太陽光発電の倒産が相次いでいる?対策や動向について解説!

太陽光発電の倒産が相次いでいる?対策や動向について解説!

2014年以降から太陽光発電関連企業が倒産し始めています。倒産の背景には、売り上げの減少や需給バランスの偏りなど、さまざまな要因があります。太陽光発電の売電事業に参入した企業の中には、事業を継続し続けるべきか悩んでいる企業もあるのではないでしょうか。

そこで今回は、太陽光発電の倒産事例や太陽光発電ビジネスの今後、対応策について詳しくご紹介します。太陽光発電事業に参入したものの売電収入が伸びない方やFIT制度の規制強化などで困っている方などは、参考にしてみてください。

太陽光発電企業の倒産は増えている?

太陽光発電関連企業の倒産件数は、2014年以降から高止まり傾向で、なおかつ増えています。

2013年までは倒産件数は20件未満でした。しかし2014年に20件、2016年には67件もの企業が倒産します。その後も同様の傾向は続き、2018~2020年の間で年間70~90件も倒産してしまいます。

FIT制度(固定家庭買取価格制度)の始まった2012年以降、さまざまな企業が太陽光発電を活用した売電事業、太陽光発電設備の施工、保守管理事業などに参入しました。

しかし、事業者が急速に増えすぎたことによる供給過剰、FIT制度の固定買取価格下落といった状況によって、多くの企業が事業縮小もしくは倒産しています。

2023年以降も同様の傾向は続く可能性があります。太陽光発電の設置業者や販売店を選ぶ際は、実績や業績など含め慎重に確認と検討を行いましょう。

太陽光発電関連企業が倒産した場合はどうなる?

太陽光発電関連企業が倒産してしまった場合に何をすべきか紹介していきます。

設置業者もしくは販売業者の倒産

太陽光発電の設置業者や販売店が倒産してしまった場合、サービスだけでなく、メンテナンスや修理といった作業も対応してもらえません。

また、設置中に倒産してしまうと工事が中断してしまうため、施主にとって契約先企業の倒産というのは大きなリスクです。

販売店や設置業者が倒産している時は、まず保証申請の状況を調査し、メーカー保証などを受けられるか確認しましょう。確認後は、保険会社やメーカーに詳細を確認したり相談したりするのが大切です。

その後は状況に応じて、他の販売店や設置業者でサービスを受け直すのもいいかもしれません。

太陽光発電メーカーの倒産

太陽光パネルなどのメーカーが倒産してしまった場合、メーカー保証や独自のメンテナンスサービスなども受けられなくなります。FIT制度の認定にはメーカー保証も含まれているため、設備認定が取り消される可能性もあります。

万が一、メーカーの倒産による影響を受けた時は、すみやかに自社でメンテナンスや修理に対応している業者を選定し、保守運用体制を整えましょう。体制を整えれば、設備認定の取り消しリスクを回避することが可能です。

太陽光発電企業の倒産理由

太陽光発電企業の倒産が増えていることやリスクについて把握したあとは、倒産理由について確認していきましょう。太陽光発電業界は一種のバブル状態でしたが、さまざまな規制強化や制度の変更によって、現在は落ち着き始めています。

固定買取価格の下落

太陽光発電企業の主な倒産理由として挙げられるのは、固定買取価格の下落傾向です。

固定買取価格は、FIT制度に含まれている電力買取の単価を指しています。単価は年度ごとに異なるのも大きな特徴です。変更や決定については、国が進めています。

たとえば2023年度にFIT制度の認定を受けた場合は、2023年度の固定買取価格が適用される仕組みです。

2012年の制度発足当初は、1kWhあたり40円(出力10kW以上)と高単価でした。しかし、毎年下落方向で改訂されたことで2023年度の固定買取価格は10円(出力10kW以上50kW未満)と、2012年度に対して4分の1程度の単価まで安くなってしまいました。さらに出力50kW以上の固定買取価格は9.5円で、制度発足以降初めて10円を下回っています。

