マイクロクラックとは?太陽光発電における事象と対策について解説

マイクロクラックとは?太陽光発電における事象と対策について解説

太陽光発電におけるマイクロクラックとは、太陽電池に生じた細かなひび割れのことです。基本的には気にしなくてもよい小さなひび割れではありますが、長期的には不具合につながる可能性もあるため、点検やメンテナンスが重要です。

この記事では、マイクロクラックとは何か、現象や原因、対策について詳しくご紹介します。

太陽光発電のマイクロクラックとは

太陽光発電におけるマイクロクラックとは、太陽光パネル表面に入った、目に見えないほど小さなひびのことです。

マイクロクラックが発生しても、ただちに急激な発電量低下や故障にはつながりません。しかし、将来的には劣化や故障が起こりやすくなるため、長い目でみるとリスクがまったくないわけではありません。

一般的にマイクロクラックの発生しやすいポイントは、太陽光パネルの中央付近です。太陽光パネルのフレーム付近は外部からの圧力に強い一方、中央付近は圧力に弱い傾向にあります。暴風や強風などで太陽光パネルに強い力がかかると、中央に圧力が集中して影響を受けやすいのです。

マイクロクラックを目視できる?

基本的にはマイクロクラックを目視で発見・確認することはできません。ひびの範囲が非常に小さいため、一目で確認することが難しいとされています。

マイクロクラックを肉眼で確かめるのは難しいため、発生しているかどうか知りたい場合は、専門業者へ検査を依頼しましょう。太陽光発電に関する点検専門のサービスはO&Mサービスと呼ばれており、発電量の監視などさまざまなサポートが用意されています。

後半では、O&Mサービスの特徴についても解説いたします。気になる方は、ぜひマイクロクラックの対策だけでなくO&Mサービスについても参考にしてみてください。

マイクロクラックの原因

マイクロクラックの主な原因は太陽光パネルに力がかかることです。このため、マイクロクラックにつながる具体的な要因は多岐にわたりますが、よくある原因は2つです。

太陽光パネル輸送・施工時の不適切な扱い

マイクロクラックは、太陽光パネルの輸送や施工時の不適切な取扱いによって発生する場合があります。

たとえば、太陽光パネルの施工時に道具を落としたり、輸送時に他のパネルとぶつかってしたりするなど、パネルに強い負荷をかけてしまうことがひびの発生につながります。強い振動や衝撃、一定以上重さが加わった状態で運搬されることで、マイクロクラックを引き起こしてしまうケースもあります。

このような輸送・施工時の不適切な取り扱いは、太陽光発電事業者側では防ぎきれない問題です。したがって太陽光発電の施工販売業者を選ぶ際は、実績などを確認し信頼できるかどうか確かめることも大切です。

積雪や強風による負荷

太陽光パネルの輸送や施工に問題がなかったとしても、設置後の積雪や強風など自然現象を原因とした強い負荷でも、マイクロクラックが発生してしまうこともあります。

たとえば、太陽光パネル表面に大量の雪が積もると負荷のかかった箇所にマイクロクラックが発生することがあります。強風や暴風による負荷も無視できません。積雪や強風などが続いた時期は、他の故障・破損を見逃さないようメンテナンスを欠かさないことが大切です。

マイクロクラックによって引き起こされる現象

マイクロクラックは、すぐに発電量低下・停止といったトラブルを引き起こすものではありません。このため、マイクロクラックの有無を神経質に気にする必要はありません。

しかし、数年経つと劣化やスネイルトレイルといった他のトラブルにつながる可能性があり、どのようなトラブルと関連するのか知識として把握しておく必要はあるでしょう。ここからは、マイクロクラックによって引き起こされる事象・トラブルを詳しく解説します。

ホットスポットにつながる可能性も

マイクロクラックの中でも特定の箇所で発生したクラックは、ホットスポットにつながる可能性があります。通常、マイクロクラックは、すぐに太陽光パネルの異常を引き起こす事象ではありません。

しかしインターコネクト(セル同士をつなげる銅線)を切断するような形でマイクロクラックが発生してしまうと、発電した電気を送れなくなる部分ができます。電気の抵抗が高くなり、発電時に発熱してホットスポットになるおそれがあるのです。

