グリーンITについてわかりやすく解説!取り組み事例も紹介

グリーンITについてわかりやすく解説!取り組み事例も紹介

近年、国内ではグリーンITという新しい環境関連技術に注目が集まっています。しかし新しい技術ということもあり、どのような特徴・強みがあるのかわからないという方も多いかと思います。

そこで今回は、グリーンITの特徴やメリット・デメリット、取り組み事例について詳しくご紹介します。脱炭素経営を進めるために環境関連技術について調べている方や、グリーンITを導入してみたい方などは、参考にしてみてください。

グリーンITとは?

グリーンITは、社会や企業の環境負荷を抑えるために考えられた取り組みの1つで、主にITやIoTに用いられています。(IT:情報技術、IoT:ものとインターネットを接続させる技術)

たとえば、企業のサーバー稼働率を抑え、消費電力量の削減や二酸化炭素排出量の削減を目指す行動は、グリーンITになります。

一般的な省エネ活動と異なり、情報通信技術に関する、もしくは活用した環境負荷低減という点が大きな特徴です。

グリーンITは2種類に分かれている

グリーンITの定義や意味を把握したあとは、種類について確認していきましょう。グリーンITを導入する場合は、IT技術やサービスの省エネ化と、ITを利用した環境負荷低減のどちらを軸に進めていくか、明確に定める必要があります。

IT関連技術やシステムの省エネ化

1つ目のグリーンIT(Green of IT)は、ITやIoTといった技術やサービス、システムの省エネ化、二酸化炭素排出量削減を目指す取り組みです。

ひと言で表すと、ITにおけるエコ活動です。

具体的には、パソコンやWi-Fi、データセンターといったIT技術を用いた機器や設備の消費電力を削減したり、サーバーの稼働率を抑えたりすることで、省エネを目指します。

情報通信技術の需要が拡大している現代社会では、日々IT機器やITインフラ設備の稼働率が上がり、消費電力も増加傾向です。しかし消費電力が増えれば増えるほど、火力発電所の稼働率を上げなければいけませんし、IT機器や設備から放出される熱も増えてしまいます。

グリーンIT(Green of IT)という考え方を企業が取り入れることで、省エネ化やエネルギー消費量の削減、環境への負荷低減を実現することが可能です。

脱炭素経営を目指している企業の中でサーバーやパソコン、ITやIoTを活用した設備を所有している企業は、メリットの多い手法といえます。

ITを利用して環境負荷の低減

2つ目は、IT技術やサービスを活用して自社の事業で排出されている二酸化炭素や消費電力量の削減、環境負荷の低減を目指す取り組みです。

つまり、ITによるエコという考え方です。

この場合のグリーンIT(Green by IT)は「ITを活用した環境活動」なので、1つ目のグリーンIT(Green of IT)「IT技術やサービスの環境負荷低減」とは目的が大きく異なります。

たとえば、ビッグデータを活用して効率的に物流システムを運用できれば、車両の燃料消費量を抑えられますし、労働時間の短縮にもつながります。他には、AIを活用した農業における土壌汚染の調査や分析、化学肥料と環境への影響分析といった方法などが考えられます。

特にITやIoT技術を自社の製品やサービスに取り入れている企業は、導入しやすい考え方といえます。

グリーンITが求められている理由

続いては、グリーンITが求められている理由についてわかりやすく紹介していきます。

気候変動が進んでいる

再エネだけでなくグリーンITも注目されている理由には、気候変動問題の深刻化があります。

国内の平均気温は、過去100年間で1.15℃上昇しています。気温の上昇は、干ばつによる農業への影響、海面の上昇、豪雨や台風の大型化、熱波による熱中症など、生物や自然、社会にとって危機的な状況を引き起こします。

そのため世界各国は、さまざまな観点から気候変動問題の原因を分析したり、対策を示したりし始めています。グリーンITも対策の1つで、企業の脱炭素化や省エネ化、持続可能な社会実現につながる活動です。

電力消費量が全エネルギーの40%以上を占めている

技術や文明の発展により、現代社会ではエネルギー消費量のうち電力消費量が40%以上を占めています。

電力の消費を少しでも抑制しなければ、設備や機器から発生している熱、二酸化炭素の排出、資源の枯渇といった環境問題を解決できません。

特に近年では情報通信技術の発展が目立ち、5G技術の確立、VRやAR、物とインターネットをつなぐIoT、パソコンを活用したサービス展開など、ITなしでは生活や事業展開も難しい状況に変化しました。

しかし環境への負荷を低減させるには、可能な範囲でITサービスや関連設備を省エネ化したり、IT技術を活用して脱炭素技術を進めたりしていく必要があります。

グリーンITは、これからの未来・社会を築いていく上で、欠かすことのできない取り組みといえます。

グリーンITの導入メリット

ここからは、企業がグリーンITを導入することで得られるメリットを紹介していきます。

自社の企業価値アップにつながる

グリーンITの導入は、自社の企業価値を向上できるのがメリットの1つです。世界的にカーボンニュートラルや気候変動問題に注目が集まる状況へ変化したことで、投資家や企業、消費者も企業のCSR活動や環境への取り組みについて注視しています。