このような状況から売電収入を柱に事業を進めてきた企業は、収支バランスの悪化、赤字経営といった厳しい環境に追い込まれている状況です。

また、太陽光発電の売電を行っていた企業の倒産や事業の縮小は、メンテナンスや施工を行っている企業にとって受注件数の減少につながります。

FIT制度の大幅な変更と規制強化

FIT制度の内容変更と規制強化は、売電型の太陽光発電を運用している方にとってデメリットの多い事象です。

FIT制度の内容は、2020年4月に大きく変わりました。詳細な内容については、以下のとおりです。

出力10kW以上50kW未満の太陽光発電設備に対する規制 ・全量買取から余剰買取へ移行
・発電した電気のうち30%以上は自家消費に用いる
・自家消費に関する計画書の提出
・停電時に自立運転可能な状態
・非常時、給電用コンセントから電気を取り出せる状態
出力250kW以上の太陽光発電に対する規制 FIT制度を引き続き利用できるものの、単価は入札制度によって決められる
出力50kW以上1MW未満の太陽光発電、1MW以上のメガソーラーに対する新制度 ・出力50kW以上1MW未満の太陽光発電は、FIT制度とFIP制度から選択可能
・出力1MW以上のメガソーラーは、FIP制度へ移行しなければいけない

出力10kW以上50kW未満の低圧太陽光発電で売電を行っている方は、特に制度改正の影響を受けやすい状況です。

さらに、自治体独自で太陽光発電の設置場所や方法に関する規制条例が成立し、ますます設置運用の難しい方向へと変化しています。たとえば宮城県では、2022年10月1日から規制区域への太陽光発電設置禁止やその他の規制に関する条例を施行しています。

このようなさまざまな制度改正や規制強化によって、事業撤退や縮小、方針変更、もしくは倒産に追い込まれている太陽光発電関連企業もあるのです。

不祥事による事業停止

太陽光発電企業の中には、不祥事による事業停止や倒産といった企業も存在しています。このようなケースは、FIT制度の改正や規制強化による倒産理由と大きく異なります。

日本ロジテック協同組合は、同時同量を維持できずにインバランス料金を支払うなど、ノウハウ不足だけでなく海外への資金流出で2016年に破産しました。

太陽光発電の販売店や電力制御に関するサポートサービスを検討する際は、過去の不祥事や上場廃止、業績をよく確認することが大切です。

太陽光発電の倒産事例

以下に太陽光発電関連企業の倒産事例をいくつか紹介します。

リベルテ社 2015年2月に事業停止し、3月に破産手続き開始
・2014年頃から支払い遅延などが相次ぎ、自転車操業状態
日本ロジテック協同組合 2016年に倒産
・売電事業を行っていたが、自社で発電所を持たず、余剰電力を購入および安価な価格で売却していく方式で、利益の少ない状態が続いていた
電現ソリューション 2017年10月10日に倒産開始決定
・太陽光発電の施工や運用などを行っていた。運転資金の負担増加などで資金繰りが悪化し、さらに支払い遅延などのトラブルも頻出

このように太陽光発電関連企業の倒産事例を見ていくと、FIT制度の追い風によって業績を伸ばしたり、安価な電力を再販売したりなど、長期的に成長の見込めない方法で事業を拡大していることがわかります。

太陽光発電事業を行っている場合は、自社の事業方針に無理な点がないか、FIT制度に頼りきっていないかを確認してみましょう。また、太陽光発電の販売店やO&M業者の事業運営に不安点があれば、別の事業者へ切り替えるなど早めに対策を進めるのが大切です。

太陽光発電事業による倒産や倒産の影響を避けるには

太陽光発電による売電事業を行っている方、太陽光発電の販売店や施工業者の倒産に備えて出口戦略を考えている方の中には、すみやかに設備を手放そうか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

