500万円なら、「500万円×7%=約35万円」です。

飲食店と一言で表しても店舗の広さや営業時間、設備の内容などに違いがあるため、7%を超える電気代のケースもあれば、反対に5~6%で収まるケースもあります。

一般的に飲食店の経費は、人件費と食材の仕入れ費用などが約半分を占めています。次いで負担のかかる項目が、電気代を含む水道光熱費です。

つまり、飲食店の経営で利益を少しでも多く残すには、水道光熱費のコストカットも大切だということです。ただし、水道やガスに関しては調理や食品の品質維持、衛生面などで必要不可欠のため、まず電気代の削減へ向けて対策を立てるのが現実的だと言えるかもしれません。

なぜ飲食店の電気代は高い?

飲食店の電気代は、他の業種と比較して高めの傾向にあると言えます。その大きな理由は、消費電力の多い設備の有無と電気料金プラン、値上げといった3点が関係しているからです。

続いては、飲食店の電気代がなぜ高い傾向なのかという点について解説します。

電気の必要な設備が多い

例えば事務所の場合では、照明やOA機器、空調を稼働させるために電気が必要です。一方、飲食店の場合は、照明設備や業務用空調設備の他、業務用の冷蔵・冷凍設備、オーブンなど、食材の保管や調理に多くの電力を消費しています。

さらに、焼き肉店などの煙が発生しやすい環境では、常時換気しなければいけない各スペースに専用ダクトを設置・稼働させなくてはいけません。

このように、電気を必要とする設備が多い飲食店は、他の店舗や事務所と比較して電気代のかかりやすい状況だと言えます。

割高な電気料金プランを契約している可能性

割高な電気料金プランを契約し続けていると、より電気代がかかってしまいます。

飲食店の場合は、一般的に従量電灯などの一般家庭向けプランと動力プランを契約します。一般家庭向けのプランは、100V電源の製品を稼働させるための電力を供給してもらえます。

動力プランは、業務用冷蔵庫など消費電力の大きい三相200V電源の電力を供給してもらう場合に必要な電気料金プランです。コンセントの形状は4つ穴なので、100V機器を接続できません。

電気料金は、「契約電力(kW)×単価」の基本料金と電力量料金で構成されていて、基本料金が高くなる傾向にあります。ただし、電力量料金は一般家庭向けプランより安いため、消費電力の大きい店舗なら電気代を抑えやすいと言えます。

電気料金プランについて把握しきれていない事業者は、まず契約している電力会社から送付されている検針票、もしくは専用ページから契約内容を確認してみましょう。

2022年からの急激な燃料価格高騰と電気代値上げが重なっている

飲食店の電気代負担は、電気代の値上げが関係している可能性もあります。

2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、国際的な燃料市場の価格も大きく変動しています。

日本は資源の輸入国で、ベースロード電源(安定した供給が見込める電源)の火力発電に必要な化石燃料も輸入しています。

つまり、燃料価格の高騰が火力発電の発電コストに影響を与え、燃料費調整額や電気代そのものの値上げといった事象につながっているわけです。さらに、2023年10月7日以降、ハマスとイスラエルの軍事衝突が続いていて、再び化石燃料の価格高騰といったリスクも出てきています。

飲食店の電気代を削減するには?

ここからは、飲食店の電気代を削減する方法を5つ紹介します。

電気料金プランを見直してみる

特に電気料金プランをこれまで詳しく調べていない方は、見直しを図ってみるのがおすすめです。

見直すポイントは、主に基本料金と電力量料金の単価、燃料費調整額の上限です。電気料金プランによって基本料金の単価は異なるので、切り替えるだけで数100円程度変動する可能性があります。

電力量料金の単価もプランによって違いがあるため、割安なプランへ切り替えることができれば、電気代を削減できます。

また自由料金プランの中には、燃料費調整額の上限が設けられていないプランも存在します。燃料費調整額は化石燃料の価格に応じて増減する仕組みで、電力量料金に上乗せもしくは差し引かれます。

そのため、特に燃料価格の変動しやすい2023年時点では、上限の定められたプランを契約した方がいい場合もあります。

冷蔵庫や冷凍庫の使い方を見直す

飲食店の場合、業務用冷蔵庫や冷凍庫の使い方を見直すだけでも電気代の削減につながります。

例えば、冷蔵庫・冷凍庫の開閉回数を少しでも抑えたり開ける時間を短縮したりすると、その分、庫内の温度変化を抑えられるので、電力消費を削減することが可能です。また頻繁に使用する食材を手前に置いたり、庫内に食材を詰め込み過ぎないよう気を付けたりするのも電気代削減において重要です。

空調の使い方を見直して消費電力を削減

大型空調は長時間使用している設備のひとつなので、温度設定や清掃といった点を見直すと消費電力を削減できる可能性があります。

夏場の温度設定を27℃以下、冬場の設定を21℃以上にしている場合は、環境省の推奨温度設定、夏場28℃、冬場20℃を基準にしてみましょう。空調の温度設定を1℃変更するだけで消費電力量は10.0%程度変わるので、電気代削減策という点でも見逃せないポイントです。

