近年、台風や地震などの自然災害によって大きな被害がでていることから災害に対する備えをする人が多くなっているといいます。大きな災害では、インフラ設備も被災してライフラインが停止していることから、ライフラインをどう確保するかが課題になっています。そんな災害時の水の確保という点で注目を浴びているのがエコキュートです。エコキュートはヒートポンプ技術によって空気の熱でお湯を沸かす機器で、適切な電気プランを利用することによって電気代の節約を期待することができます。エコキュートが単なる電気温水器と異なる点は、お湯を貯めるためのタンクがあるところです。タンクのお湯は災害時の生活用水と利用することができることから、エコキュートは防災アイテムとしても注目を浴びているのです。
人間は1日に2リットルの飲料水が必要といわれており、加えて生活にはトイレや洗濯、お風呂などで水が必要です。災害によってライフラインが断絶したときの避難生活で最も困ったのは水の確保だったといわれています。エコキュートのタンクに貯めることができるお湯は370リットル~で、これは4人家族であれば、2~3日分の生活用水となります。
ライフラインが被災した場合、飲料水の確保も難しいため、エコキュートのお湯が飲料水として利用できないか、考える人は多いでしょう。エコキュートのメーカーでは飲料水として使用することは不適切としているのがほとんどであり、取り扱い説明書にも明記されています。しかしこれはエコキュートのタンクに貯めたお湯がタンクにしばらく貯めるために飲料水として法的な基準に適さないため不適切と説明しているだけで、煮沸することによって飲むことも可能だといいます。つまり、エコキュートは生活用水の確保だけでなく、いざとなれば飲料水の確保にもなるのです。
ただし、エコキュートのタンクの水は煮沸すれば必ずしも安全というわけではなく、タンクに水垢や湯垢や付着していたり、汚れが沈殿している場合は飲料水として利用するにはリスクがあります。そのため災害時に飲料水としても利用することを考えるのではあれば、定期的にタンクの清掃やメンテナンスを行うことが大事です。タンクの清掃は3ヶ月から半年に1回が目安といわれていますが、エコキュートのメーカーによって異なるため、詳しくは取扱説明書等を確認してみましょう。エコキュートのタンクの清掃は自身で行うことも可能ですが、エコキュートの点検やメンテナンスを行っている業者に依頼する方法もあります。災害時の備えの一環というだけでなく、エコキュートを長く利用するためにも点検やメンテナンスは大事のため定期的な清掃を心掛けましょう。