また、売電収入が赤字状態で悩んでいる方もいるかと思います。

そこで最後は、太陽光発電事業の倒産を避ける、倒産の影響を受けないためにとるべき選択をわかりやすく紹介します。

太陽光発電設備の売却がおすすめ

FIT型太陽光発電で売電収入を軸にした事業を行っていて、かつ収支の厳しい状況なら、設備と土地一式を売却することをおすすめします。

設備の売却は、維持管理費用の負担から解放されますし、リソースを別の事業へ注ぐことが可能です。

また、中古太陽光発電の取引が行われているセカンダリー市場は、さまざまな理由から人気が高まっている状況です。

なぜなら、買い手にとって以下のようなメリットがあるからです。

  • 過去の発電や売電実績から正確な収支予測を立てられる
  • 新規設備より安く設備と土地が手に入る
  • 高単価な固定買取価格で売電を行えて、費用回収できれば売却できる

過去にFIT認定を受けた中古太陽光発電所は、再度設備を稼働させても当時の単価で売電を始められます。たとえば、2012年度の単価1kWh40円(出力10kW以上)で認定を受けた設備を2023年に購入しても、再度同じ単価で売電できるということです。

「固定買取価格の安い2023年に新規認定を受けるくらいなら、中古設備で売電収入を伸ばしたい」という考え方の太陽光発電投資家や企業は少なくないため、中古太陽光発電も需要のある設備になっているのです。

売却専門のサービスなら売買契約まで一括対応

中古設備の売買には専門サービスがあるので、このような業者を利用すれば契約手続きなどの手間が省け、また初めて設備を売買するという方も安心です。

太陽光発電を廃棄する場合は、自社で解体業者と廃棄物処理業者の比較検討を行わなければいけません。また、万一悪質な業者へ依頼してしまうと、不法投棄などの問題が起こる可能性もゼロではなく、結果的に周辺地域への損害賠償などのリスクにつながってしまうこともあるかもしれません。

太陽光発電の売買仲介サービスなら、解体撤去に伴うトラブルを避けられますし、契約手続きや名義変更なども代行してもらえます。

撤去と異なり売却益を得られる

中古太陽光発電の売却は、撤去と異なりまとまった利益を得られます。当たり前ですが、売買契約手続き後には売却益を受け取れます。こうして得た利益は別の事業に活用できますし、FIT認定を受けない自家消費型太陽光発電で電気料金を削減したり非FIT型太陽光発電で脱炭素経営に役立てることも可能です。

売却益は、設備の状態や出力(発電量)によって変わります。

とくとくファームで取り扱っている物件の場合は、利回り10%前後の割合で売却額が設定されています。年間の売電収入が1,000万円なら、売却が1億円前後のイメージです。まとまった売却益を得られるのは、セカンダリー市場ならではのメリットといえるでしょう。

太陽光発電の倒産リスクに不安を覚えたら売却を検討しよう!

2014年頃から、太陽光発電の売電を行っていた企業や、施工・保守サービスを提供していた業者の倒産がみられるようになってきています。また、FIT制度の改正や規制強化といった状況も重なり、倒産件数は増加傾向にあります。

低圧太陽光発電を所有しているものの、制度改正で余剰買取に切り替わり、利益を伸ばせない方、FIP制度へ移行後に電力の需給管理に手が回らずインバランスコストが増加しているなど、太陽光発電事業で悩みを抱えている方は、この機会に設備売却を検討してみてはいかがでしょうか。

とくとくファームは、創業から30年、累計15,000件もの実績を持ち、太陽光発電所の技術から売買仲介までノウハウを蓄積しています。

売却をご希望の際は、専任の担当者が現地調査を実施した上で査定額を計算し、売却額アップへ向けたメンテナンスや洗浄を実施していきます。また、買い手との交渉手続きや所有権移転登記、名義変更手続きも対応しているので、売却にかかる負担を軽減できます。

さらに売却後の税務処理も無料でサポートしているので、売却益を手元になるべく多く残したいという方にもメリットがあります。

少しでも太陽光発電の売却に関心をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。無料の個別セミナーでは、太陽光発電の売却に関する基礎から買い替えなど幅広くお応えします。

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