2019年版 家庭用蓄電池のVPP補助金の最新情報と2018年との違い

2019年版 家庭用蓄電池のVPP補助金の最新情報と2018年との違い

頻発する自然災害や『2019年問題』などもあり、急激に家庭用蓄電池の需要が高まっていると言われています。家庭用蓄電池とは、その名称通り「電気を蓄えておくことができる設備」で、家計にかかる電気代の削減や、自然災害時の停電対策など、さまざまなメリットをもたらせてくれるのです。

家庭用蓄電池に関しては、日本政府も普及推進に力を入れており、国や地方自治体による補助金制度もかなり充実していると言われています。蓄電池は、もともと大量なエネルギーが必要となる製造現場など、事業用として活躍してきた設備なのですが、東日本大震災を契機に長期的な大規模停電に備える目的などで、一般住宅でも需要が高くなったという歴史があります。しかし、実際に家庭用蓄電池の導入を検討した場合、設置工事費まで含めると100~200万円程度の費用が必要になってしまうため、誰でも気軽に導入できる設備とは言えないのが現状です。そこで、さまざまな災害に備える目的や、地球環境問題対策として、国が蓄電池の導入を補助してくれる制度が設けられているのです。

こういった補助金制度は、同じ名称の補助金なのに、年度ごと対象となる設備が変わる…など、毎年内容が細かく更新されるものです。したがって、蓄電池導入の際に補助金を利用したいと考えるのであれば、最新情報のチェックは必要不可欠と言えるでしょう。そこで今回は『VPP補助金』が2018年度とどう変わったのかをご紹介します。

VPP補助金は何が変わった?

この補助金は、平成28年から5ヵ年計画で始まったバーチャルパワープラント(vpp※1)の実用化を目指した実証実験で、「需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金」というのが正式名称です。補助対象事業は、「VPP基盤整備事業」「VPPアグリゲーター事業」「V2Gアグリゲーター事業」そして「VPP/V2Gリソース導入促進事業」の大きく4つに分かれています。
補助金の詳細については、この記事では省きますので、内容の詳細を知りたい方は、「一般社団法人 環境共創イニシアチブ」の公式サイトでご確認ください。

> 補助金詳細はコチラ

VPPとは

VPPとは、日本語で「仮想発電所」とも言います。これは、工場や一般家庭にある太陽光発電、蓄電池、電気自動車といった「分散型エネルギリソース」をIoTを活用した高度なエネルギーマネジメント技術により管理することで、あたかも1つの発電所のような機能を提供する仕組みのことです。

家庭用蓄電池が実証実験から外れた…

平成30年度までは「VPP/V2Gリソース導入促進事業」にて、家庭用蓄電池の補助金申請が可能だったのですが、今年度の実証実験では『産業用』の蓄電池のみが対象となり、家庭用蓄電池が補助金対象から外れています
こう聞くと「家庭用蓄電池の補助金がなくなってしまったの…!?」と不安になる方が多いと思いますが、実は本年度からVPP実証事業に変わり、家庭用蓄電池を対象とした「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金」という補助事業が新規でスタートしているのです。この家庭用蓄電池の補助事業は、既存・新築問わず、10kw未満の太陽光発電設備設置者が新規で家庭用蓄電池を導入する場合に、最大60万円までの補助をしてくれるという非常にありがたい制度です。ただし、「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金」は、2次公募の受付が11月29日となっていますので、今から蓄電池の購入を検討しようという方が適用するのは少し期間的に難しい可能性があります。

家庭用蓄電池は災害型のハードルが低い?

引用:「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金」要領より

それではここからは、VPP実証事業に代わり、新規スタートした「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金」について少しご紹介しておきます。

この補助金は、「災害対応型」「ネットワーク型」「周波数制御型」という分類がなされており、それぞれの補助金額が異なるのです。その中でも「災害対応型」については多くの蓄電池が対象となります。
「災害対応型」の場合は、災害時に太陽光発電でつくった電気を優先的に貯める設定(グリーンモードなどと呼ばれる)に切り替えることができる、または常にそのような設定にできる蓄電池のことを指しています。近年、多くの蓄電池が、詳細な設定をすることで、グリーンモードでの運転に対応していますので、補助対象のハードルはそこまで高くないと言えます。

補助金対象となるためには、設備費用に上限がある

引用:「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金」要領より

「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム 導入促進事業費補助金」の補助対象になるためには、補助対象設備の設備費が設定された目標価格を下回っていなければいけません。簡単に言うと、「設備費用を安く抑えないと、補助金を出しません」という訳です。ただしこの部分に関しては、消費者にとって不利益はあまりなく、販売業者に対してシビアな仕組みにしているということです。これは、国が家庭用蓄電池の普及を推進しているという証拠で、蓄電池の価格低減を推進して、より普及しやすくする目的があるからだと言われています。
目標価格に関しては、上の表の通り、保証年数ごとに設定されており、設備費がその金額を下回ることが条件です。ただし、目標価格は2019年度と2018年度の2種類が設定されており、2019年の目標価格が下回れない場合でも、2018年の目標価格を下回っているのであれば、補助金の半額を受け取ることが可能です。
※工事代やHEMSについては半額になりません。

まとめ

今回は、家庭用蓄電池を取り巻く補助金制度についてご紹介してきました。家庭用蓄電池は、メーカーの開発が進んだことや、新規参入メーカーが増加したことから年々その価格が下がってきて、手ごろな価格体で手に入る蓄電システムも登場しています。しかし、一般的には、設置工事費用も含めると、100万円以上のコストがかかってしまうものですので、気軽に購入できる設備とはいいがたいものだと思います。このような状況の中、太陽光発電との相性の良さや災害時の非常用電源として役立つという点から、国が一般住宅への蓄電池導入の推進を行っており、毎年手厚い補助金制度を設けています。

蓄電池導入の際に、補助金を利用できればかなりの負担軽減となるため、誰でも積極的に利用したいと考えるものでしょう。ただし注意が必要なのは、この記事でもご紹介したように、国や地方自治体が行う補助金制度というものは、毎年微妙に内容が変わってしまうということです。したがって、昨年なら補助対象に入っていたのに、自分が購入するときには補助金が使えない…なんてことになる可能性もあります。
こういった補助金制度については、定期的に自分でチェックするか、販売店に相談する際に「使えそうな補助金はあるのか?」と質問するのが良いでしょう。

全国の蓄電池補助金制度はコチラをご参照ください。

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