環境にやさしい、電気代が節約できるといった理由でエコキュートを導入した人も多いでしょう。そこに最近は災害の備えとしてエコキュートの導入を考える人も増えてきているようです。近年、日本では台風や地震などの災害によって大きな被害が出ています。そして大規模災害になると救助の手が届くのに時間がかかるため、救助の手が届くまで自分たちでどう対応していくか、そのための備えが注目されています。エコキュートはタンクにお湯を貯めることができ、貯めたお湯は災害時に生活用水として使用することができるため、災害対策になると注目されているのです。。
エコキュートは単なる電機給水機と異なり、タンクにお湯を貯めることができます。貯めることができるお湯の量はメーカーによって異なりますが、370リットル~570リットルくらいです。ペットボトルが1リットル、2リットルといった容量ですから、ペットボトルよりはるかにお湯を貯めておくことができます。370リットルとはポリタンク約18個分で、家族4人であれば2~3日分の生活用水です。残念ながらエコキュートのタンクの中のお湯は飲用水として利用することは推奨されていませんが、洗濯やお風呂などに利用することができるため、小さな子供がいる家庭では心強いといえるでしょう。常にタンクにお湯をためておくようにしていけば災害への備えとなり、断水時にはエコキュートのタンクから水を使うことができるのです。タンクの中は魔法瓶のような状態になっていいます。そのため停電で電気の供給がストップしても時間の経過と共に温度は下がりますが、暖かいお湯を利用することができます。
過去の大きな災害の調査結果から、インフラの復旧は電気が最も早いということが分かっています。東日本大震災の場合、電気の復旧が1週間程度であったのに対して、水道の復旧には3週間、ガスは5週間ほどの時間がかかっています。その調査データからも大規模な災害のときには、水の確保がいかに重要であることがわかるでしょう。それもあって災害の備えとしてエコキュートが注目されているのです。
なお、停電や断水時にエコキュートのお湯を利用するには、漏電遮断機をオフにして電気を切る必要がありますし、タンクの水を取り出すには非常用取水栓にホースをつなぐ必要があります。そのほか給湯機専用止水栓を閉めるなどいくつかの作業や停電復帰時のための操作があります。そのため、災害時のエコキュートの利用方法についてはあらかじめマニュアル等で確認しておいた方がよいでしょう。