そのため、環境負荷の高い事業は企業価値の低下につながってしまいますし、サービスや製品の信頼性にも影響を与えるかもしれません。

これからは、グリーンITを含めて脱炭素経営を導入することが自社の信頼性向上、製品やサービスを成長させていく上で外せない要素といえます。

消費電力を削減できる

グリーンITを導入すれば、自社の消費電力を見直すいい機会につながりますし、電気料金の削減効果を得られる可能性があります。

2022年頃から電気料金や燃料費調整額は値上がりしていて、企業にとっても対策を立てなくてはいけない状況です。

そこでグリーンITに関する手法やアイデアを取り入れれば、効率的なサーバーの稼働、クラウドサービスを活用したシステム管理、省エネ性能の高いIT機器や設備への切り替えなど、節電活動以外で消費電力量を抑えられます。

グリーンITの課題

続いては、グリーンITの課題について1つずつ確認していきましょう。

短期間で結果は出にくい

グリーンITは、短期間で結果を出すことが難しい取り組みです。

グリーンIT(Green of IT)を実施するには、自社で稼働させているサーバーや通信設備、パソコンなどの消費電力量を分析します。そして、新しい機器と交換したり運用方法を変更したりすることで、効率化を図れるかを確認する必要があります。また設備交換やシステム改修などを行う場合は、業務を一時的に休止して通信工事が必要になります。

さらに設備やシステムの変更後は、長期的に消費電力量を記録し、改善されているか慎重に判断するのも大切です。

システム改修にかかるコストや業務の一時休止、長期的な調査など、やるべきことが多いのもグリーンITの特徴です。

またITを活用した省エネ化を実行するには、ITやIoTの仕組みを把握した上でどのような業務効率化や省エネ化を実現できるのか、具体的な仕組みや方法を策定していく必要があります。

設備投資が必要

グリーンITを実施するには、設備投資や改修にかかる予算を確保しなければなりません。また、グリーンITの効果測定や分析のために人的リソースを用意する必要もあるので、人材や費用面で負担を抑えたい企業にとって難易度が高いかもしれません。

なお、グリーンITの手法として比較的取り組みやすい方法の1つが、非FIT型太陽光発電の電力を活用した事業展開です。

非FIT型太陽光発電はFIT認定を受けていないので、FIT制度の影響を受けずに運用を始められます。また、太陽光発電で発電した電気を自社の通信設備で活用すれば、それだけで二酸化炭素排出量の削減と電力会社からの買電量抑制という環境負荷低減を行えます。

グリーンITの取り組み事例

最後は、グリーンITの取り組み事例を確認しながら自社で導入可能な方法を考えていきましょう。

物流のIT化と二酸化炭素削減

物流はエネルギー消費量の多い産業でもあるため、グリーンITによる脱炭素・省エネ化の効果を期待しやすいといえます。

たとえば福井県越前町では、無人の搬送機やドローン、AIを活用した効率的かつ省エネ化につながる物流システムの構築および実証実験を行っています。AIとドローンを活用した運輸サービスなら、人の手による運送コストや車両から排出される二酸化炭素の削減効果といったメリットを得られます。

また、日々物流や商品の需要をAIに学習させれば、製品の生産数を正確な需要予測に合わせて調整し、材料の過剰使用・廃棄数を抑えることが可能です。

ITを活用したインフラ構築

国や企業、自治体では、それぞれITやIoTを活用したインフラ構築や研究開発を進めています。

たとえば、再生可能エネルギーとAIによる分析や管理技術を活用したBEMSやHEMSは、消費電力量と電力供給量を常に調整しながら、効率的なエネルギー消費および機器の自動制御を実現できます。

また、アグリゲーションビジネスという分散型電源の制御サービスは、再生可能エネルギーや需要家の所有している小型発電機、産業用蓄電池を活用しています。そして、必要に応じて電力の販売、需給バランスの調整、需要家へのDR(デマンドレスポンス:需要家へ電力の使用量抑制や活用を要請)といった、無駄のない電力消費・供給システムを構築しています。

このようにITを活用すれば、消費電力の削減だけでなく効率的な電力需給を広いエリアで実現できる可能性があります。

グリーンITはあらゆる企業に求められている!

グリーンITは、あらゆる企業に求められている環境活動です。1つは、IT関連機器や設備、システムの消費電力量削減、もう1つはITを活用した脱炭素化や持続可能な社会に必要なインフラ構築という考え方です。

しかし脱炭素経営を始めるにあたって、ITやIoT技術の導入は難しいといえます。

初めて脱炭素化する場合に適している方法を知りたい方やIT関連のシステム導入は難しいという方は、今回の記事を参考にしながら非FIT型太陽光発電の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

非FIT型太陽光発電は、FIT制度の認定を受けていない太陽光発電を指しています。アグリゲーションサービスを活用して電力の販売を行うこともできますし、自社で自家消費することも可能です。また、FIT認定された電力と異なり、環境価値が残っているので、カーボンクレジットの販売も行えます。

弊社とくとくファーム0では、非FIT型太陽光発電の設計から施工、運用サポートをはじめ、太陽光発電用地の斡旋、太陽光発電物件の仲介など、さまざまな方法で太陽光発電導入のお手伝いをさせていただいております。

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