瑕疵保証責任保険付き中古太陽光発電が誕生!仕組みや保険の内容をわかりやすく紹介

瑕疵保証責任保険付き中古太陽光発電が誕生!仕組みや保険の内容をわかりやすく紹介

2022年、丸紅と損害保険ジャパン、SOMPOリスクマネジメントの3社は、中古太陽光発電と瑕疵保証責任保険をセットにした新たな太陽光発電サービスの提供を発表しました。中古太陽光発電は、発電実績などのデータを確認しながら運用可能なこともあり、太陽光発電の費用回収などに不安を覚える企業にも導入しやすい設備といえます。さらに瑕疵保証責任保険が付帯されれば、万が一の故障時にも補償してもらえます。

そこで今回は、瑕疵保証責任保険の仕組みや丸紅の新サービスに関するメリットや注意点について詳しくご紹介します。中古太陽光発電に関心を持っている方や自家消費型太陽光発電について検討している方などは、参考にしてみてください。

瑕疵保証責任保険とは?

瑕疵保証責任保険とは、製品を引き渡ししてもらったのちに瑕疵(かし)を見つけた場合、保証サービスを提供している事業者から損害を補償してもらえる保険のことです。ただし保証期間中に瑕疵を見つけた場合に限ります。

瑕疵は重大な欠陥を指す用語です。住宅の物理的瑕疵なら、雨漏りやシロアリによる壁や床の破損を指します。瑕疵保証責任保険といえば、住宅瑕疵担保責任保険が代表的です。

瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルの特徴

瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルは、使用済み太陽光パネルの瑕疵を見つけた場合に損害を補償してもらえる国内初の保険サービスです。

サービスの提供者は、丸紅とSOMPOリスクマネジメント、損害保険ジャパンの3社で、2023年からの販売を目標としています。

丸紅は、太陽光発電事業者やO&M事業者、解体業者などから使用済みの中古太陽光パネルや罹災パネルを引き取り、使用可能かどうかの品質管理や性能検査を行います。また環境省実証事業を活用しながら、作成中の情報管理プラットフォームで、中古太陽光パネルの情報を損保ジャパンと共有します。販売サービスは、丸紅で対応予定です。

損保ジャパンは、販売予定の中古太陽光パネルに瑕疵保証責任保険を付帯し、補償などのサービスを提供します。

瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルの導入メリット

瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルの導入メリットについてわかりやすく紹介していきます。

太陽光パネルの修繕費用を抑えられる

中古太陽光パネルの修繕費用を抑えられるのが、瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルの大きなメリットといえます。

太陽光パネルの寿命は、一般的に25~30年です。発電効率などの性能は、5年・10年と使用していくうちに低下していきますし、劣化してしまいます。

中古太陽光パネルの場合はすでに数年以上使用されているため、新品と比較して故障しやすい状態です。万が一購入後に故障した場合、修繕や交換費用の負担も増えてしまいます。

一般に新品のパネルより価格は安く済みますが、メンテナンスコストを考慮すると必ずしも安いとはいえません。

そこで瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルなら、保険で修理・交換費用をカバーすることが可能なので、メンテナンスコストに関する不安が少なくなります。

新品と同じく売電や自家消費可能

丸紅の瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルは、新品の太陽光パネルと同じく売電や自家消費に対応しています。コストを抑えながら売電収入を得たり自社の電気料金負担を削減したりしたい時は、メリットの多い製品といえるでしょう。

中古太陽光パネルというと「すぐ故障しそう…」「安いのはいいけど性能が心配…」といった心配をしてしまう方も多いのではないでしょうか。

丸紅は、1994年から発電事業をスタートし、2000年から原材料の調達や設備機器販売を行っている老舗の太陽光発電サービス会社でもあります。中古太陽光パネルをそのまま販売するのではなく、再利用可能かどうかを専門部門でチェックするだけでなく、ブロックチェーン技術を活用した情報管理によって、情報の偽造や管理ミスを防いでいます。

大量廃棄問題の改善につながる

瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルが販売されれば、今後想定される大量廃棄問題の改善につながる可能性もあります。

太陽光パネルは、FIT制度の始まった2012年頃から急速に普及している製品です。また、パネルの寿命は25~30年程度なので、2030~40年代に大量に廃棄される見込みです。

しかし、2012年頃から生産された太陽光パネルは非常に多く、既存の最終処分場では処理しきれませんし、不法投棄も懸念されています。不法投棄が増えてしまうと、太陽光パネルに含まれる有害物質の流出で、土壌汚染も進んでしまうかもしれません。

瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルが普及すれば、新品の太陽光パネル生産量を抑えながら再エネ電源の設置数を増やせます。このように環境問題や社会問題の解決につながるのもメリットの1つです。

瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルの注意点

メリットの多い瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルですが、注意点もいくつかあります。ここからは、瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルの注意点や課題について1つずつ確認していきましょう。

新品より劣化している

瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルは、一般的な中古太陽光パネルと同じく、すでに数年以上使用されています。そのため、新品のパネルと比較して性能面で劣っている可能性があります。

新品にこだわっている方や発電効率重視の方には、デメリットといえるポイントです。

ただし、瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルが使用できないわけではありませんし、導入コストを抑えながら自家消費を行いたい企業にとってメリットもあります。

保険料が上乗せされる

瑕疵保証責任保険の保険料が、中古太陽光パネルに上乗せされます。

瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルは、一般的な中古太陽光パネルと異なりパネル故障などの際に発生した損害を補償してもらえるのが特徴のため、その分の保険料がかかります。