スネイルトレイルの被害につながる

マイクロクラックが発生すると、スネイルトレイルという不具合につながる場合もあります。

スネイルトレイルは、かたつむり(スネイル)の這った跡(トレイル)のように見える不具合で、発電量が少しずつ低下していきます。しかしスネイルトレイルもまた急激な発電量低下や発電停止、その他トラブルには発展しないため、メーカーの保証対象外です。

マイクロクラックやスネイルトレイルは早めに発見・把握し、点検頻度の見直しやトラブル発生時の予算確保などにつなげることが大切です。スネイルトレイルに関する詳細は、以下記事でも解説しています。

出力の低下を招く場合がある

前半でも触れたようにマイクロクラックは、発生後すぐに発電量や出力を低下させるものではないとされています。しかしマイクロクラックが生じていることで、他のトラブルが重なったときに出力の低下を招く場合があります。

マイクロクラックの発生している場所でも、セル(太陽電池)の電極が接している状態であれば、発電量の大幅な変化にはつながりません。

しかしマイクロクラックが生じている状態で、災害等により太陽光パネルがたわむと、亀裂の入った箇所で断線を起こることがあります。とくに亀裂の入った箇所が電極に近い場合、発電量や出力の低下につながりやすいです。

マイクロクラックを防げる?

マイクロクラックそのものは、輸送時などさまざまな場面で発生しやすく、完全に防ぐことは難しいです。深刻にとらえる必要のない症状であるとはいえ、多少なりとも故障等のリスクがあるなら防ぎたいと考える方が多いでしょう。

しかし、太陽光パネルの輸送や施工時に生じる振動・衝撃は、太陽光発電の施工業者側でしか対策できない問題です。積雪や強風といった自然現象を原因としたマイクロクラックも、完全に防ぐことは難しいところです。

太陽光発電事業者・オーナー側としては、少しでも施工品質の高い業者へ依頼したり、除雪作業や強風対策を施したりする他ありません。マイクロクラックの発生を前提として管理するのが、現実的な対処法といえます。

マイクロクラックの影響を抑えるには

マイクロクラックの影響を抑えたり、少しでも発生リスクを下げたりするためには、太陽光パネルの選び方や施工業者の選定など、さまざまなポイントを押さえることが重要です。

耐久性の高い太陽光パネルを導入する

マイクロクラックの発生リスクを少しでも抑えたい場合は、耐久性の高い太陽光パネルを導入するのがおすすめです。

太陽光パネルメーカーによっては、より耐久性の高いパネルを製造しており、マイクロクラックの発生リスクを抑えたモデルも存在します。たとえば、アメリカの太陽光発電メーカーマキシオンの太陽光パネルには、マイクロクラック対策が施されており、耐久性の高さも強みのひとつです。

太陽光パネルの交換や新規設置を検討している事業者は、太陽光発電の施工販売業者へ耐久性の高い太陽光パネルはないか相談してみましょう。

実績豊富な施工・輸送業者へ依頼する

これから太陽光発電の施工業者を探すときは、実績豊富で輸送や施工時の不具合の少ない業者から比較検討しましょう。

繰り返しになりますがマイクロクラックは、輸送時の振動や衝撃、施工時の不具合によって引き起こされる場合があります。施工業者へ扱い方を直接確認したり評判などを調べたりして、品質を確認しましょう。

優良なO&Mサービスへ相談する

すでに太陽光発電所を設置・運用している事業者は、優良なO&Mサービスへ切り替えたり相談したりしてみるのがおすすめです。太陽光発電専門のO&Mサービスとは、O:オペレーション(Operation)とM:メンテナンス(Maintenance)をメインとしたサービスのことです。

太陽光発電の発電量監視やトラブル発生時の対応、目視点検や電気点検をはじめとした定期点検、敷地内の管理といったサポートを受けられます。マイクロクラックやマイクロクラックから生じる不具合の検査などに対応しているところもあります。

太陽光発電のO&Mサービスを利用するメリット

最後は、マイクロクラックが気になる方が、太陽光発電のO&Mサービスを利用するメリットをわかりやすく紹介します。

EL検査で目に見えない不具合を発見できる

マイクロクラックの検査に対応しているO&Mサービスでは、EL検査が可能です。EL検査では、太陽光パネルに電流を流して発光させ、特殊なカメラで太陽光パネルを撮影することで、マイクロクラックのように目視が難しい不具合などを確認できます。

