これから太陽光発電投資を始める方や既に太陽光発電事業へ取り組んでいる方の中には、「太陽光発電に未来はないのか?何となく不安に感じてしまう….」など、さまざまな情報から太陽光発電の将来性について不安を覚えている方も多いのではないでしょうか?太陽光発電やメガソーラーは、将来性のある事業です。ただし、太陽光発電を取り巻く環境は変わるので、時代に合わせた事業展開が必要です。
そこで今回は、太陽光発電に未来はあるのか・ないのか、制度や買取価格などさまざまなポイントから将来性について詳しくご紹介します。太陽光発電関連の情報を調べているうちに将来が気になってしまった方や太陽光発電投資を検討している方は、参考にしてみてください。
太陽光発電に未来はない?カーボンニュートラルとの関係
太陽光発電に関しては、「未来はない」という意見もあります。しかし、カーボンニュートラルや再生可能エネルギー推進の方向で世界は進んでいますし、導入しやすさという点でも未来のある設備です。
日本を含む世界は、気候変動問題の解決に向けて有害な物質の排出量削減、エネルギーの使い過ぎを抑える運動などを進めています。中でもカーボンニュートラルは、CO2排出量実質0を目指す運動で、再生可能エネルギーの需要を高める要素でもあります。
太陽光発電を設置すれば、CO2の排出量を大幅に削減することが可能ですし、ZEB(Net Zero Energy Building)や省エネ機器との連携によってCO2排出量実質0を目指すことも可能です。(ZEB:ビル内の消費エネルギー削減と再エネによるクリーンエネルギーの生産と活用によって一次エネルギーの消費0を目指す)
太陽光発電の将来性と課題
太陽光発電そのものは、クリーンなエネルギーで未来のある設備です。ただし、関連する制度や費用について課題が残されているため、これから太陽光発電投資を行う方は課題を把握しておくことをおすすめします。
ここからは、太陽光発電の将来性と課題について紹介します。
初期費用は今後も下がる傾向
太陽光発電の初期費用に関しては、年々安くなっていて今後も同様の傾向が続くと考えられています。1993年に販売されていた住宅用太陽光発電は、出力1kWで370万円と高額な費用がかかりました。2022年時点では1kWあたり20万円台なので、約19倍の価格帯です。
なぜ安くなっているかというと、太陽光発電の普及と性能向上による製造コスト下落が続いているからです。
初期費用という点で太陽光発電は、個人や中小企業にも導入しやすい再生可能エネルギー設備といえます。また、費用が安ければ初期費用回収の期間を短縮でき、エネルギーの自立を実現しやすいといえます。
このように太陽光発電は、コスト面でも設置しやすい設備です。
固定買取価格の下落が続く
固定買取価格の下落が続いているため、新規FIT認定による太陽光発電投資に関しては少し厳しい状況といえます。再生可能エネルギーの支援制度「FIT制度」を活用すると、10年間もしくは20年間固定買取価格で売電を始められます。(出力10kW未満:10年間、出力10kW以上:20年間)
固定買取価格はFITの認定を受けた年度によって変わり、毎年度更新されているのが特徴です。たとえば、2022年度にFIT認定を受けた場合は、同年度に定められた固定買取価格で10年間・20年間売電できます。
2012年の制度発足当初は、1kWhあたり40円台という高単価でした。しかし、太陽光発電の固定買取価格は、設備の普及や製造コスト低下に合わせ、下落方向で毎年更新されています。
また、国は発電コストと買電コストを同じにするという目標を持っているため、今後も固定買取価格の下落は続いていくと考えられています。
2022年度の固定買取価格なら初期費用や維持費用を売電収入でカバー可能ですが、売電収益重視の方にとって厳しい状況です。そのため、固定買取価格頼みでの新規運用は、慎重に考える必要があります。
自家消費と中古設備の売電が主流に変わりつつある
国内の太陽光発電市場では、新規設備による売電から自家消費型太陽光発電と中古太陽光発電の売電へ需要がシフトしつつあります。
前段で紹介した通りこれから太陽光発電を新規で設置し、FIT認定を受けようとすると、安い固定買取価格で事業展開していかなければいけません。また、固定買取価格の下落によって自家消費による電気代削減効果の方が、メリットの大きい運用方法へ変わります。