とはいえ、中古太陽光パネルの販売価格は新品の半額程度なので、全体のコストで見ると金銭的な負担が少ないと言えるでしょう。無償のパネル交換や修理費用の補償などといったサービスを考慮すると、維持管理費用を抑えたい方などに利用しやすいといえます。

売電収入は伸ばしにくい可能性

瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルは、売電向きの製品といえない可能性があります。

太陽光発電で売電収入を伸ばしていくには、FIT制度の単価と発電効率がポイントです。しかし、FIT制度の固定買取価格は年々下落しているため、発電効率を追及しなければ黒字化が難しいという側面もあります。

一方、中古太陽光パネルは既に数年間使用されているため、リユース可能な状態であったとしても新品より発電効率を伸ばしにくい状況といえます。

今後、瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルを導入する場合は、全量自家消費型太陽光発電に活用してみてはいかがでしょうか。自家消費型太陽光発電なら、多少発電効率が低くともFIT制度の影響を受けずに費用回収できますし、電気料金削減効果も得られます。

中古太陽光パネルの導入なら自家消費型太陽光発電がおすすめ

前段で触れていますが、瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルを購入する際は、自家消費型太陽光発電としての活用がおすすめです。しかし、自家消費型太陽光発電が初めてという方にとっては、どのようなメリットを得られるのかイメージしにくいかと思います。

それでは、自家消費型太陽光発電がおすすめの理由についてわかりやすく紹介していきます。

電気料金削減を削減できる

自社に自家消費型太陽光発電を導入した場合、電気料金を大幅に削減できます。2022年から始まったロシアによるウクライナ侵攻によって、燃料費の調達コストは常に高止まりの状況です。そのため、電気料金は値上がりし続けています。

売電型太陽光発電は、売電収入で電気料金の負担をカバーできるものの、FIT制度の固定買取価格下落によって収支バランスの維持が難しいでしょう。

自家消費型太陽光発電であればFIT制度の影響を受けずに運用できますし、発電した電気をすべて自社の設備に使用することが可能です。また、燃料費調整額や再エネ賦課金の負担も大幅に削減できるため、毎月の固定費を抑えたい方にとってメリットの大きな運用方法といえるでしょう。

和上ホールディングスで自家消費型太陽光発電を導入いただいたお客様の中には、導入費用約1,800万円で電気料金削減額年間180万円程度といった事例もあります。また、費用回収期間はわずか7.6年と、10年以下で初期費用の回収を実現しています。

非常用電源として活用可能

自家消費型太陽光発電は、非常用電源としても役立つ設備です。

日本は、台風や豪雨、地震、噴火といった災害の多い地域で、いつどのような被害を受けるかわかりません。とくに震度7クラスの地震など大規模災害発生時は、1週間や1ヵ月程度停電してしまう可能性もあります。

特にデータ管理の必要な業種では、停電によるデータ消失を防がなければいけません。また、早期の復旧には電気が欠かせません。

そこで自家消費型太陽光発電と蓄電池を設置しておけば、停電時でも自社のサーバやPC、照明設備、一部の生産設備へ電力を継続的に供給することが可能です。

脱炭素経営をアピールしやすい

自家消費型太陽光発電の導入は、脱炭素経営を目指す企業にとってメリットの多い選択です。近年、世界では気候変動による社会や生物への多大な影響を考慮し、脱炭素化という方向でさまざまな取り組みを進めています。

脱炭素化とは、二酸化炭素の排出量削減や排出された二酸化炭素の回収といった活動のことです。二酸化炭素は地球温暖化の原因として考えられている物質なので、日本や世界で脱炭素化という考え方を取り入れています。

自家消費型太陽光発電は、火力発電所と異なり化石燃料を燃やしながら発電しませんし、発電の際に二酸化炭素やその他の有害物質を排出しません。

さらにFIT型太陽光発電とは異なり、再エネ賦課金による国民負担を増やさないため、消費者から見てもイメージのいい設備といえます。

瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルは補償面で充実!

瑕疵保証責任保険付き中古太陽光パネルは、丸紅から販売される太陽光パネルです。購入後にパネルが故障した場合は、無償で交換してもらえます。また、中古太陽光パネルは、性能面で自家消費型太陽光発電に適しています。

脱炭素という点で太陽光発電事業に関心を持っている方や電気料金高騰に悩む方は、今回の記事を参考にしながら、中古太陽光パネルの導入や自家消費型太陽光発電の検討を進めてみてはいかがでしょうか。

創業から30年の和上ホールディングスでは、企業向け全量自家消費型太陽光発電の企画設計、施工、設置後の保守運用まで一括サポートしています。

自家消費型太陽光発電を設置するには、設置予定場所の地形や状態に合わせて部材の選定や設計を行う必要があります。

和上ホールディングスは15,000棟を超える実績を持ち、かつ自社で設計から施工、保守、運用時の税務処理までノウハウを持っています。

サービス内容については、自社敷地での設置運用、遠隔地の自社敷地から自家消費先設備まで送電を行う自己託送型太陽光発電、初期投資ゼロの和上PPAコンサルタントプランの3種類に分かれています。お客様のご予算や方向性に合わせて、適切なプランをご提案いたします。

自家消費型太陽光発電サービスに少しでも関心をお持ちの方は、お電話やお問い合わせフォームからぜひご相談ください。

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