太陽光発電は、太陽光発電パネルに太陽の光が当たることによって発電が行われる発電システムです。そのため、その電気をすぐに利用するのであれば、光熱費を大きく削減することができます。しかしご存知のように、太陽光発電パネルが発電を行っているのはパネルに太陽の光が当たっている日中です。そのため日中に電気の使用量が多い場合、光熱費は大きく削減されますが、日中にほとんど電力を使用しない場合、発電した電力は余剰電力として売電することになります。余剰電力を売電すれば売電収入を得ることはできますが、光熱費の削減はできなくなります。
太陽光発電システムで発電を行って、売電と光熱費の削減の両方を実現するのが蓄電池という仕組みです。蓄電池は、電気をためることができるバッテリーのことです。 例えば、夜に電力を多く使う場合、昼間に太陽光発電システムで発電した電力を売電して、電力が安い夜中に電力を蓄電池に電力をためておき、それを夜に利用するようにすれば、売電収入を得られ、そして光熱費の削減を行うこともできます。また蓄電池に電力を蓄えておくことによって自然災害時にそれを非常用電源として利用することもできます。
太陽光発電システムには、発電規模によって家庭用と産業用がありますが、蓄電池にも住宅用と産業用があります。住宅用と産業用の違いのひとつは、蓄えることができる電力量です。産業用蓄電池は住宅用のものに比べて数十倍の蓄電量になります。 また産業用のカテゴリーに入る50kWもの設備となると、電気主任技術者を選任するなど運用面での事情も異なってきます。そして住宅用と産業用の蓄電池ではサイズ、価格についても異なり、産業用の蓄電池は大型の上、価格もそれなりのものとなります。 もともと住宅と工場などでは使用する電力量が大きく異なります。そのため蓄電池の設置を検討する場合は、たくさん蓄電できるものがよいというのではなく、使用する電力量に合わせたものを使用するのが適当です。
太陽光発電パネルは普及に伴う価格の低下に合わせて蓄電池の価格やサイズなども大きく変わってきており、住宅用の蓄電池の場合、数十万円~、サイズも持ち運びができる小型のものなどがあります。 蓄電池は、これまで太陽光発電が補えなかった部分を補う画期的な仕組みなのです。