今回は、家族の安全を守るための自然災害対策として、一般家庭が地震の備えとして知っておきたいポイントをご紹介していきたいと思います。
皆さんもご存知の通り、日本という国は、諸外国と比較しても非常に地震の発生数が多い国として有名で『地震大国』などと揶揄されるほどなのです。実際に、私たちの記憶にある大規模地震を思い出してみると、阪神大震災や東日本大震災、熊本地震などと、人々の生活に甚大な被害をもたらした巨大地震はいくらでも思い起こすことができるでしょう。さらに、ここまでの大規模地震を除いたとしても、震度4クラスの地震などは日本全国で頻発していますし、普段の生活を安全に過ごしていくことを考えた場合には、地震への対策が非常に重要になるのです。
特に近年では、南海トラフ地震など、マグニチュード8クラスの超巨大地震の発生確率が高まっているといった報道も増えており、大規模震災への備えは何をしておけば良いのかと不安に感じている人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、家庭でできる一般的な地震対策をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
今後予想されている巨大地震とは?
それではまず、現在の日本で、今後発生する確率が高いと言われている巨大地震の情報を簡単にご紹介しておきましょう。冒頭でご紹介したように、『地震大国』などと言われるほど地震の発生数が多い日本ですが、実は世界中で発生しているマグニチュード6以上の地震について、その2割以上が日本で発生していると言われているのです。そもそも、日本国内には発見されている活断層だけでも約2,000箇所あると言われており、まだ発見されていない活断層も考えると、『いつ・どこで』地震が発生してもおかしくないと言えるような国なのです。
さらに、今後発生が予想されているマグニチュード8クラスの巨大地震についても、テレビなどでは『南海トラフ地震』の発生確率が引き上げられたなどと言った情報が話題になることも多いですが、実はそれ以外にも『日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、首都直下地震、中部圏・近畿圏直下地震』など、近い将来に発生する可能性があると指摘されている巨大地震は複数存在するのです。こういった地震の恐ろしいところは、さまざまな技術が進歩した現在でも、「完全に地震の予知をすることは不可能」と言われている点で、家族の安全を守るためには、常日頃から家庭でできる地震対策を進めておくことや定期的な防災訓練を進めることが重要になるのではないでしょうか。
参考:内閣府防災情報ページ
家庭でできる地震対策とは?
それでは、家庭でできる地震対策についてご紹介していきましょう。ここまでの説明で分かるように、日本国内に住んでいる限りは、地震と切っても切れない縁があると言え、家族の安全の事を考えると「災害時にどうすれば良いのか?」を予め検討しておくべきなのです。
ここでは、災害発生後に『自宅で過ごす場合』と『避難所に避難する場合』に分けてご紹介していきたいと思います。なお、災害発生時の家庭での備えについては、政府の特設ページでも詳しく紹介されていますので、ぜひ一度そちらも確認してください。
自宅で過ごす場合
大規模地震が発生した後でも、何とか自宅で過ごせる被害に収まっているという可能性もあるでしょう。この場合に準備しておきたいのは以下のようなことです。
食料・飲料・日用品の備蓄が重要
大規模災害が発生した場合、停電や断水の可能性も高いですし、食べ物や飲み物の確保が非常に重要になります。災害時のことを考えた場合の備蓄としては、以下が目安となります。
- 食料・・・最低限3日分の食料を備蓄(乾パン・板チョコ・缶詰など日持ちするもの)
- 飲料水・・・3日分(1人1日3リットルが目安)
- 日用品・・・トイレットペーパー、ティッシュペーパー・マッチ、ろうそく・カセットコンロなど
いざという時のため、災害時でも必要最低限の食料や飲料水は備蓄しておきましょう。なお、大規模災害を想定する場合には、『1週間分』の備蓄が望ましいと言われています。
生活用水の確保
災害による断水のことも考えて、生活用水の確保も必要になるでしょう。台風など、「いつが危ないか?」が事前に分かるような自然災害の場合、お風呂に水を貯めておくなどの対策が取れるのですが、地震は「いつ・どこで」発生するか予測することもできません。
