ハーフカットセルとは何?メリットやデメリットについて紹介!

ハーフカットセルとは何?メリットやデメリットについて紹介!

太陽光パネルは、これまでフルセルタイプを中心としたラインナップでしたが、近年ハーフカットセルという新しいタイプも販売されています。またハーフカットセルは、発電効率などといった点でメリットの多いタイプです。しかし、太陽光発電投資を始めたばかりの方などは、ハーフカットセルについてよくわからず悩んでいるのではないでしょうか。

そこで今回は、ハーフカットセルの仕組みや特徴、導入メリットとデメリットについて詳しくご紹介します。ハーフカットセルについて把握した上で太陽光発電投資を始めたい方やハーフカットセルを導入してみたい方などは、参考にしてみてください。

ハーフカットセルとは?

一般的な太陽光パネルは、フルセルと呼ばれているタイプです。フルセルは標準的なサイズの太陽光パネルを指していて、1,000mm台×900~1,000mm台の比率で設計されています。

フルセルに対してハーフカットセルは、従来品と異なるサイズおよび仕様です。それでは、ハーフカットセルの仕組みや特徴について1つずつ確認していきましょう。

セルが半分にカットされた太陽光パネル

ハーフカットセルとは、セルの太陽電池を従来品に対して半分程度のサイズにしたパネルのことです。

セルは太陽電池の最小単位です。また、セルを組み合わせたものがモジュール、モジュールを直列に接続させたものをストリングといいます。さらにストリングを並列に接続したものは、アレイと呼ばれています。なお、パネル1枚のサイズは、モジュールという単位で数えられます。

ハーフカットセルの場合は、通常のセルを半分程度のサイズにしたものをモジュールとして組み合わせています。

縦と横方向もしくは一方向のサイズが、フルセルより縮小されている場合もあります。ただし、パネル全体のサイズはフルセルと変わらないケースもあるので、ハーフカットセルの外形寸法をよく確認した上で検討しましょう。

直列並列回路の設計

ハーフカットセルタイプの太陽光パネルは、直列並列回路で設計されています。

フルセルタイプの太陽光パネルは、直列に接続された20から24個程度のセルをバイパスダイオードで並列に接続されているのが特徴です。(※バイパスダイオード:一部のセルが故障しても故障個所を避けて発電するための回路)

一方、ハーフカットセルの場合は、直列に接続されたセル1セットを並列に接続させた回路設計で、より複雑な回路構造といえます。発電効率については、次の項目で詳しく紹介していきます。

ハーフカットセルのメリット

ハーフカットセルの特徴を把握したあとは、導入メリットについて確認していきましょう。太陽光発電投資の発電効率をアップさせたい方は、特に注目の内容です。

発電効率が年間10%前後アップ

フルセルに対して、ハーフカットセルは発電効率が年間10%前後アップしやすい仕様になっています。またハーフカットセルは直列だけでなく並列にセルを接続させた部分もあるため、部分的に影の影響を受けても該当箇所周辺の発電を継続することが可能です。

フルセルは直列に接続しており、部分的な影の影響を受けた場合にハーフカットセルより10%以上発電損失してしまいます。しかしハーフカットセルのサイズはフルセルの半分程度なので、電流の熱損失による影響を軽減でき、出力を向上できます。

このようにサイズカットは、発電効率という点で多くのメリットを得られるのです。

太陽光パネルの温度上昇を抑制

太陽光パネルの温度上昇を抑えやすい仕様も、ハーフカットセルを利用するメリットと言えます。

ハーフカットセルは、フルセルと同じ電圧で、なおかつ2分の1程度の電流で発電を行えます。これにより発電時の損失を25%程度抑えられるので、損失時の熱も軽減することが可能です。

特に結晶シリコン型の発電効率は高温時に低下しやすいため、ハーフカットセルによるメリットは大きいと言えます。熱を軽減できるということは、太陽光パネル全体の温度上昇抑制につながり、発電効率上昇や劣化抑制といったメリットも得られます。

バイパスダイオードの温度上昇を抑制

前半でも紹介したとおり、バイパスダイオードは、一部のセルで発電効率低下が生じても、全体の発電効率を下げないようにしてくれる回路です。ただし熱が加えられると、発電効率低下に関する保護機能に支障をきたしてしまいます。

ハーフカットセルならではの強みは、バイパスダイオードの温度上昇を抑えられる点です。

温度上昇を抑制する構造のハーフカットセルは、バイパスダイオードの正常な作動を維持する上でもメリットの多い太陽光パネルといえます。

フルセルよりコンパクトな設計

ハーフカットセルの中にはフルセルに対してコンパクトなタイプもあるので、狭小地や特殊な地形でも設置しやすいといった特徴もあります。

太陽光発電投資で重要なポイントは、効率よく太陽光パネルを設置することです。しかし土地の形状や地盤の状態によっては、フルセルの太陽光パネルを敷き詰められない場合もあります。