そこで太陽光発電企業や太陽光発電投資家は、電気を売るのではなく消費することで電気料金・固定費を削減していく方向で動き始めました。
さらに売電収益を効率的に得たいという太陽光発電投資家や企業は、固定買取価格の高い中古太陽光発電に注目しています。中古太陽光発電は、前オーナーがFIT認定を受けた年度の固定買取価格で売電を始められる設備です。2012年や2013年など高い固定買取価格でFIT認定を受けた中古太陽光発電も売却されているので、太陽光発電投資においてメリットがあります。
FIT制度はFIP制度へ
FIT制度は、既存の電力市場と異なり電力需給状況に関わらず、常に固定価格で電力を買い取ってもらえるルールです。
さらに電力の需要に合わせて発電量や売電量を調整しなくてもペナルティは課されません。しかし、国は再生可能エネルギー事業の自立へ向けて、一般の電力市場でも生き残れるようFIP制度という新制度を2022年4月にスタートさせました。
FIP制度は、電力需要に合わせて買取価格が変動し、なおかつ発電量の計画値と実績値のずれに合わせたコストの負担など、既存の卸電力取引に近い複雑な内容といえます。対象の設備は1,000kW以上の太陽光発電です。また、出力250kW以上1,000kW未満の太陽光発電設備を所有している方は、FIT制度とFIP制度を選択できます。
太陽光発電で新規に売電事業を行う場合は、FIP制度でなければ利益を伸ばしにくい状況です。そのため、太陽光発電に未来はあるものの、新規設置による売電事業の難易度が高まっているといえます。
太陽光発電に未来はある!これからの強み
続いては、太陽光発電に未来がある理由と強みについて紹介します。
電気料金高騰などエネルギー問題の解決につながる
太陽光発電の導入は、CO2削減という環境問題への解決だけでなく、電気料金削減や災害対策など個人や企業のエネルギー問題解決につながります。
2022年2月に始まったロシアとウクライナの戦争によって原油や天然ガスといった資源価格は、急激に高騰しています。そのため、日本の電気料金は高騰し続けている状況です。
電気料金には、燃料価格に関する燃料費調整額という項目が含まれています。燃料の調達コストが上昇すれば、その分燃料費調整額も上昇し同じ電気使用量でも負担が増えてしまいます。
太陽光発電を導入しておけば売電によって電気料金の負担を抑えられます。また、自家消費すれば燃料費調整額の負担を避けられるため、電気料金を大幅に削減することが可能です。
資源を輸入に頼っている日本で暮らす上でエネルギー問題は、今後も続きます。個人や企業も太陽光発電で電気料金負担の解決を図ってみてはいかがでしょうか。
セカンダリー市場が盛り上がっている
固定買取価格の下落やFIT制度の自家消費要件追加によってセカンダリー市場が、太陽光発電投資家の間で注目されています。
セカンダリー市場では、日々中古太陽光発電の売却や購入が行われています。売電収入重視の方は、特にメリットの大きな市場です。
中古太陽光発電のメリットは以下の通りです。
- 購入後すぐに発電を始められる
- 新規設置より初期費用を抑えられる
- 高い固定買取価格で売電できる
- 自家消費要件の実施前に設置された設備なら同要件を避けられる
特に高い固定買取価格で売電できる点は、中古設備ならではの強みです。そのため、今後も売電収入を重視している太陽光発電企業や個人投資家は、セカンダリー市場で積極的に売買を行っていくことが予想されます。
国による補助金制度など支援体制が整っている
国や自治体の補助金制度や支援体制は2022年時点でも整っているため、コストを押さえながら太陽光発電を事業を始められます。
たとえば、国の補助金事業「ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」というのは、自家消費が太陽光発電や蓄電池の導入にかかる費用を補助してもらえます。
補助金制度やFIP制度などの支援制度は、初めて太陽光発電事業を行う企業や資金調達に悩む企業にとって役立ちます。また、初期費用を抑えることができれば収益を伸ばしやすくなりますし、初期費用回収期間を短縮できます。
2022年以降も再生可能エネルギーや省エネ関連の補助金制度は実施される予定です。これから太陽光発電事業を行う方は、補助金制度を比較してみてはいかがでしょうか?