他にも、清掃業者へ定期的な清掃を依頼することでも削減効果が期待できます。

フィルターの目詰まりや汚れの蓄積は冷暖房の効率を低下させるので、温度設定を余計に上げたり下げたりしてしまう原因につながります。

また、空調を含め各種設備の劣化が進んでいる場合は省エネ性能の高い機器への交換を検討し、消費電力の削減効果を高めるのも大切です。

LED電球を使用していない場合は切り替える

自社の照明にLED電球を使用していない場合は、この機会に切り替えてみてはいかがでしょうか。

蛍光灯と比較してLED照明は、消費電力約7割の削減効果を期待できます。

また政府の政策によって、各メーカーは蛍光灯や白熱電球といった従来型の照明設備に関する生産を終了し始めているため、LED照明へ切り替えておけば将来的に交換できなくなるといったリスク対策につながります。

また既にLED照明に切り替えている場合は、人感センサーを導入したり照明の配置を工夫して照度を抑えたりしながら消費電力の削減効果を目指してみましょう。

電子ブレーカーを導入してみる

動力プランの負荷設備契約を契約している方の中で電子ブレーカーを導入していない場合は、電子ブレーカーの活用と契約内容の見直しで電気代の削減効果を図れる可能性があります。

電子ブレーカーは、一般的なブレーカーと異なり電子回路で構成された機器で、より正確に電流を測定、遮断できるのが特徴です。

また動力プランは、全設備の容量をもとに契約電力を算出する負荷設備契約と、メインブレーカーの容量をもとに契約電力を算出する主開閉器契約に分かれています。

常に全設備・機器を稼働させる場合は、負荷設備契約の方がブレーカーの作動リスクを避けられます。しかし、飲食店でも常時全設備をフル稼働させる可能性は低いため、負荷設備契約を選択している場合は基本料金が割高だと言えます。

主開閉器契約へ切り替えた上で電子ブレーカーを導入すれば、正確な電流測定によってブレーカーの誤作動を避けられるだけでなく、基本料金の削減も見込めます。

より効率的な電気代削減を見込めるのは太陽光発電

ここまで紹介した電気代の削減方法では、なかなか負担を抑えられない、もしくは既に取り組んでいてこれ以上削減できないという方もいるかと思います。

より効率的な電気代削減方法のひとつは、太陽光発電による全量自家消費です。

そこでここからは、全量自家消費型太陽光発電の経済的メリットについてわかりやすく解説します。

発電した電気を店舗内で自家消費し買電量を削減

全量自家消費型太陽光発電は、太陽光発電設備で発電した電気を自社の店舗内で消費する運用方法を指しています。

これまで通りの使い方で設備を稼働させながら、電力会社から供給されている電力の購入量(買電量)を削減できるため、業務効率を維持しながら電気代を削減することが可能です。

電気代の削減率は太陽光パネルの設置枚数や発電効率によっても変わりますが、30%など数10%台を見込めます。

燃料費調整額や再エネ賦課金も削減

全量自家消費型太陽光発電を飲食店に導入した場合、燃料費調整額や再エネ賦課金といった負担も削減することができます。

太陽光発電で発電した電気を自家消費する場合では、燃料費調整額や再エネ賦課金は上乗せされません。そのため、自家消費すればするほど、電力量料金の削減だけでなく燃料費調整額や再エネ賦課金の負担も抑えられます。

屋根設置や自己託送など設置場所を自由に設定可能

設置場所に関する自由度が高いのも、太陽光発電の大きなメリットです。

店舗の駐車場や空きスペースに余裕があれば地上設置型を選択できますし、ソーラーカーポート型も検討できます。ソーラーカーポートとは、カーポートの屋根部分に太陽光パネルを取り付けた太陽光発電設備のことです。

また敷地内に空きスペースのない状況なら、屋根設置や自己託送方式で対応できることもあります。自己託送方式は、遠隔地に自社の太陽光発電設備を設置し、送配電網を経由して店舗内へ電力を供給、自家消費していく方式です。

設置スペースに不安がある方も、ぜひ1度全量自家消費型太陽光発電を検討してみましょう。

蓄電池との併用で夜間も電気代を削減

夜間も営業している場合は、産業用蓄電池を併用することで電気代の削減効果が目指せます。

太陽光発電単体には電気を溜めておく機能がないため、日中に発電した電気をその場で消費しなければ損失することになります。そこで産業用蓄電池を設置すれば、発電した電気を溜めておき、夜間や消費電力の多い時間帯に自家消費することができるため買電量を削減できます。

飲食店の電気代負担は大きいので太陽光発電の導入も視野に入れてみよう!

電気代負担に悩んでいる飲食店は、まず電気料金プランの見直しや電子ブレーカーの導入を検討してみましょう。また、業務冷蔵庫や大型空調、照明など各種設備の使い方を見直して、節電を意識すれば数%以上の電気代削減効果を図れる可能性があります。

飲食店の電気代を抑えたい方や、既に対策を立てているものの電気代の負担が増えている方は、全量自家消費型太陽光発電を検討してみてはいかがでしょうか。

和上ホールディングスは、全量自家消費型太陽光発電の設計・施工・保守運用に一括対応しています。また、各種申請業務や補助金制度の確認などに関しても対応しているので、スムーズにプロジェクトを進められます。

少しでも全量自家消費型太陽光発電について気になっている方は、お電話やWebフォームよりお気軽にご相談ください。

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