ハーフカットセルなら架台のサイズも抑えられるので、全体のコストを軽減できます。またフルセルよりコンパクトなため、さまざまな形状や環境の土地でも効率よく設置することが可能です。

フルセルの太陽光パネルで効率よく設置できない場合は、ハーフカットセルを導入してみるのもおすすめです。

ハーフカットセルのデメリット

続いては、ハーフカットセルのデメリットについてわかりやすく紹介していきます。

影のない場所で過熱してしまう可能性

フルセルと異なり、ハーフカットセルは影のない状況では過熱および故障してしまう場合があり、注意の必要なポイントです。

冒頭でも解説したように、ハーフカットセルはセルを直列に接続させたひとまとまりの回路同士が並列に接続されています。そのため、直列に接続されたフルセルと異なる事象も発生します。

たとえば、一方のセルが雑草などで影になっている部分がある場合、並列に接続されていてかつ影のないセルも発熱してしまう場合もあります。そのため、故障個所が1度に複数発生しやすい側面もあると言うことです。

ハーフカットセルの発熱による故障を防止するには、O&M業者による定期的なパネル洗浄と除草作業、オーナーによるパネルの汚れを含む目視点検を定期的に行うのが大切です。

海外生産拠点で製造されているタイプも多い

国内メーカー重視の方にとっては、ハーフカットセルの種類という点でデメリットを感じる可能性もあります。ハーフカットセルの開発研究を積極的に行っているのは、主に中国の企業です。

国内の電機メーカーや太陽光発電専門のメーカーは、ハーフカットセルを取り扱っていなかったり太陽光パネルの製造から撤退したりしています。そのため、国内メーカーでハーフカットセルを検討した場合、比較しにくい状況です。

なお、海外メーカーに抵抗を持っている方も、性能や評判を調べてみる価値はあります。海外メーカーは、発電効率や耐久性という点で優れた太陽光パネルを製造していますし、国内メーカーより安い製品も存在します。

ハーフカットセルの主なメーカー

ここからは、ハーフカットセルの主なメーカーをいくつか紹介していきます。

長州産業

国内メーカーの長州産業では、2022年時点でも住宅用・産業用の太陽光発電システム、蓄電システムの開発製造、販売を行っています。ハーフカットセルの太陽光パネルは、住宅用のプレミアムブルーの他、産業向けにも製造されています。

産業用の太陽光パネル「CS-375K44H」は、従来品よりセルサイズの小さいハーフカットセルで、パネル温度の上昇を抑えながら発電します。そのため、発電効率は、20.59%と高効率です。価格は1枚あたり24万5,520円(税込)と、一般的な太陽光パネルと同程度の価格帯です。

またバスバーの本数が9本と多いことから、電極間の熱損失も抑えられています。「CS-375K44H」は野立て太陽光発電システムの他、倉庫や工場の屋根などにも設置できるため、柔軟に設置運用しやすい製品といえます。

トリナソーラー

トリナソーラーは中国の太陽光発電メーカーで、中国国内だけでなくアメリカや日本にも製品を提供しています。

太陽光パネルは、単結晶型のパネルだけでなく両面発電型のパネルなども製造・販売されています。各パネルにはハーフカットセルタイプもあるので、さまざまなサイズや性能から比較検討しやすいのが特徴です。

たとえば、単結晶のハーフカットセルは、屋上設置向けの「TALLMAX M-DE17M(II)」や狭小地など限られた土地に適した「HONEY M-DE08M(II)」、大型商業施設や発電事業向けの大型太陽光パネル「Vertex TSM-DE20」など、多彩なラインナップが揃っています。

また両面発電型の「Vertex TSM-DEG20C.20」は、ハーフカットセルではあるものの、大規模商業施設向けの大型太陽光パネルで、1枚あたり600Wの高出力を実現しています。

国内メーカーと比較して1枚あたり2万円程度安い価格設定なので、高出力・低価格を両立させたい方にメリットのある太陽光パネルです。

ネクストエナジー

国内メーカーのネクストエナジーは、「NER108M410B-MD」をはじめとした産業用太陽光発電向けのハーフカットセルも取り扱っています。1枚あたりの出力は、400~500W程度と汎用性の高い仕様で、小~大規模の太陽光発電所に設置しやすいと言えます。

「NER108M410B-MD」の場合は最大出力410Wで、20.9%の高効率を実現しています。

またバスバーは11本搭載していて、かつ電流抵抗値を低減させるSelective Emitterという特殊構造という仕様のおかげで、電流値の増加および発電効率向上というメリットもあります。

ハーフカットセルは売電収入アップにつながる!

ハーフカットセルは、フルセルより温度上昇の抑えられた新しい構造の太陽光パネルです。また、発電効率の向上といったメリットを得られるので、売電収入・自家消費率アップといった強みもあります。

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