当サイトでは補助金制度に関しても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
太陽光発電ビジネスにおすすめの運用方法!
最後は、これから太陽光発電ビジネスを始める企業に向けておすすめの運用方法を紹介していきます。
中古太陽光発電投資
効率よく売電収入を得たい時は、中古太陽光発電投資をおすすめします。前半でも何度か触れていますが中古太陽光発電投資は、新規設置と異なり購入後すぐに発電を始められますし、購入前に発電実績を確認した上で判断できます。
さらに2012年や2015年など過去にFIT認定を受けた設備が多数販売されているので、固定買取価格20円や30円台の高い金額で売電を始められます。
弊社とくとくファームは、中古太陽光発電物件の売買仲介サービスを提供しております。掲載物件は、出力50kWや100kWなどの小中規模からメガソーラークラスまで幅広い状況です。
ご相談の際は、専任の担当者がヒアリングを実施した上でお客様に合った物件の現地調査と見積もり、売買契約手続きの代行含め一括サポートいたします。気になる方は、ぜひ1度お問い合わせください。
PPA型太陽光発電
初期費用負担を抑えながら自家消費を行いたい時は、PPA型太陽光発電を検討してみてはいかがでしょうか。
PPAとは、PPA事業者所有の太陽光発電システムを自社の敷地や屋根に無償で設置してもらい、自家消費を行えるサービスのことです。契約期間は20年程度で、毎月の一定の利用料もしくは自家消費分の電気代をPPA事業者へ支払う仕組みです。
契約期間中は毎月費用がかかるものの初期費用の負担を分散できるのは、主なメリットといえます。
非FIT型太陽光発電とJクレジットの併用
自社の固定削減に加えて環境価値をアップさせたい時は、非FIT型太陽光発電とJクレジットの併用がおすすめです。
非FIT型太陽光発電とは、FIT認定を受けずに発電と自家消費を行う運用方式のことです。Jクレジットは、太陽光発電などによるCO2削減量をクレジットという形で販売することで利益を得られます。
FIT制度の固定買取価格は年々下落しているので、自家消費重視であれば非FIT型でもメリットがあります。また、自家消費によって削減したCO2をJクレジットとして市場へ売却すれば、利益を得られるだけでなく自社の環境価値アップにつながります。
なお、弊社とくとくマガジンでは、Jクレジットの仕組みも解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
太陽光発電に未来はある!まだまだ伸びしろのある事業!
太陽光発電は、CO2削減や電気料金削減、売電収入、企業価値アップなどまだまだ未来のある設備です。ただし、これから太陽光発電投資を行う時は、FIT制度の自家消費要件などルールの変更や規制強化、固定買取価格など、さまざまな点から運用方式を検討したり都度変化してみるのも大切です。
太陽光発電投資に力を入れていきたい方や太陽光発電投資の運用方法について気になっている方は、今回の記事を参考に中古メガソーラーや太陽光発電を検討してみてはいかがでしょうか?
弊社とくとくファームでは、稼働済み中古太陽光発電所を多数取り扱っており、購入や売却の仲介サービスを提供しております。全国各地から出力50kWや100kW台、1,000kW以上のメガソーラーなどを集めているので、事業計画に合わせてお選びいただけます。
さらに会員の方には、非公開物件の情報をご提供しております。
ご相談の際は、専任の担当者が物件情報の収集から契約手続き、購入後のサポートサービスまで対応いたします。太陽光発電投資について関心を持っている方は、無料の個人セミナーをぜひご検討ください。セミナーでは太陽光発電投資の基礎やメリット・デメリットまで1つ1つご説明いたします。