太陽光発電をビルの屋上へ設置するメリットとデメリットを紹介!

太陽光発電をビルの屋上へ設置するメリットとデメリットを紹介!

マンションや自社ビルの屋上には、太陽光発電を設置することができます。しかし、屋上へ太陽パネルを設置することで、どのようなメリットやリスクがあるのか分からず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、太陽光発電をビルの屋上へ設置するメリットとデメリットについて分かりやすくご紹介します。不動産投資を行っていてマンションの屋上に太陽光発電を設置したい方や自社ビルの電気代を削減したい方などは、参考にしてみてください。

ビルの屋上に太陽光発電を設置できる?

ビルの屋上に太陽光発電を設置できる?

太陽光発電は、住宅の屋根や地面、山間部、カーポート、農地(ソーラーシェアリング)など、さまざまな場所へ設置可能です。マンションやオフィスビルの屋上には、状況に応じて設置できる場合もあります。

それでは、ビルの屋上に太陽光発電を設置できるか、ケース別に紹介します。

自社ビルやマンションオーナーの場合は自由に判断可能

企業が自社ビルを所有している場合は、太陽光発電の設置を自由に判断することが可能です。

自社ビルへの太陽光発電設置は、電気料金削減や売電収入の確保に加え、企業価値アップにつながる可能性もあります。昨今は、環境へ配慮された経営や再生可能エネルギー事業などに注目が集まっていて、太陽光発電設置も取引先や社会へ向けたアピールにつなげられます。

マンションを所有しているオーナーは、自社ビルのケースと同じく屋上への太陽光発電設置を検討できます。ただし、マンションへ太陽光発電を設置する際は、工事の騒音やその他トラブルを避けるために居住者へ説明や許可を得た上で準備を進めるのも大切です。説明不足によるトラブルが発生してしまうと、退去などといった損失につながります。

ビルを所有している企業やマンションオーナーは、太陽光発電を比較的設置しやすい状況です。

分譲マンションを購入している方は管理組合の決議が必要

マンションオーナーではなく、分譲マンションを購入および居住している方は、太陽光発電の購入や設置について管理組合による決議および許可が必要です。

自身の住んでいる部屋=居住スペース以外の部分に関しては、個人の所有物および所有権のないスペースです。廊下や階段、屋上などの共有部分は、個人で勝手に改修したり設備を設置したりすることができません。

そのため、太陽光発電をマンションの屋上へ設置するには、マンションの所有者達による管理組合で話し合い、決議する必要があります。

新築の場合は設計段階で取り付けを検討できる

マンションやビルをこれから建てる予定の場合は、設計段階で太陽光発電の規模や取り付け方法などを検討することが可能です。

ビルやマンションの設計段階であれば、太陽光発電の販売店や建築業者などへ屋上設置型の太陽光発電設備について相談できます。

状況によっては、ZEB(Net Zero Energy Building:ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)方式との組み合わせで、よりエネルギー効率の良いビル・マンションを運営できる可能性があります。ZEBとは、省エネと太陽光発電などの創エネによって、マンション内の消費エネルギー0を目指す運用方式のことです。

ビルやマンションの新築を検討している個人や法人の場合は、設計段階で太陽光発電の設置運用についても検討してみるのがおすすめです。

ビルの屋上に太陽光発電を設置するメリット

ビルの屋上に太陽光発電を設置するメリット

続いては、ビルの屋上へ太陽光発電を設置する主なメリットについて1つずつ確認していきます。

自家消費による電気料金の削減

ビルの屋上へ太陽光発電を設置した場合は、消費電力量の削減などによる電気料金負担の軽減を実現できます。

太陽光発電の運用方式は、余剰買取や全量買取、自家消費の3種類に分けられます。中でも自家消費は、発電した電気を電力会社へ買い取ってもらわず、建物内で全て活用する運用方式です。

自社ビルの屋上で自家消費型太陽光発電を設置する場合は、オフィスや廊下などの照明設備やエレベーターへ電力供給できますし、専用のコンセントからさまざまな機器へ供給することも可能です。

マンションの場合は共用部分の電力供給および自家消費

マンションの屋上へ自家消費型太陽光発電を設置する場合は、廊下やエントランスホールなどの照明設備や専有部分へ電力供給することが可能です。

エレベーターホールや廊下、階段、エントランスホールなどの共有部分には、照明設備などが設置されています。入居者にとって重要な設備ですが、マンションの維持管理負担につながっています。