したがって、いざという時のためには日ごろから水道水を入れたポリタンクなどを保管しておくと良いでしょう。こうすることでトイレ周りを衛生的に保つことができるようになるはずです。
災害後に自宅で過ごすことを考えた場合、最低限上記のような備蓄が必要になるでしょう。
さらに、南海トラフ地震など、大災害になると予測されている巨大地震の場合、停電や断水、ガスのストップなどライフラインが長期間使えなくなることも予想できます。したがって、こういった大災害に備えるためには、家庭で消費するエネルギーをどのようにして確保するのかも重要になります。
現在、災害による大規模停電に備えるための対策としては『太陽光発電+家庭用蓄電池』という体制を作っておくのが最も有効だと考えられています。太陽光発電や蓄電池は、普段の生活の中で電気代を削減できる省エネ設備とのイメージが強いのですが、災害時には本当に心強いアイテムになるのです。例えば、太陽光発電が設置されている家庭であれば、電力会社からの電気供給がストップしても、自宅で発電することが可能です。さらに、ここに家庭用蓄電池を連携させることで、昼間に発電した電気を蓄電池に蓄えておき、夜間の照明や調理に使えるようになるなど、大災害の後でも生活に必要な家電製品を使用することができるようになるのです。
避難所に避難する場合
大規模災害が発生した場合には、家が被災してしまい、避難所に避難することになってしまう可能性もあるでしょう。しかし、「避難所に行ったことが無いけど、何を持っていけばいいの?」などと、不安を抱えている人も多いと思います。そこでここでは、避難所に避難する際、何を持っていけば良いのかを簡単にご紹介しておきます。
自分で非常用持ち出しバッグを用意しておく
災害直後に避難所は開設されますが、避難所に避難しても初期は十分な備蓄がない可能性が高いです。実際に、昨今の災害のニュースなどを見てみると、避難所の物資が足らないなどと言う報道はよく耳にします。したがって、避難所に避難する場合でも、日持ちする食料や飲料水などを非常用持ち出しバッグとして用意しておき、それを持ち込むようにするのがオススメです。非常用持ち出しバッグの中には、以下のよなものを入れておくと良いでしょう。
- 飲料水、食料品(カップめん、缶詰、ビスケット、チョコレートなど)
- 貴重品(預金通帳、印鑑、現金、健康保険証など)
- 救急用品(ばんそうこう、包帯、消毒液、常備薬など)
- ヘルメット、防災ずきん、マスク、軍手
- 懐中電灯、携帯ラジオ、予備電池、携帯電話の充電器
- 衣類、下着、毛布、タオル
- 洗面用具、使い捨てカイロ、ウェットティッシュ、携帯トイレ
ご家族で避難することを考えた場合、人数分の非常用持ち出しバッグを用意しておくのがオススメです。
乳幼児がいる場合は、ミルクやほ乳瓶も忘れずに
避難の際、乳幼児も一緒に避難する場合には、ミルク・紙おむつ・ほ乳瓶も忘れずに用意しておきましょう。避難所には授乳スペースやおむつを変えるスペースなどが用意されていますが、乳幼児の備品が備蓄されていることは少ないのです。したがって、乳幼児のための備品は各家庭で準備しておき、それを持ち込むようにしましょう。
時間が経過すれば、さまざまざな支援物資などが届き、食料や飲料水なども充実してきますが、災害直後は備蓄が足らず不便な思いをすることも少なくありません。したがって、避難所に避難する場合には、各家庭が最低限自分たちの生活に必要な物資は準備しておきましょう。ただし、何でもかんでも非常用バッグに詰め込んでしまうと、持ち運びに苦労してしまうことになりますので、しっかりと非常用に必要な備品を厳選するのが大切です。
まとめ
今回は、地震大国と言われる日本において、普段から考えておきたい地震への備えについてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、中小規模の地震が頻発している日本ですが、今後30年以内にマグニチュード8クラスの超巨大地震の発生確率が高まっていると言われています。この規模の地震となると、「何を準備しておけば良いのかさっぱり分からない」と不安に思ってしまう人が多いのですが、最低限この記事で紹介したような備蓄をしておくことをオススメします。
大規模災害が発生してしまえば、生活に必要なライフラインが全て止まってしまうことも珍しくありませんし、さらに「いつ復旧するのか?」も予想すらできないということもあるのです。したがって、国や自治体が何らかの対策を開始するまでご家族の安全を守ると考えた場合、「あらかじめどのような準備ができているのか?」ということが非常に重要になるのです。