EL検査に対応可能かどうかは、O&Mサービスによって異なるため、検討する場合は事前に確認しましょう。なお弊社O&MサービスのとくとくサービスでもEL検査を取り扱っており、マイクロクラックを含む不具合を早期に発見することが可能です。

O&Mサービス選びに悩んでいる方、マイクロクラックの発生状況が気になる方は、この機会にぜひご相談ください。

遠隔監視や定期点検で早期に対処してもらえる

O&Mサービスでは、24時間の遠隔監視サービスや定期点検で、太陽光発電所の異常を早期に発見したり設備状況を常時チェックしたりすることが可能です。

遠隔監視サービスとは、遠隔地から太陽光発電所の発電量や設備状況などを常時監視してくれるサービスのことです。自社で遠隔監視システムを導入せずに済むため、コストや管理の負担軽減につながります。

遠隔監視中に何か異常が発生した場合は、通知が入り、O&Mサービスのスタッフが現地まで駆けつけます。状況に合わせて緊急の点検や交換作業等を行い、早期に復旧することが可能です。

定期点検サービスとは、文字通り定期的に太陽光発電設備の点検を行ってくれるサポートサービスのことです。点検項目は多岐にわたり、太陽光パネルや周辺設備の目視点検や機械点検、電気点検だけでなく、パネル洗浄やコーティングなどのサポートも受けられます。

太陽光発電所はメンテナンスフリーではないため、定期的なチェックや点検が欠かせません。また、専門資格を持った業者でなければ対応できません。10年・20年と太陽光発電を運用していく上で頼りになるサポートサービスを見つけましょう。

敷地内の清掃や管理を行ってもらえる

O&Mサービスは、太陽光発電所の運営にかかわる作業を担うため、その範囲は太陽光パネルにとどまらず、敷地内の管理にまでおよびます。リソースやノウハウがなく、どのように敷地内を管理すればいいのかわからない発電事業者にとっては、こうしたサービスは欠かせません。

O&Mサービスの敷地内管理では、敷地内の清掃から除草作業、防犯まで幅広く対応していることが多いです。

敷地内のごみや雑草を放置してしまうと、発電効率が低下するだけでなく、周辺に済む住民の迷惑になることもあります。雑草が太陽光パネルを覆ったり、配線ケーブルに絡まったりしてしまうと、発電量低下や設備の破損・発火につながる恐れもあるのです。

O&Mサービスへ依頼すれば、自社で対応しなくともスピーディに除草作業を進められます。

近年では、太陽光パネルや配線ケーブルの盗難被害も発生しており、敷地内清掃だけでなく防犯へ力を入れる必要もあります。実績豊富なO&Mサービスへ相談すれば、監視カメラや防犯アラーム、フェンス、警備会社へ即時通知できる警報設備などの導入、その他対策が可能です。

発電事業者による対処が難しい部分もカバーしてもらえるのは、O&Mサービスを利用するメリットのひとつです。

リパワリングなどのサービスにも対応してもらえる

太陽光発電所の発電量低下や経年劣化に悩んでいるときは、リパワリングに対応したO&Mサービスが活用できます。

リパワリングとは、太陽光パネルやパワーコンディショナなどを最新のモデルへ交換したり、発電効率をアップさせる機器を導入したりすることで、発電量の最大化を図る取り組みのことです。

弊社とくとくサービスでは、太陽光発電所の点検だけでなくリパワリングの提案や対応まで一括サポートしております。経年劣化による発電量の低下に悩んでいる方は、O&Mサービスの切り替えを含めた見直しを検討してみましょう。

マイクロクラックによる影響を抑えるにはO&Mサービスの活用が重要!

太陽光発電におけるマイクロクラックとは、太陽光パネルに生じる小さなひびのことです。輸送や施工時の不適切な取り扱い、振動・衝撃、強風や積雪などによる負荷で発生するため、完全に防止することは難しいとされています。

マイクロクラックが発生しているか知りたい方、マイクロクラックを含む点検に対応したO&Mサービスへ切り替えたい方は、今回の記事を参考にしながらとくとくサービスへ相談してみてはいかがでしょうか。

とくとくサービスは、遠隔監視から緊急時の駆けつけ対応、定期点検や敷地内の清掃・除草、防犯、さらにEL検査やホットスポット検査などを行っている産業用太陽光発電専門のO&Mサービスです。

複数のサポートプランを用意しており、ニーズに合わせてお選びいただけます。少しでも気になった方は、お電話やメールからお気軽にご相談ください。

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