太陽光発電で発電した電気で共有部分の消費電力をまかなうことができれば、毎月の電気料金負担を大幅に抑えられますし、収支バランスを改善できます。

なお、専有部分でも自家消費できるようにした場合は、入居者も電気料金削減メリットを得られるため、入居率向上および退去率低下につながる可能性があります。

屋上設置による遮熱効果を期待できる

ビルやマンションの屋上へ太陽光発電を設置した場合、電気料金負担の軽減に加えて太陽光パネルや架台による遮熱効果も期待できます。

太陽光発電は、発電能力を持つ太陽光パネルと基礎および土台の架台、直流電気を交流電気変換するパワーコンディショナなどで構成されています。

太陽光パネルを設置する際は、まず架台を屋上の床面に固定します。その後、架台の上に太陽光パネルを設置という流れです。

床面と太陽光パネルの間には空気の層が生まれるため、遮熱効果を期待できます。夏場に涼しく、冬場に暖かい室内環境を作り出すことが可能です。暖房や冷房機器の使用頻度を抑えることができますし、設定温度の調整による電気料金負担軽減にもつながるのが特長です。

ただし、ビルは工場や住宅と異なる構造なので、遮熱効果が少なくなってしまう可能性もあります。

法人の場合は企業価値アップにつながる

法人の場合は、太陽光発電設置によって企業価値アップなどといったメリットを得られます。

国では、2050年までのカーボンニュートラル実現に向けて、企業へ脱炭素化に関する取り組みを求めています。また、世界的に脱炭素化やSDGsといった流れがあるため、再生可能エネルギー設備設置も企業にとって重要な取り組みです。

自社ビルの屋上へ太陽光発電を設置した場合は、自社HPやその他の場面で電気料金削減や脱炭素量の情報について公開することで、企業価値アップや新たな事業展開へつながる可能性もあります。

また、マンションオーナーの場合は、ビルへの太陽光発電設置を積極的にアピールすることで、入居率の向上などといったメリットを得られます。

非常用電源として役立つ

太陽光発電は、設置場所にかかわらず非常用電源として活用できます。また、蓄電池の併用で、夜間や雨の日でも電気を活用することが可能です、

日本は地震や台風といった災害の多い環境です。また、災害の規模によっては、停電や断水といった被害も発生します。大規模災害では、1週間以上停電してしまうケースもあり、非常用電源の確保が大切です。

太陽光発電と蓄電池をビルへ設置しておくと、停電時でも最低限の企業活動を続けられる可能性があります。マンションへの設置では、入居者にとっても心強く居住し続けたいと思ってもらえます。

ビルの屋上に太陽光発電を設置するデメリット

ビルの屋上に太陽光発電を設置するデメリット

ここからは、ビルの屋上へ太陽光発電を設置するデメリットについて確認していきます。

必ずしも理想の出力で設置できるわけではない

ビルの屋上では、必ずしも理想の出力で設置できない可能性があります。太陽光発電の発電能力は、パワーコンディショナの数や出力、太陽光パネルの枚数によって変わります。特に太陽光パネル1枚あたりの性能と設置枚数は、発電量に大きな影響を与えます。

ビルの屋上は、平地や山間部での設置と異なり限られたスペースです。そのため、当初の想定より太陽光発電の出力が限られてしまう場合があります。

太陽光発電の設置スペースは、出力10kWで100㎡程度、20kWで200~300㎡とされています。

太陽光発電を設置する時は、実績のある販売店や施工業者へ相談し、太陽光パネルの設置可能枚数について確認しておくのが重要です。

立地条件によって発電効率低下の可能性がある

ビルの周辺環境や天候によっては、発電効率の低下や想定より低い発電量に留まる可能性があります。

太陽光発電の発電量を左右するポイントは、日照時間や日照量です。つまり、どれだけ長い時間太陽光が、地面へ降り注いでいるかどうかで発電量も変わります。

日照時間の少ない土地で太陽光発電を設置すると、発電量が平均より下がる場合もあります。また、ビルの周辺に太陽光を遮る設備や建物があると、発電効率低下につながります。

太陽光発電設置の際は、事前に発電効率に関するシミュレーションを行う必要があります。

屋上の形状や状況によって専用の架台を購入する必要がある

屋上の形状によっては、専用の架台を購入もしくは設計してもらう必要があります。

ビルやマンションといった傾斜のない床へ太陽光発電を設置したい場合、基本的にアンカー工法や接着工法といった工法で固定してもらいます。

アンカー工法は、屋上の床にアンカーを打ち込んで架台を固定します。太陽光パネルに角度を付けられる反面、アンカーによる漏水リスクがあります。

接着工法は、屋上の床に太陽光パネルを直接固定させる工法で、暴風によるパネルの飛来といったリスクを抑えられるのが特徴です。ただし、太陽光パネル同士の間隔を空ける必要があるため、設置枚数を増やしにくい側面もあります。

このような一般的な方法で設置できない場合は、別の工法で固定もしくは専用の架台を設計してもらう必要があり、その分費用負担を上乗せされる場合もあります。また、旧耐震基準のビルやマンションでは設置不可と判断される可能性があるため、太陽光発電業者へ確認した上で資金調達などの準備を行うのも大切です。

マンションの場合は入居者の許諾が必要

マンションオーナーは、独断で太陽光発電の設置を決められません。そのため、住宅用太陽光発電や平地や山間部での野立て太陽光発電設置などと比較してマンションの屋上設置は、手間と時間のかかる方式です。

スピーディに太陽光発電投資を始めたい時は、土地と設備をまとめて購入できる中古太陽光発電を検討してみるのがおすすめです。中古太陽光発電物件は、新規設置設備と異なり既に設備が設置されているため、購入後すぐに稼働させられます。

固定買取価格は、前オーナーのFIT認定時期によって変わります。2012年や2013年など高い固定買取価格の年に認定を受けている設備であれば、高い売電収入を期待できます。さらに中古太陽光発電物件は、屋上設置より出力の大きな設備もあり、出力面で悩む方にもおすすめです。

状況に応じて屋上の防水工事が必要

アンカー工法による設置やその他事情時から漏水のリスクが発生する場合は、太陽光発電の設置工事に加えて防水工事も必要です。また、防水工事の費用も負担しなければいけない点は、デメリットの1つです。

ただし、防水工事の必要な状況で放置してしまうと、屋上から内壁や各階の天井などへ雨水が入り込み、雨漏りや腐食、カビの発生につながります。

防水工事の費用は、ウレタン防水やFRP防水といった種類と施工場所の面積によって大きく変わります。たとえば、施工場所の面積100㎡では、100万円弱の防水費用がかかるケースもあります。

屋上への太陽光発電設置を検討する時は、防水工事の有無について確認し、工事の必要な状況であれば防水工事費用を含めた費用計算をしておくのも大切です。

ビルの屋上設置に関する補助金制度を受けられる場合も!

ビルの屋上設置に関する補助金制度を受けられる場合も!

太陽光発電をビルの屋上へ設置する時は、補助金制度によって初期費用負担を抑えられます。

たとえば、建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業は、新築建築物や既存建築物のZEB化や再生可能エネルギー設備もしくは蓄電池の設置によって、補助金を交付してもらえるのが特徴です。

既存建築物をZEBへ向けた改修工事および太陽光発電の導入した場合は、導入にかかった費用のうち3分の2にあたる補助金を交付してもらえます。

屋上設置による費用負担に悩んでいる方は、補助金制度についても調べておくことをおすすめします。

太陽光発電をビルの屋上へ設置する方法

太陽光発電をビルの屋上へ設置する方法

ビルの屋上へ太陽光発電を設置したい時は、まずビルやマンションへの設置に対応した太陽光発電業者へ相談します。

その後は、ビルやマンションの設計図や周辺環境を確認したのち、日照条件などを判断します。屋上へ設置可能な場合は、架台に使用される部材や工法の選定、太陽光パネルやパワーコンディショナの選定を行ってもらいます。

見積内容に納得できれば契約手続きを進める流れです。

太陽光発電の屋上設置はビルの有効活用につながる!

太陽光発電の屋上設置はビルの有効活用につながる!

ビルやマンションの屋上への太陽光発電設置は、空きスペースの有効活用につながります。また、太陽光発電した電気は、建物内で自家消費したり売電したりすることが可能です。

太陽光発電の設置場所について検討している方やビルの屋上で太陽光発電を始めるか検討している方は、今回の記事を参考に太陽光発電事業を検討してみてはいかがでしょうか。

弊社とくとくファームは、中古太陽光発電所の売買仲介や売買後の税務手続き、購入後の運用サポートなどを行っています。中古太陽光発電は土地と設備をまとめて購入できるため、購入後すぐに発電および売電を始められます。

太陽光発電事業を始めたいものの設置スペースに悩んでいる方やすぐに太陽光発電を始めたい方は、ぜひ1度ご相談ください。

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